ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜

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監督:寺本幸代
出演:水田わさび,大原めぐみ,かかずゆみ,木村昴,関智一
時間:108分
公開:2011年
キャッチコピー:
ひとつになれば、大きな力が目を覚ます。
ジャンル:
アニメ(日本)ファミリーアドベンチャーリメイク

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年03月27日 | 見た回数: 1回

ラストのシーンだけは先日娘が見てた所に引っ張られる形で見てしまっているので、んー。どうしようかとは思ったんですが、その短いラストシーンが「お!泣けそうだ」と密かに思っていたので、深夜一人で視聴。

うーむ。なんだろ、ピッポが我慢して我慢して我慢して・・・泣いちゃうくだり(鉄人兵団がくるちょっと前。のび太くんと二人の所)に関しては、あれ?ここ来そうなのに全然ダメじゃないか。という印象でした。

何となくチョッパーを思い出させ、で、あちらの号泣感に比べるとなんかちょっとねー。キャラがおもねってる感じだからかねー。丸い球体ロボットのままの方が良かったかもねー。でもそうなるとピッポが涙、の演出が出来ないよねー。etc…

などなどいらん事ばっか考えてしまったからかもしれません。

とはいえ最近何でも泣ける自信がついてきただけあって、一回見てるにもかかわらず最後のとこでやっぱり涙がぽろりぽろり。しずかちゃんだけ別行動ってのも今までにない展開ですし(オリジナル劇場版はちゃんと覚えてない)、これもまたありかなと。
ラストの鉄人兵団からの重圧感と味方はいつもの5人だけ。というプレッシャーも感じられたし、新しい作品ならではの派手な戦闘シーンも迫力があってよろしい。いやー面白かったです。

柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2011年08月24日 | 見た回数: 1回

ザンダクロス(ジュド)の頭脳が、ヒヨコにかわったりして、なんだか媚を売る戦術展開なのかなーとかなんとか思っていたのだけど、いや、この改変はアタリだったと思います。かわってスネ夫のロボット(ミクロス)の出番がなくなるのですが、ピッポ(=ひよこジュド)のおかげできちんと物語に深みが出てるのです。

前作では、リルルとしずかの関係が色濃く印象に残るのですが、ピッポとのび太、ピッポとリルルがうまくそれぞれの人物の動機付けに結びついていて、前作よりも物語に説得力と立体感があるのです。また、ザンダクロスが自律的にのび太たちを守るところも、ピッポのおかげで前作より感情移入できるくらいです。

絵もきれいだし、動きも気持ちいい。のび太の馬鹿さ加減もさほど鼻につかず、しずかの出番が増えている分、スネ夫とジャイアンの出番が減っているのもマル。

あいかわらずタイムパラドクスの問題は、たいへんたいへんいい加減な描写だとは思うけど、ぜんぶさっ引いてなかなか楽しいリメイクでした。

* * *

以下、長い余談。

ちゅうわけで楽しんだことは楽しんだのですが、この手の<ロボットも人間と同じように尊い存在なのだ>系の話は、僕の趣味とは合わないのです。

生命の定義というのは単純ではないのかもしれません。J・P・ホーガンの『造物主の掟』のような描写のされ方で機械が命を持つという描写は面白いのだけど、でも、鉄人兵団のような、<ロボットも同じように尊い系>の話って、四肢と頭──つまり人間のような形状をしていて、人間のように話す存在は尊い、というロジックを抜けにくいように思うのです。

<万物は尊い>といわれたら、そんなに文句は付けませんよ。有機物も無機物も尊いってことですよね。それはそれで納得します。

あるいは<知性は尊い>ということを言いたいのかな? 鯨類やサルは、ネコやミジンコに比べると、得難いもの(知性的なもの)を手に入れたのだから尊い──ゆえにロボットが自律的な知性を手に入れたら尊い?……というんだったら、まあ、そういう主張なのね、と思います。

いやね、この映画を見る直前、子供たちがGyaoで鉄腕アトムをみてたのです。そこでも「ロボットだって、心があるんだ!」というような台詞が平気で出てきちゃう。僕はひねくれてるからでしょうか、なんでそんな馬鹿げたロボットを作ったのだろうと思う訳です。一所懸命、心のようなややこしいロジックを組み込む暇があったら、ほかにすることがあるだろうと思うのですが、どうもそうではない。

その鉄腕アトムについていえば、どうもロボットがまだ働けるのに使い捨てにされていて、捨てられたロボットが悲しんでいる、というような話なんですが、ほとんど明らかに熟年再就職的な構造なんですね。まだ働けるのに、定年だから問答無用でやめねばならないってどういうことだ、という話なのです。そういう人材がいるのは全く否定しないのですが、そういう人材をロボットで比喩するってのもいかがなものだなあとも思います。

やっぱり今後も、この手の話は気持ち悪いままなのだろうなあ。

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