2001年宇宙の旅 2001: A SPACE ODYSSEY

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監督:スタンリー・キューブリック
出演:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター、ダニエル・リクター
時間:148分
公開:1968年
ジャンル:
SF宇宙

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2014年04月25日 | 見た回数: たくさん

HALは相変わらずの怖さを醸し出していて恐怖感も伝わってくるし、こんだけ古い映画にもかかわらず、それほどの古さも感じないってのはいいですなー。
結構何度も見てる割に所々で頭から内容が抜け落ちているのも多く、例えば月のモノリスの場所に向かうシーンだったり、あちらの世界に飛んでいった後の部屋のシーンだったり。あと、結構印象的なのに最後のスターチャイルドのワンアクションなんて覚えてないもんですなー。
まぁ、ちょびっと難解(そうでもない?)な内容に僕自身がついていけてないのが要因でしょうか。結構今回も新鮮味を持って(毎回なんです。なぜか)楽しませていただきました。

ということで、作品的には「オススメ」で面白いんですが、あれ?もっとどっぷりと映画の世界には入れてた作品だったと思ったんですけど、意外ぼんやりと話を終えてなかった所もちらほら・・・体調のせいでしょうかね。

柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2009年11月28日 | 見た回数: 2回

これまで、「映画なんて筋立てがわかればいいよ」くらいにおもっていたので、そんなに高精細であることに魅力を感じたことはなかったのですが、はじめて Blu-ray でみたいと思う映画でした。「2010年」のメイキングで、スタッフたちが、本作の模型を残さなかったキューブリックを恨むシーンがありますが、まさしく宜なるかな。

じつは『前哨』は未読なのですが、ノベライズ版の『2001年宇宙の旅』は、読んだことがあります。で、ヘンなはなしですが、映画の「2001年宇宙の旅」は、てっきり小説『2001年宇宙の旅』でいうところの前半、月でモノリスが発見されるあたりまでが、ばっさり削除されていると思い込んでいました。

なんでこんな思い込みをしているのかよくわからないのですが、ヒトザルが道具として獣骨を獲得して、その道具を空高く放り上げるシーンも当然覚えていますし、HALの思考ユニットをいじるシーンやラストシーン等々、ちゃんと覚えているのですが、前半のある部分がすっぱり抜けているのです。そもそもがイッチョカミだったのか、不思議です。……というわけで石田さん、先日お伝えしたのはデマでした。映画はきちんと完全なものでした。

いや、あるいは完全以上のものでした。ストーリーはもちろんアーサー・C・クラークが、いればこその筋立てですが、SF 小説(この場合『前哨』に限ったことでなく、いわゆる「SF小説」を)をここまで上品に映画化することができるのか、そしてこれこそが小説を映画化する意味なのではないだろうかとおもえるほどです。

もともと小説というのは、伝達方法が文字に限られている分、完成された物語の伝達手法だと思います。使いこなせる人にとっては、なにも不足がないものなのです。しかしこれが例えばマンガであると、中途半端に歩けたり走れたりする分、小説よりも器用であるにも関わらず、小説ほど深く人の心に刺さりにくくなりがちなのではないでしょうか。

しかし映画。この「刺激の渦」は、マクルーハンが「マッサージ」というのが自然に思えるほど多能なのですが、マンガと小説の法則にはまることなく、唯一、小説に憧れることが許されたメディアであるような気がするのです。もしかしたらこれはもうちょっと丁寧に語るべきかもしれません。じゃあ、ラジオはどうなのだ、舞台はどうなのだ、といわれればきちんと考える必要もあるでしょう。ともかくもまあここは映画部なので……。

さておき、しかし映画は小説に憧れつつ、マンガへの道をたどる一方です。僕は腐るほどマンガを読み、腐るほど馬鹿な映画を見ていますが、それぞれを読んだ後の似たような不完全燃焼感は、きっと僕の読み取り能力不足以外の原因があるように思えてなりません。でもこの映画ほどにきれいに映画をやられてしまうと、うーん。ぐうの音も出ません。

ちなみに謎めいた映画版のラストに対して、小説版ではスターチャイルドがワン・アクションします。このラスト・アクションは、もともとキューブリックが構想していたそうですが、「博士の異常な愛情」とかぶるという理由で削除されたものです。映画でもみたかったような気がする片方で、たしかにいきなり神秘的なラストが具体的になってしまうのは惜しいですね。というわけで、映画は映画で完全なものなのですね。

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