タイムライン TIMELINE
画像表示切り替え監督: | リチャード・ドナー |
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出演: | ポール・ウォーカー、フランシス・オコナー、ジェラルド・バトラー、ビリー・コノリー、 |
時間: | 116分 |
公開: | 2004年 |
キャッチコピー: それは、14世紀からのSOS。 | |
ジャンル: SF、アドベンチャー、ファンタジー |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2012年08月14日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年07月10日 | 見た回数: 1回
僕、あんまり時間旅行ものって好きじゃないんです。
『終わりなき戦い』みたいなんだったら、文句もでないのだけど、とくに過去を改変するようなやつは、頭もこんがらがるし、多くの場合、突っ込みどころが多くて、あんまり楽しめない。
何回もみてるから慣れてしまっていて、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とかに文句を付けようとは思わないけど、特に到達時間を指定できるようなやつだと、そもそもこのストーリー自体を成立させない解決方法のほうが気になってしまって、素直に楽しめなくなっちゃう。
そんな僕なので、本作はやや敬遠していたのですが、先日、丞二と「いいハードSFの映画が少ない」ってしゃべっていたんです。で、あげるとしたら、
次点に「2001年宇宙の旅」ってとこかしらん、と話してたんですね。と、おや。半分がマイケル・クライトン先生じゃないですか。
折しも、たまたま最近読んだ時間系テーマのSF『未来からのホットライン』(J・P・ホーガン)が結構よかったので、じゃあ監督もリチャード・ドナーだからそんな変なことはしないだろうとほのかに期待しつつ、「タイムライン」いってみよか、という運びになりました。
* * *
で、どうだったかってえと、なかなか楽しかったですよ。
- 歴史改変のパラドクスには触れず、時間旅行も規定事実である、というような作りになっていて、ここは陳腐でなくてよい。それでいて、冒頭のいかにも伏線になっている引っかかりどころを、いかにもなかんじで消化してくれるので心地よい。……まあ、タイムトラベルものの醍醐味ですよね。
- タイムトラベルができるのはアクシデントであって、所定の時間に移動する、というようなことはできない。しかももとの着想が物品の瞬間移動だったというところもミソ。「ものを瞬時に送る」技術は見方を変えると「時間をこえる」技術に近しいというガジェットは『過ぎ去りし日々の光』(アーサー・C・クラーク、スティーヴン・バクスター)でも触れられているけど、本作では「伝送 → 再構築」みたいなこともいってたみたいなので、ちょっと違うかな?
- 現在の時間軸と、過去の時間軸が一致していることになっているので、きちんとスリルのある展開になっている。具体的には、本作では、過去にいって6時間後にかえってこなくてはいけない、という縛りがあるのですが、その6時間はきちんと6時間として進行し、「過去にいったと思ったら、すぐかえってきた」とならなくなっている
あとは、これはマイケル・クライトンの妙技だと思うのだけど、危機を演出する場面がいいんですね。タイムゲートがトラブルに見舞われるシーンの運びは美しいなあと思いました。
後半、城攻めのシーンがあるんですが、ここもけっこう迫力があるんです。これはリチャード・ドナーがうまいんかな。
というわけで、作中「ほとんど田舎だった」という点をマイナス加点しても、なかなか楽しみました。
もちょっとマイケル・クライトン原作の映画、おっかけてみよーかな。
リンク
同じ監督が撮っている映画
- 3人のゴースト,
- オーメン,
- グーニーズ,
- リーサル・ウェポン,
- リーサル・ウェポン3,
- リーサル・ウェポン4,
- 暗殺者
そんなに悪くはないかな。
タイム・パラドクスの関係上、知識以外未来の情報を持ち込めないわりに、手榴弾のネタとかうまいなと。
あと、ひそかにあの企業の社長が好きだったりするんだな。
歴史が変わったり後の世に多大な影響を与えたりはしないんですが、微妙に変わってるあたりは、大きな決められた歴史は変えられないという論陣に立ったものなのかな?
まあ、いやー絶賛!というほどのことはないんですが、悪く言うとこはないし、まずまず。ですかねぇ。