ツイスター Twister
画像表示切り替え監督: | ヤン・デ・ボン |
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出演: | ヘレン・ハント、ビル・パクストン、ジャミ・ガルツ、フィリップ・シーモア・ホフマン |
時間: | 113分 |
公開: | 1996年 |
ジャンル: パニック |
コメント一覧
柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2018年07月15日 | 見た回数: たくさん
石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2015年01月18日 | 見た回数: 2回
フィリップ・シーモア・ホフマンがとっても若くて(古い作品やし)元気で、どっちかというと彼の方がキャラが立ってて主人公にしたらコメディ路線でも突っ走れそうでしたかね。
いやね、見るの2回目だと思うんですが、なんでこれ忘れてるのかわからないくらい、全く覚えてなくって(もしかすると見てない?)、それもあってか新鮮で楽しい時間でした。
竜巻の恐怖ってのは残念ながら体感もしてなくて、ただ、小学校の校庭でほんのチョビっと旋風というかが見れた時に、おぉ、なんかしらんけどかっちょいい。という、「台風クラブ」の登場人物のようなお気楽小学生だったなぁ。と、改めて思ったもんです。
ワムウの神砂嵐なんかもその印象かなぁ。
とにかくなんかしら竜巻=「かっちょいいもの」と刷り込まれてるんですよね。
この映画でも、いやまぁ、スケール感と攻撃力と、そー言った男の子心をくすぐるような(不謹慎だけど)素材を自然様が提供してくれてるわけで、熱狂して追いかけたりしてる人らがいるのも頷ける。
被害を食い止めるため・・・とはいえ、何処かしらそんな気分も常に持ち合わせてるんじゃないかなぁ。そんなことを浮かれまくってるフィリップ・シーモア・ホフマンを見ながら思ったりしてました。
柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2012年07月18日 | 見た回数: たくさん
京都に住むようになって驚いたのは、雨戸のある家が少ないことだった。
「台風クラブ」で、丞二が書いているほどではないが、僕の郷里はそれなりに台風もくるし、そして普段からよく風の吹く町だった。当然、各家には雨戸があり、普段から戸袋が存在感を示していた。
それと関係あるのかないのか、その郷里で99年には竜巻で大きな被害が出た。かつて友達が住んでいた建物が破壊されてしまい、後から見に行ったら更地になっていた。この竜巻がF3の竜巻だったそうな(Wikipedia「藤田スケール(竜巻の規模)」)。
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僕が小さいときにも竜巻があった。小学校のころ、体育で校庭に出ているとき、少し離れた所に竜巻が発生して、まっすぐに僕たちの方に向かってきた。先生は僕たちに伏せるように指示をし、小学生たちは地面にしがみついた。竜巻はまっすぐ向かってきて、僕も含めて何人かの子供たちが少し転がった。竜巻はそのまま校庭を通過し、民家の頭上にさしかかると、消えてしまった。
このときの消えていく竜巻が印象的で、いまも目に焼き付いているのだけど、そのときに感じた直観は、「これは怪獣だ」というような直観だった。普段の生活を相対化する異質な存在。普段の生活の中には存在しない大きさ。
この映画では、その怪獣らしさをわりとうまく言い当てていると思うのです。
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上述の「台風クラブ」では、そういった災害に浮き足立つ気持ちを不愉快*1だと指摘していて、それはまったくご指摘の通りなのだけど、この映画ではこの相克する気持ちもうまく描いていると思えます。
主人公の女性(ヘレン・ハント)は竜巻で父をうしなっています。竜巻の災害を恐れ、憎んでいるのだけれど、同時に強く惹かれてもいる。ゆえに彼女はストーム・チェイサーの一員になる。ストーム・チェイサーたちは竜巻の被害を食い止めるために調査をしているのだけど、竜巻が出るとみんなたがが外れるくらい喜んでしまうんですね。だから画面はずっとうれしそうな連中でいっぱい。とくにフィリップ・シーモア・ホフマンがずっとうれしそう。
竜巻への愛憎とあわせて、物語にもう一つ組み込まれているのが離婚係争中の二人の愛憎。ちょっと浅薄な挿話ではあるけど、それなりにうまいことこの相似形をまとめていて、これも好印象。
そして映画では、このおそれの対象である竜巻の様々な姿を見せてくれます。物語を盛り上げるべく出てくるラストのF5の竜巻も絵になるのですが、中盤の双子の水竜巻もたいへん美しく、かなうものなら僕も間近に見てみたい。
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もともと好きな映画だったのだけど、久しぶりに見た理由は、いまマイケル・クライトン特集中だから。なんちゅうかSF作家らしいシャレが効いてるなあと思うのは、竜巻の観測装置の名前が「ドロシー」なんですね。
小さい頃に見た竜巻の原体験と直観を満足させてくれるので、とても好きな一本です。
- *1 単純に不愉快だとは言っておらず、あちらの感想の本質は映画の中での描写について批判ですので、ここでは大意です。
うーん、何度見ても、不謹慎だという若干の自責の念を感じつつ、楽しいのを禁じ得ないなあ。