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尾内丞二 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2010年09月09日 | 見た回数: 2回
台風が上陸するという知らせを聞いて、なんだか間違った方向にテンションが上がり過ぎた少年少女たちの物語。
僕が初めてこの映画を観たのは大学生のころだったが、とにかく不愉快な思いをしたのを覚えている。
僕は南国育ちなので台風の事をよく知っているが、台風が去ったあとの町を歩くと今までそこにあった家がなくなり、川には4トントラックが浮かび、山の形が変わっていた。
台風は人が死ぬ災害だった。
僕が高校生の時のある台風の日。 実家の周辺地域全域に非難勧告が出され最寄りの避難所に退避する時、僕だけに懐いていたペットのオウムを家に残していくことになった。 いくら可愛いペットであっても、人が死ぬかもしれない環境において彼らの命は計られる。
やがて台風が去り、電気が寸断された真っ暗な家に戻ると、オウムは鳥かごの中で小さく震えていた。 僕は自然の猛威を前にした人間の無力さを嘆き、オウムに謝りながら独りで泣いた。
ところがこの映画で描かれる台風は、ただの暴風雨である。 思春期のフラストレーションを台風と重ね、子供たちに変態じみた奇行を演じさせる大人の愚かさと浅ましさだけがただただ腹立たしかった。
お前たちは何ひとつ判っていない。
ベルトリッチが絶賛したとか体当たりの演技がどうとか、そんなものにはこれっぽっちも意味はない。 こんな奇を衒っただけのナンセンス映画を有り難がっているようでは、日本の映画界はいつまでも自己満足の域を抜け出せないだろう。
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台風が上陸するという知らせを聞いて、なんだか間違った方向にテンションが上がり過ぎた少年少女たちの物語。
僕が初めてこの映画を観たのは大学生のころだったが、とにかく不愉快な思いをしたのを覚えている。
僕は南国育ちなので台風の事をよく知っているが、台風が去ったあとの町を歩くと今までそこにあった家がなくなり、川には4トントラックが浮かび、山の形が変わっていた。
台風は人が死ぬ災害だった。
僕が高校生の時のある台風の日。
実家の周辺地域全域に非難勧告が出され最寄りの避難所に退避する時、僕だけに懐いていたペットのオウムを家に残していくことになった。
いくら可愛いペットであっても、人が死ぬかもしれない環境において彼らの命は計られる。
やがて台風が去り、電気が寸断された真っ暗な家に戻ると、オウムは鳥かごの中で小さく震えていた。
僕は自然の猛威を前にした人間の無力さを嘆き、オウムに謝りながら独りで泣いた。
ところがこの映画で描かれる台風は、ただの暴風雨である。
思春期のフラストレーションを台風と重ね、子供たちに変態じみた奇行を演じさせる大人の愚かさと浅ましさだけがただただ腹立たしかった。
お前たちは何ひとつ判っていない。
ベルトリッチが絶賛したとか体当たりの演技がどうとか、そんなものにはこれっぽっちも意味はない。
こんな奇を衒っただけのナンセンス映画を有り難がっているようでは、日本の映画界はいつまでも自己満足の域を抜け出せないだろう。