96時間 TAKEN

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監督:ピエール・モレル
出演:リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイス
時間:94分
公開:2009年
キャッチコピー:
父の愛が、パリの街を暴走する。
ジャンル:
アクションサスペンス

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2017年01月01日 | 見た回数: 3回

娘が「マイ・ボディガード」を見たんですわ。で、もっと「ドンパチのある映画を見たい」ということで、じゃ、「レオン」も好きだし、リュック・ベッソン系のドンパチを見る?……ということで、正月から本シリーズを一気に視聴。

やっぱり一作目が一番面白いかな。

なんだかよくわかんない過去を持ったお父さんが、よくわからんまま強いというのが、いちばん際立ってる気がする。

でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年04月19日 | 見た回数: 1回

派手でもなく緻密でもなく、激しくもなく冷静でもなく。
もっともっと練り込まれたナニカを期待していたんでしょう、でべは。ちょっと盛り上がりきれませんでした。逆にはなしにまったく関係なく音楽が盛り上がってカーチェイスが始まると「お、リュック・ベッソン来た来たー!」と嬉しくなる始末。

あ、娘さんの駆け出しっぷりが好きでした。パパを見つけると遠くからでも必ず勢い良く走り出す、あの走り方が可愛くて好き。

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2010年04月14日 | 見た回数: 1回

いやー、なんというかここまで突っ切れると逆に気持ちがいい。

ジェイソン・ボーンのキレもなければジェームス・ボンドの色気もない。イーサン・ハントのあっけらかんとした明るさ(←もうちょい何かいいのなかったのか?)もない、既に引退したCIAエージェント。確かにボディガードとしても一流やし、過去の経歴も凄そう・・・ではあるんですが、ただ単なる娘第一の子煩悩パパだなぁ。冒頭〜本領発揮までの娘に甘いパパっぷり、でもちょっとずれてて娘のことはあんまりわかってない感じがとても微笑ましく、親近感も持てたのですね。娘は娘で・・・と柴田さんのレビュー見てると愚かな娘なのか。そうなのか。と思いきや、いやいや、まぁあんなもんでしょ。世間知らずっぷりは一流ですがちゃーんとパパの相手もしてくれてるいい子じゃないですか。そりゃ彼も娘になんかあったら何が何でもハチャメチャに助けにいきますってなもんです。

本筋に入って誘拐されそうなシーンからのパパはもう目が違いますよね。ここからはもう、ノンストップで突っ走ります。ただ目的のためには手段を選ばない。ヒーローとしてそれは違反やろ。という常識も正義感もハリウッドルールも関係ありません。

ジャマモノはケセ!ジャマモノじゃなくてもケセ!

巻き込まれて死のうが関係ない。というレベルじゃなかった。何も知らない一般人すら目的のためには容赦ない。
見てるこっちとしては、「えー、そっち撃っちゃうの?いいの?」ですよ。

そのあまりの徹底ぶりにちょっと引いちゃう点はありました。やっぱり主人公たるものヒーローであり、自己投影できるキャラであるべきという暗黙の了解が通用しないんですもの。でも、実際にその能力があって、そういう状況に追い込まれたとしたら、カッチョいいことなんてどうでもいい、まさに彼のような行動をとることこそが当然な訳ですよね。うーん。

あと、いや、元々長いお話じゃないんですが、それ以上に短く感じましたね。無駄なシーンをいっさいそぎ落として、ただただ一直線に目的を達する訳ですよ。そうですよ。何?魚料理は焼くのと蒸すのどっちがいいかだと?魚は釣ったのそのまま食べるのがうまいんだ。ってなもんです。

ということで、その辺のついていけない具合があったんですが、それでも評価としては「おすすめ」をつけざるをえない。とっても面白かったのだ。また今度改めて見るとしよう。

柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2010年03月22日 | 見た回数: 1回

多分、滅ぼしたい国に彼の娘をさらわせたら、その国はリーアム・ニーソンが滅ぼしてくれるでしょう。風の谷に運ばれたボロボロの王蟲のようなものです。

お金持ちがお金にものをいわせて乱暴に解決していく物語とか、爽快感があってけっこう好きなのですが、実力のあるひとが実力を余すところなく使う、というのが見ていて心地よいのだと思うのです。で、本作。たしかに爆発とかカーチェイスとかあるんですが、アクションは基本的に地味なのです。細かい動きでイヤなことをするひとです。それが彼の年齢と経歴を雄弁に物語っていて、まったく飽きさせません。

心の中で「撃て!」と思ったところで撃ってくれて、「折っちゃえ!」「刺しちゃえ!」というところで、見事に視聴者のカタルシスを昇華してくれます。中途半端な容赦はいっさいなく、罪のない人でも平気で撃ちます。そうですよ。そういうのが見たいんですよ。躊躇とか人情とか映画では飽きるほど見ているのですが、この映画では、非常に目的的かつ効率的に一つのことしか目指しません。だからアクションも行動も無駄がないのです。

では、なぜそういう映画が少ないのか。これは簡単なカラクリなのですが、たとえばハリウッドホラーでは、いちゃつくと殺されます。なんでかというと、むやみにいちゃついていることから、その人たちが殺されても、見ている人たちが罪悪感をおぼえないからです。だから、日本のホラー映画がアメリカで流行ったのは、この定石を踏まないホラーがアメリカ人にとって鮮烈だったのでしょう。躊躇がなかったり、人情が薄い主人公は視聴者の共感を得られないのです。

でも、この映画は、ある一つのピースをはめ込むことで、見事にこのジレンマを乗り越えています。そのピースはいうまでもなく「我が娘」です。娘のためにすることだったら、どんなになりふりを構わなくても、視聴者の共感を失うことはないのです。おもいっきりズルいことをしたらいい、残虐なことをしてもいい。だって娘をさらわれてしまっているのです。

「むすめ、むすめ」といっていますが、実のところ、これは肉親だったら大概許されるでしょう。つまり斟酌できる理由があればいいのです。ただこの映画ではあえて娘にすることで、そこはかとないコミカルさを残しつつ、うまくリーアム・ニーソンのキャラクタを掘り下げているのです。

これがもし奥さんだったら? 映画では憎たらしい奥さんでしたが、上記ロジックに乗るのであれば、奥さんでもいいはずです。息子でもいい。でも、奥さんだったら、こういう映画では、お互いがお互いを思う心は、ほぼ同じくらいで配分されることになると思います。助けたらキスシーンの一つも必要になってきます。息子だったら、よっぽど小さければいいかもしれませんが、小さい子供であっても息子だったらそれなりに努力するシーンも期待します。

か弱く、おろかな娘なのですが、か弱く愚かであるが故に、この無敵の父親が、この世界で唯一持っている弱みなのです。父親に対する娘の愛にくらべたら、かの父が娘を愛する気持ちは水たまりと海ほどに違うことでしょう。報酬はキスシーンでも結婚式でもなく、ただ娘が無事に帰って、微笑んでくれるだけでいいのです。

この物語では、長い時間をかけて、父親が家庭を壊してしまっています。前妻との確執は深く、娘も母親について行き、父とは誕生日くらいにしか会わないほど疎遠です。父親は残りの人生をかけて、愛する娘への償いを誓っていますが、不器用なので、よほどのことがなければ、きっとその償う心は報われなかったことでしょう。しかし、その「よほどのこと」が起こりました。そして間違いなく、この無敵の父は、いままさに活躍の場を与えられたのです。

* * *

期待をためにためての視聴でしたが、ほぼ「ダークナイト」くらいばっちり応えてくれました。新しいほうの「スターウォーズ」や「バットマン ビギンズ」に出てるのは意識していましたが、個人的には、やっぱり「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソンという印象を抜けなかったのですが、今回、晴れて僕の中での代表作書き換えです。

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