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石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2010年02月10日 | 見た回数: 1回
目安はー・スローモーション♪
ハリウッドの「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」、タイの「チョコレート・ファイター」と続き、日本代表は「少林少女」ではあまりに悲しいな。と思い、サーっとネット上を廻っていると、「ハイキック・ガール」という、ほぼ同時期公開の映画の存在がちらほら。なかなかの実践スタイルの格闘物らしい。タイトルからして若干、最悪な空気を醸し出していますが、まぁ。日本の女の子の格闘物として、見事残念映画入りを果たしている「少林少女」という存在もあるだけに、あれよりゃましでしょう。
うう、甘かった。
とりあえず「ストリートファイター」の評価「残念」を撤回します(「少林少女」はそのまま)。今作と同列に並べるのはとても申し訳ない気持ちでいっぱいです。いやー今作は最高にひどかった。下手すると「デビルマン」「茶々 天涯の貴妃(おんな)」クラスの出来。
ストーリー云々はまぁ、こういう女の子格闘物のジャンルと言うことであってないようなもの。要はいかに小さくて可愛らしい女の子たちがごつい男どもをバッサバッサとやっつけて行くか。というところだと思うんですね。で、それを見事に見せていたのが「チョコレート・ファイター」。であの実践感。リアリティを追求した今作はというと・・・たぶんこれも演者というよりは編集だったり監督の見せ方のもんだだと思うのですが、たしかに実際に蹴りを当てていたりしますし、飛び蹴りなどの大技も出てくる。大男たちをばさばさ蹴り倒してくれるんですが、その演出がまずひどすぎる。
とにかくね、蹴り倒すシーンや、相手をバシッと決めるシーンの度にスローモーションでもう一度。なんですね。 ココぞ。というシーンでたまーに「こんなすごいことやってんねんで」ということで使ってくれる分には肯定的に見れるのですが、たぶん今作に限ってはほぼ8割9割倒す瞬間をスローモーションでもう一度。上映時間が90分弱と短めの映画なのですが、たぶん実際のシーンはその半分くらいだったのかもしれません。
かの中森明菜様も「出会いは」スローモーション。と歌っていたわけで、決して「待ち合わせ」はスローモーション。というような日常的に使うもんじゃないぜ。もっと劇的なシーンなんだよ。と歌っているじゃないですか。
「茶々 天涯の貴妃(おんな)」といい今作といい、全くもう。
また、スローモーションが多すぎる、ということだけではなく、その対象となるシーンにも問題があります。例えばとあるシーンでバシッと蹴り倒したとする。で、そのスローモーションが入るんですが・・・全部普通のシーンをスローにしただけなんですね。ほら、その瞬間を別角度から見ると・・・とかそういうことは考えないんでしょうかね。よっぽど主人公(ないしその師匠)の技に惚れ込んでいて、これは是非見てもらいたいという監督の意図?であればなおのこと、いろんな撮り方で見せようよ。
結局の所、一台のカメラでただひたすらとってエンディングまでたどり着いたところ、
「おぉ。45分しかないじゃないか。もっと伸ばさねば。」 「監督。もう主役の子も役者さんも帰っちゃいましたよ」 「なんとなー。エーイ、しょうがない。なんとか伸ばしてまともな映画の長さくらいにするぞ!」
ということで、ある素材をとにかくスローモーションで繰り返してみる。ちょっといいな。と思うシーンは有り物をズームしてみる。等の努力の結果生まれたのかな。と。 ※ちなみに、監督がぜひ見せたかったシーンなのか、うっかり編集ミスなのかはわかりませんが、1.蹴り倒す、2.蹴り倒す(スロー)、3.蹴り倒す(スロー)と、何故かスローを2回も繰り返してみたり。 見てるこちらとしてみたらお?バグッたか?とか、テープが巻き戻されちゃったか?などと思ってしまいます。
まだまだ続きます。 セリフについて・・・ 例えば弱そうな女の子が実は強くて蹴りを食らったシーン。 「へぇ。そうなんだ」(←どうなんだ??) 自分の蹴りで、相手がダメージを受けて倒れたシーン。 「あれ?効いちゃった」(←わからんもんか??) 道場破りが現れて師範代を倒した一連のシーン 「エェ、あなた師範代だったんですか?」道場破り 「道場破りか!」師範代 「えぇ、やぶっちゃいました。うふ。」道場破り なんだこのアニメ的な会話は。そんなのも山盛りです。
キャラクターやらについて・・・ 敵役も侮れませんよ。「ストリート・ファイター」で、バルログだのバイソンだのと、えらくゲーム的な名前のキャラが多数登場しますが、今作は「拳牙,竜足,空拳,天倒,天羽,飛燕,虎突,蹴麗,飛翔・・・」まさに男塾ばり。名前通りの技を使い、名前負けした実力で倒されてゆきます。当然。スローでね。
また、なんだかんだでこういう話にストーリーは2の次だ。ということもあるので、そこは大目に見るとしても・・・なんというか、映画タイトルすらフェイクだったりします。物語中盤から後半にかけてはあんまり主人公の女の子は重要じゃなくなり、単なる人質と化してしまいます。それを救う救世主の師匠の物語。んー。大胆なり。「ハイキック・師匠」ですよ。主役の子も最後にちょっとだけ悪の集団をやっつける手助けをしますけど、倒せたのはひとりだけ。基本的には師匠があとの全員をやっつけちゃいます。おぉ、すごいねー。パワフルだ。
例えばブームが去ったもののK−1なんかで異種格闘技戦なんかを見ると、なんだかんだでキックボクシングやムエタイよりも空手の使い手なんかを応援しちゃってたんですけどね。空手自体の精神や動きは嫌いじゃないですし、弱いとも思わないんですが、この映画に限ってはちょっと伝わらないなぁ。
(スロー多用による)スピード感、躍動感欠如。これぞ自主制作(違うのかな)という演出に辟易。日本映画及び空手の威信の失墜。ときた結論を言えば今作は映画じゃなくて、前半は「武田梨奈(主役の子)」プロモーションビデオ、「実戦空手〇〇道場」プロモーションビデオの2本立てという結論です。感覚的にはほら、氣功の師匠がてを触れずに弟子たちをバタバタ倒しちゃうビデオ。あれとおんなじ感覚。 だから、たぶんやってる人はすごいんだろうと思うんですが、それに興味がなく、単純に面白い映画を見たいというこちらからするとなんか肩透かし。これも見方を変えたら楽しめたのかな?
ということでなんだかんだで見終えることができましたが(実は前半20分くらいのところでもうやめようかと・・・自分を褒めてあげたい)、結論としては文句なく「残念」映画。ただ残念映画愛好家の立場からするとちょっと複雑なのは、これはもう映画じゃないから見なくていい。とも言える点。うーん。むむむむー。
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目安はー・スローモーション♪
ハリウッドの「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」、タイの「チョコレート・ファイター」と続き、日本代表は「少林少女」ではあまりに悲しいな。と思い、サーっとネット上を廻っていると、「ハイキック・ガール」という、ほぼ同時期公開の映画の存在がちらほら。なかなかの実践スタイルの格闘物らしい。タイトルからして若干、最悪な空気を醸し出していますが、まぁ。日本の女の子の格闘物として、見事残念映画入りを果たしている「少林少女」という存在もあるだけに、あれよりゃましでしょう。
うう、甘かった。
とりあえず「ストリートファイター」の評価「残念」を撤回します(「少林少女」はそのまま)。今作と同列に並べるのはとても申し訳ない気持ちでいっぱいです。いやー今作は最高にひどかった。下手すると「デビルマン」「茶々 天涯の貴妃(おんな)」クラスの出来。
ストーリー云々はまぁ、こういう女の子格闘物のジャンルと言うことであってないようなもの。要はいかに小さくて可愛らしい女の子たちがごつい男どもをバッサバッサとやっつけて行くか。というところだと思うんですね。で、それを見事に見せていたのが「チョコレート・ファイター」。であの実践感。リアリティを追求した今作はというと・・・たぶんこれも演者というよりは編集だったり監督の見せ方のもんだだと思うのですが、たしかに実際に蹴りを当てていたりしますし、飛び蹴りなどの大技も出てくる。大男たちをばさばさ蹴り倒してくれるんですが、その演出がまずひどすぎる。
とにかくね、蹴り倒すシーンや、相手をバシッと決めるシーンの度にスローモーションでもう一度。なんですね。
ココぞ。というシーンでたまーに「こんなすごいことやってんねんで」ということで使ってくれる分には肯定的に見れるのですが、たぶん今作に限ってはほぼ8割9割倒す瞬間をスローモーションでもう一度。上映時間が90分弱と短めの映画なのですが、たぶん実際のシーンはその半分くらいだったのかもしれません。
かの中森明菜様も「出会いは」スローモーション。と歌っていたわけで、決して「待ち合わせ」はスローモーション。というような日常的に使うもんじゃないぜ。もっと劇的なシーンなんだよ。と歌っているじゃないですか。
「茶々 天涯の貴妃(おんな)」といい今作といい、全くもう。
また、スローモーションが多すぎる、ということだけではなく、その対象となるシーンにも問題があります。例えばとあるシーンでバシッと蹴り倒したとする。で、そのスローモーションが入るんですが・・・全部普通のシーンをスローにしただけなんですね。ほら、その瞬間を別角度から見ると・・・とかそういうことは考えないんでしょうかね。よっぽど主人公(ないしその師匠)の技に惚れ込んでいて、これは是非見てもらいたいという監督の意図?であればなおのこと、いろんな撮り方で見せようよ。
結局の所、一台のカメラでただひたすらとってエンディングまでたどり着いたところ、
「おぉ。45分しかないじゃないか。もっと伸ばさねば。」
「監督。もう主役の子も役者さんも帰っちゃいましたよ」
「なんとなー。エーイ、しょうがない。なんとか伸ばしてまともな映画の長さくらいにするぞ!」
ということで、ある素材をとにかくスローモーションで繰り返してみる。ちょっといいな。と思うシーンは有り物をズームしてみる。等の努力の結果生まれたのかな。と。
※ちなみに、監督がぜひ見せたかったシーンなのか、うっかり編集ミスなのかはわかりませんが、1.蹴り倒す、2.蹴り倒す(スロー)、3.蹴り倒す(スロー)と、何故かスローを2回も繰り返してみたり。
見てるこちらとしてみたらお?バグッたか?とか、テープが巻き戻されちゃったか?などと思ってしまいます。
まだまだ続きます。
セリフについて・・・
例えば弱そうな女の子が実は強くて蹴りを食らったシーン。
「へぇ。そうなんだ」(←どうなんだ??)
自分の蹴りで、相手がダメージを受けて倒れたシーン。
「あれ?効いちゃった」(←わからんもんか??)
道場破りが現れて師範代を倒した一連のシーン
「エェ、あなた師範代だったんですか?」道場破り
「道場破りか!」師範代
「えぇ、やぶっちゃいました。うふ。」道場破り
なんだこのアニメ的な会話は。そんなのも山盛りです。
キャラクターやらについて・・・
敵役も侮れませんよ。「ストリート・ファイター」で、バルログだのバイソンだのと、えらくゲーム的な名前のキャラが多数登場しますが、今作は「拳牙,竜足,空拳,天倒,天羽,飛燕,虎突,蹴麗,飛翔・・・」まさに男塾ばり。名前通りの技を使い、名前負けした実力で倒されてゆきます。当然。スローでね。
また、なんだかんだでこういう話にストーリーは2の次だ。ということもあるので、そこは大目に見るとしても・・・なんというか、映画タイトルすらフェイクだったりします。物語中盤から後半にかけてはあんまり主人公の女の子は重要じゃなくなり、単なる人質と化してしまいます。それを救う救世主の師匠の物語。んー。大胆なり。「ハイキック・師匠」ですよ。主役の子も最後にちょっとだけ悪の集団をやっつける手助けをしますけど、倒せたのはひとりだけ。基本的には師匠があとの全員をやっつけちゃいます。おぉ、すごいねー。パワフルだ。
例えばブームが去ったもののK−1なんかで異種格闘技戦なんかを見ると、なんだかんだでキックボクシングやムエタイよりも空手の使い手なんかを応援しちゃってたんですけどね。空手自体の精神や動きは嫌いじゃないですし、弱いとも思わないんですが、この映画に限ってはちょっと伝わらないなぁ。
(スロー多用による)スピード感、躍動感欠如。これぞ自主制作(違うのかな)という演出に辟易。日本映画及び空手の威信の失墜。ときた結論を言えば今作は映画じゃなくて、前半は「武田梨奈(主役の子)」プロモーションビデオ、「実戦空手〇〇道場」プロモーションビデオの2本立てという結論です。感覚的にはほら、氣功の師匠がてを触れずに弟子たちをバタバタ倒しちゃうビデオ。あれとおんなじ感覚。
だから、たぶんやってる人はすごいんだろうと思うんですが、それに興味がなく、単純に面白い映画を見たいというこちらからするとなんか肩透かし。これも見方を変えたら楽しめたのかな?
ということでなんだかんだで見終えることができましたが(実は前半20分くらいのところでもうやめようかと・・・自分を褒めてあげたい)、結論としては文句なく「残念」映画。ただ残念映画愛好家の立場からするとちょっと複雑なのは、これはもう映画じゃないから見なくていい。とも言える点。うーん。むむむむー。