……ひどい。濃密だった話が、いらん挿話で薄められて、シャビシャビになってしまっている。
アンドロメダ病原体の描写も陳腐になっていて、タンパク質を持たない、でも自己複製能力を持つ存在、というシンプルな恐ろしさがまったくなくなっている。
ロバート・ワイズ版「アンドロメダ...」の（それは本題ではないのだが）面白い点として、ワイルドファイア拠点に入るときの執拗な検疫があるのだが、本作ではあんまりにもさらっとしすぎていて、ぜんぜん面白くない。
のぐちともしゃべっていたが、アンドロメダにおかされていく緑の大地が、アンドロメダ撃退で緑に戻る（！）あたりは、SFでもなんでもなくって、ただのファンタジーじゃないですか。
また、未来からのメッセージはシンプルなはずだ……って、うーん。「コンタクト」のほうが文化文明を共有しない存在でもここまでシンプルに高度な情報を送れるというのに、送り主は本当に同じ星の人ですか、といったもの。というか、この設定や、中途半端な環境保護姿勢も見ていて不快。

リドリー・スコット、トニー・スコットが関わっているということで、ちょっと期待をしていた分、かなり突き落とされた気持ちでいっぱいです。