バッテリー

画像表示切り替え

Amazon で バッテリー を買う

監督:滝田洋二郎
出演:林遣都、山田健太、鎗田晟裕、 蓮佛美沙子
時間:118分
公開:2007年
キャッチコピー:
いまだからこそ、できることがある。
ジャンル:
スポーツ青春ドラマ

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2011年08月31日 | 見た回数: 1回

ちょうど「オーシャンズ」で若干嫌な部分を味わった後だったこともあるんでしょうが、すっきり爽やか。でも、コカコーラのような都会的な雰囲気ではない爽やかさ。

基本的にスポーツを扱う作品は辛口になりがちな僕ですが、まぁ、中学生野球ということもあり、かつ、そのへんを考慮したにしても基本的なプレーの数々はできていたように思える。
往々にして主人公の男の子とかになるとスポーツとは縁遠い走り方をしてくれたりしてげんなりすることが多いんですが(例:「奈緒子」)、今作の林遣都くんの走り方、投げ方はそれなりにさまになっている。

映画上での野球シーンも、基本中学野球。登場人物らは基本経験者を揃えてやらせてるのでちゃんとしてる。基本的にはバッテリー(タイトルやしね)とバッターとの激突であまりナインというチームプレー感はない。ただ、2時間分の映画であまりこったチームプレーだの何だのを描くと冗長でわかりにくくなってたんじゃないかと思うし良かったんじゃないかな?

天才である巧くんと凡人であり女房役の豪くん、及びその他のメンバーにも入れない同級生との溝、母親と父親の息子に対する考え方の違い、野球部顧問と校長、病弱な弟と自分等々、それぞれの葛藤と対立構造も良かったし、ラストに向けてそれらがまとまっていくってのもベタながら良い展開。

一応主人公は孤高の天才って感じ(中学レベル)の巧くんですが、周りの人間それぞれにキャラも立っていて存在感があり、たぶん原作はもうちょっとそれぞれを掘り下げて物語が作られてるんじゃないかなぁ。と感じさせられました。弟だったり豪くんだったり、さらにはサワくんだったりそれぞれがまたいい味もってるんだこれが。
原作は読んでないんですが割と有名な話らしいですよね。ファンからすると、やっぱり原作を超えるってことはないでしょうし、マイナス部分が目についちゃったりするんでしょうがね。

ラスト辺りの天海祐希さん演じるお母さんのあれはちょっとやり過ぎかなとは思いました。それまではあー、お母さんだなぁ。って感じでいい感じの悪役ぶりだったのに惜しい。あれは見てるだけで本人が気づく。にっこりうなづく。位なのが良かったかな。あと、ラストのボールの行方に関しては若干「?」とは思ったものの、総じてとてもうまく描かれてる。

絵も岡山の素敵な田舎感がでてて、より一層素朴で純粋さが増してるように感じられる。「釣りキチ三平」とか「おくりびと」と同じ監督さんですが、田舎の話やらせるといいのが出てくるなぁ。

まれに見るちゃんとスポーツしてるスポーツ青春映画でした。気持ちいい終わり方まで久々の「おすすめ」です。はい。

リンク