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監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ポール・ヘンリード、ジョー・ペシ、ジェームズ・ウッズ
時間:178分
公開:1995年
ジャンル:
ドラマ実話

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でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2011年09月25日 | 見た回数: 2回

十年来のトラウマ映画。

高校時代のでべは映画なんてとりたてて興味がなかったけど、映画館に対する憧れはあって、友達と三人、映画鑑賞会なるものを結成し、ときどき映画館に足を運ぶ浅はかな女子でありました。頻繁に映画館に行けるほどお金があるわけじゃなし、なにより映画好きじゃない我々は高校三年間で、結局4、5本の映画を見ただけ。役者も監督も知らないものだから、見る映画をこだわれるわけもなく、予定先行でその日かかっている映画の中から一番の話題作を選んで、とりあえずそれを見る。そんなふうにして「タイタニック」や「ジュラシック・パーク」や「もののけ姫」なんかを見ました。
ただ一度だけ、予定を決めて映画情報を調べると、満場一致の大作映画がなかったことがありました。しかし映画館へ行くことが目的なので予定が返上されることはなく、無理やりにでも何がしかの映画をみにいくことに。候補に上がったのは「ジュマンジ」と「カジノ」。いま思えば選ぶべきは「ジュマンジ」だと火を見るよりも明らかですが、浅はかな女子高生は、「ファミリー映画なんてダサくてやってらんないわよ」とでも思ったんでしょう、「カジノ」を見に行くことになりました。
結果は惨敗。
そりゃそうだ、スコセッシでデニーロで3時間だもの。冒頭部分から最後までで意識があったのはほんの一瞬、雨の中で埋められる死体の絵。結果この映画は「眠くてつまらない長い映画」とレッテルを貼られ、でべ書庫のトラウマ映画ひきだしに長らくしまわれていたのでした。

そして15年。図らずもいっぱしの映画好きのようになってしまったでべは、ときどきそのトラウマをひきだしから出して眺めていました。いつかリベンジしよう、でもきっと眠い映画には違いないんだと思いながら。
とうとうやってきたその日。予想外の結果。
ふたりのナレーションでどんどん切り替わる筋立てと、それにあわせた細かいカット、とにかくがりがり進むスピーディな展開がパワフル。眠くなる暇なんてあたえられないまま、長尺ものには珍しく、かなりぐいぐいと最後まで引っ張られて見切ったのでした。あらら、初期設定が「腰の引けた思い込み」だったから素直になれないのかもしれないけど、いやかなり面白かった、と認めざるを得ない。悔しいのか嬉しいのか複雑なので言い方が遠回しですが。
そして唯一覚えていたシーンは、重要なシーンでもなんでもなかったことがわかってやれやれと思ったり。

当時の自分がこれを見られなかった理由もはっきり分かってしまって、それも面白い体験でした。冒頭からふたりの主要人物、エースとニッキーの独白が入り混じって、カジノの仕組みや人間関係、互いの人物像を見せる。冒頭のこここそ展開が早くて、顔の判別もつかないままにぶんぶん振り回される感じ。しかもちょっと長いのね。いまはその勢いが引き込み要素としてすごく気持ちよく、ぐいっと波に乗れるけど、ここで「あ、ついて行けない」って気が遠くなっちゃったの、想像できるなあ。だって当時はデ・ニーロだって認識していたかどうか怪しいし。

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