モンスターズ/地球外生命体 MONSTERS
画像表示切り替え監督: | ギャレス・エドワーズ |
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出演: | スクート・マクナリー、ホイットニー・エイブル |
時間: | 94分 |
公開: | 2010年 |
キャッチコピー: 国境まであと125km── | |
ジャンル: SF、恋愛、サスペンス |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2014年08月26日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2012年02月26日 | 見た回数: 1回
のぐちがホクホクと「低予算だけど面白いんだって!」と借りてきました。
なんなんでしょうね。いやわかるんですよ。制約がありつつ面白いものを作るってすごいことですよね。でも、彼女はもうちょっと下心があって、たぶん第2、第3の「トレマーズ」を探しておられるんですね。
もちろん映画が楽しいのはストーリーであり、何度も書いているように<映画を見る>ということは映画を作り手と一緒に完成させる行為(=つまり創造)ですが、ちょっとでも<なにかを創造する>というチャンネルが開いている人にとってはストーリー以外にも、作り手の創意工夫を感じられるものというのは、やっぱり楽しいものです。
んが、「トレマーズ」なんかだと、メイキングを見ることで、その制作過程が卑近なことで、彼岸の技術によってつくられたのでなく、まさにお隣の畑で採れたトマトのようなおいしさがあるのだと思うのです。どう逆さに振ったって、僕たちにトヨタの作るような自動車はつくれないけど、トンカチで大八車を作ったら、それがトヨタの車ほどできがよくなくても感動しちゃうってことですね(最近は、こういった技術が身近になって、お隣のうち(丞二ンとこ)でデロリアンが作れちゃう時代でもありますが)。
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さておき、本作。冒頭はとってもいいんですよ。巨大生物好きの心をくすぐるオープニングなんですが、でもメインパートは田舎の旅行記。ずっと田舎なんです。うまいといえばうまくて、その旅行記の端々にinfected area(感染地帯)なオマケを付け足すんですね。でも、原則気配だけで、実体はない。ずっと叙情的な旅行記。でも、僕は田舎を見てると飽きちゃう。僕だけじゃない。なんせ「ピラニア3D」とか見てる夫婦ですのでね、あんまりこういうふうに上品だとだめなんですよ、たぶん。
最後の最後に巨大生物同士の圧巻のシーンがあり、それはガソリンスタンドというロケーションもいいのですが、さすがにかっこいい。でも、主人公たちなぜだか、チューしちゃうんですよね。ちぇ。「ONCE ダブリンの街角で」でもみならってほしいところです。なんでもチューしたらいいと思ったら大間違いです。それがなかったら趣味のいい映画だなあ、と見終わったのに。
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で、見終わってみると「宇宙戦争」?みたいです。
- トライポッドふうというかイカふうの巨大生物
- トライポッドの豆まきみたいな、木々への産みつけ
- 家ん中ににょろにょろしのびこんでくる
- おおむね主観重視なので、触手的なものが上の方から襲ってくる
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低予算ちゅうのは、じゃあいくらくらいだったのということですが、制作費50万ドル(2012年2月現在だと4,000万円くらい)。ちなみにしらべてみると我らが「トレマーズ」はなんと1,100万ドル──つまり8億円くらい。なーんだそんなにかかってるのかと思うかもしれないけど、他の映画にかかっている金額をご覧あれ。1億ドル(つまり80億円)くらいザラなんですね(金満業界ですね :-P)。最近だと「パラノーマル・アクティビティ」が、たしか130万円くらい(15,000ドル)で作ったのが話題になりましたね。けっきょく役者にかかるお金がすごいんでしょうね。
で、本作の成功で、監督ギャレス・エドワーズがハリウッド版新ゴジラのメガホンをとるのだそうです。低予算だから、姿が出てこないというのはまあなっとくするのだけど、ここで奥さんの言葉を引用
ゴジラで、また気配ばっかりで現物見えなかなったら、日本人怒るよ。
おっさるとおりです。
後に「ゴジラ(2014)」をとることになる監督さんだということで一応期待はしていた一本だったんですが、柴田さんが言うように、いやー、ちょっと眠かった。
巨大宇宙生物もなんというか、イカですしねぇ。ニョロニョロしてる宇宙人以外になにかないのかね?とかも思ったりもしてるんですが、その辺はどうなんでしょうか?昔の火星人イメージから脱却しないなんかいいやつってあるのかなー?ん?「トランスフォーマー」?
ロードムービー的なシーンは別段悪くはないし、所々で宇宙人の存在を匂わせたり、それとともに人間たちのほうがひどいことしてたり。とか、悪いテーマだったり見せ方だったりはしないんだけど、んー。ちょっと間延びというか緊張感にかけるシーンが長い割に、いざという時にそこまでのギャップもなかったかなぁ。
「クローバーフィールド / HAKAISHA」見た時の緊迫感と比べちゃうとやっぱりちょっと落ちるかも。
んー。なんだろう。悪くはないんだけど期待値高すぎたせいか、どうもしっくりこなかったかなー。
イマイチ寄りの「まあまあ」でしょうかね。