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ファーストフード・ネイション Fast Food Nation
画像表示切り替え監督: | リチャード・リンクレイター |
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出演: | グレッグ・キニア、イーサン・ホーク、アヴリル・ラヴィーン、パトリシア・アークエット、ポール・ダノ、ブルース・ウィリス |
時間: | 108分 |
公開: | 2006年 |
ジャンル: ドキュメンタリー |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2012年07月20日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: 判断保留 | 見た日: 2010年02月27日 | 見た回数: 1回
メキシコ国境近くにその精肉工場はある。なんでメキシコ国境近くかといえば安い労働力が手に入るからだろう。「ミッキーズバーガー」のマーケティング担当者のドン(グレッグ・キニア)も、ハンバーガーの肉への糞尿混入告発がなければ、そんなところまで足を運ばない。
メキシコからは密入国者が命懸けで国境をわたってくる。国境越えに失敗してのたれ死んだ若者の靴が落ちているような道。時給が日給の三倍を超えるのでなければ、だれもそんな道を渡ってこない。
そしてそこで待っているのは、決して安全な仕事ではない。牛を解体できる機械は、人間だって解体できる。しかし肩肉450グラム40セントのコストを維持するためには、従業員の安全保障に配慮する余裕はない。
とにかく無い無い尽くしだが、ミッキーズの利益だけは守られる、という見てもどんよりするだけの映画。密入国者たちは工場のボスの権力に蹂躙され、ぜんぜん幸せになる未来が見えない。このネガティブ・スパイラル感に覚えがあるなあと思ったら「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」を見ていたときの気持ちだと思い出した。
最後に望美も印象的だと言っていた工場の現場責任者ハリー(ブルース・ウィリス)のセリフ。
焼けば済む、それだけの話だ(Just cook it. That's all you need to do.)。
ドキュメンタリー祭りの流れで柴田さんに借りたもんで、ついついマインドセットがドキュメンタリーだったってこともあって、途中まで、あれ?なんだこの違和感。とか思ってたんですが、なるほどリンクレイター作品と言われれば納得。
フェイク・ドキュメンタリー。とはチョっと違う気がするんやけど、擬似ドキュメンタリー?なんかうまい言葉ないかな?
微妙な境界線上のラインをついてきてるんで、「恋人たちのディスタンス」「テープ」「ビフォア・サンセット」あたりと同じといえば同じかな。おなじみイーサン・ホークも出てるし、ナイスガイなブルースだって出てる。
ただ、冒頭の違和感が拭えないまま、どっちつかずのモチベーションで見ていたので、重たい現実を上手いこと消化できずに、ドヨよ~んと、気分も落ち混んでしまいましたね。
個人的にはドキュメンタリーなら「現実を笑い飛ばす」感じが好きなんで、その点でもちとしんどかったかな。ん?ドキュメンタリーじゃない?ま、そうなんやけど、それならそれでどっかで救いを求めちゃうんですよねー。
てなわけで、悪くはないしそれなりに興味持って見れるんですが、気分的には落ち込んじゃったなぁ。リンクレイター作品きらいじゃないんですが、これはちとイマイチ。かな。