ジャマイカ楽園の真実 LIFE & DEBT

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監督:ステファニー・ブラック
出演:ドキュメンタリー
時間:86分
公開:2001年
ジャンル:
ドキュメンタリー

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柴田宣史 | 簡易評価: 判断保留 | 見た日: 2010年02月21日 | 見た回数: 1回

齋藤が貸してくれたので家族でどんより上映会。

たとえばODA(政府開発援助)。発展途上国の支援に使われるお金で、橋を造ったり、農作物の品種改良をしたりするらしい。それだけ聞いていれば、なんだいいことにお金を使ってるじゃないか、と思うのが普通だけど、実態としては、環境アセスメントに問題があったり、お金の流れに問題があったり、農薬依存の農作物を作って結局、地元の農家を苦しめたりと、どうも、最初に聞いた「立派なこと」というのが怪しくなってくる。

このドキュメンタリーでその光と影を見ることができるのは、世界銀行とIMF。途上国への融資をしている国際機関で、途上国にとっては必要……とおもいきや、どうもそう単純ではない。

その融資も決して金利優遇措置がある訳でもないので、かなりの負担になる。それだけでなく融資の条件に輸入自由化を強制されたりして、融資の結果、途上国は逆に弱体化を余儀なくされる。国内の一次産業はずたずたになって、治安も悪化し、参入してきた非常に強い競争力を持つ米国企業に市場を占拠され、いわば経済植民地の状態になってしまう。

こんなに制度についての建前と現実が違ったら、いったいなにを信用したらよいのやらですよ。

農作物を育てたら誰かが食べてくれるとか、洋服を作ったら誰かが着てくれるというのは、生産者に力を与える。またそういう雰囲気は若い人たちを元気にする。大人になっても生産の喜びを享受できない世界は、当然若者から夢を奪うことになる。

焦点が当てられるのは、タイトルからもわかるように、もちろんジャマイカですが、印象的なエピソードを2つ。

映画の構成は観光客としてジャマイカを訪れる白人と、ジャマイカの苦境を交互に移すのですが、その冒頭、「アメリカ人はこの国に、運転免許証で入国できることを疑問に思わない。反対にジャマイカからアメリカに行くためにはひどく大変な手順がある」。

もうひとつは、アメリカから鶏肉は輸入されます。ジャマイカの検疫所で検品をしてみると、なんと20年前の鶏肉だとわかり、アメリカに問い合わせる。すると、「申し訳ない、それはハイチに送る予定だった鶏肉だ。手違いでそっちに行ってしまった。ハイチに送るので、送り返してほしい」。

んーむ。

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