駆込み女と駆出し男

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監督:原田眞人
出演:大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり、樹木希林、堤 真一
時間:143分
公開:2015年
キャッチコピー:
江戸時代の離婚は現代の2倍!?
離縁調停人が人生再出発のお手伝い、承ります。
ジャンル:
時代劇ドラマ

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年07月13日 | 見た回数: 1回

でべちゃんのコメントが丁寧なので、ストーリーについてなにか補足することは無いですね。

ぼくはなにかで縁切り寺というか、こういう女性の駆け込み寺のことは知っていたのですが、門前宿まであわせて、ここまで反体制的というか、反権力的というか、傷ついた人を守る、作中の言葉を借りれば「素敵」な組織があったのかと思うと感動的です。

すこし気になったのは、信次郎の医学知識です。それは当時あった用語なのかちょっと時代考証が気になりました。

信次郎にじゃっかんイラっとさせられるところがあるものの、総じて登場人物たちが気持ち良く描かれていて、堀切屋(堤真一)とお吟さんのくだりなんて、とってもよかったです。

ただ最後の悪役の末路は、おもわず金タマが縮みました……。

でべ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年07月03日 | 見た回数: 1回

これは大変よいものを見ました。

実は井上ひさし作品て読んだことがないのですが、これを機に読んでみても良いですね。たいへん丁寧で行儀よく、茶目っ気も十分なおはなしでした。

冒頭はテンポの良い掛け合いで、言葉の流れも美しいのですが、なにしろ言葉が古いので、言ってることが半分もわからない。もともと、石田さんのコメントにそそられて、乗り気でない丞二を巻き込んで見ていたので、出鼻をくじかれたわたしは、若干ひやひや。意味はわからずともなんとなく言葉を拾って物語は追えるのですが。
そんな理由もあって縁切り寺がどういう仕組みなのか、うまく飲み込めないままはなしが進んでしまいます。
見ていればおのずと分かってくるのですが、最初で勢いを削がれてしまうと残念なので、すこし事前に予習しておくといいかもしれません。縁切りの流れは理屈が分かっていれば、言葉ももっと聞き取れたかも。

というわけで、縁切り寺概要。
天保13年。当時の離縁は、夫側の離縁状しか認められず、女性から離縁を言い渡すことはできません。どうしても縁を切りたい女性は覚悟を決めて東慶寺に駆け込みます。このお寺は幕府公認の縁切り寺。男子禁制の尼寺です。駆け込み成就した女性は、まずは門前の御用宿に滞在し、事情の聞き取り、夫の呼び出しが行われます。御用宿の主人が調停役となって、話し合いをすすめ、ここで穏便に離縁状が出れば、めでたし。夫側が拒否すれば、猶予期間として24ヶ月、女性は東慶寺に入山します。24ヶ月の別居生活を経れば夫婦とは認められなくなり、夫側に強制的に離縁状を書かせることができます。そしてようやく離縁成立。

物語は東慶寺に駆け込んでくる女性たちの3つか4つのエピソードを軸に進みます。
とにかく登場人物が揃って格好いいのです。駆け込んでくる女も、逃げられた男も、迎え入れる東慶寺や御用宿のみなさんも。それぞれに欠点や裏事情を抱えつつ、男は男気あふれ、女は女気あふれ、こういうときに自分の語彙の少なさを悔やむほどに。
そんな格好いい登場人物たちの間で、ひとりフラフラしている居候が、主人公の信次郎。口ばかり達者で医者の勉強も成就せず、戯作者としての淡い夢を抱えたまま、江戸を逃げ出した彼が、この寺の物語を紡いで(引っ掻き回して?)行きます。

予告編で見たときはもっとドタバタした喜劇を想像していたのですが、コミカルな部分もありつつ、たいへんしっかり時代劇でした。「十三人の刺客」を見たときと同じく、いま、がっつり本気で時代劇やると格好いいんだなーと。監督は「突入せよ!浅間山荘事件」の方なんですね。なるほど、エピソードの重み付けや「笑い」の取り入れ方が、よく似ている。

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年06月24日 | 見た回数: 1回

いやー、面白かった。

とにもかくにも大泉洋のセリフ回しだけでごはんおかわりできちゃうくらいなんですが、話自体がとてもコンパクトで無駄のない喜劇&人情モノで、2時間強の作品の割に全く時間を感じさせないのもさすが。特にだれたポイントもなく、絶妙な間合いではなしが展開されてゆく。

単にしっとり人情だけじゃなく、喜劇パートも主役の大泉洋のキャラによるものなのか、「トワイライト ささらさや」では味わえなかったテンポのよい気持ちの良いしゃべりっぷり。
のぼうの城」だったり「超高速参勤交代」だったりで求めていたも、このバランスなんだろうなぁ。と、しみじみと思ったものです。。

なんとも久々にすっきり晴れ晴れとした気持ちになれました。

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