博士の愛した数式

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監督:小泉堯史
出演:寺尾聰、小川洋子、小泉堯史、深津絵里、齋藤隆成
時間:117分
公開:2005年
キャッチコピー:
博士と過ごしたひとときは
私とルートにとって本当に大切な時間でした
ジャンル:
ドラマ

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年12月14日 | 見た回数: 1回

幾人かの方々がすすめてくださったので視聴。なかなか楽しかった。

この数年、算数の本を読み続けているので、知っているネタが多く、出てくる端から、何の話を始めるのかが分かったりしてちょっと嬉しい。

十月にはちょっとむつかしい数学だったのだけど、まあそれなりに話にはついて来ていて、博士の記憶障害に同情していました。

石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2011年01月07日 | 見た回数: 2回

年末年始というのは、結構大作系がTV放映されるんですが、今年はさほどでもなかったかな?特に洋画系があんまりだったこともあり(「ロッキー」のシリーズを1〜6全部やってたのは観たかったんですが、1を録画失敗・・・5日シリーズでやりましょうかね。)、ついつい邦画ばっかり録画しては見てるわけですが、今作は久々ですね。

元の小説は読んでないので比較はできないんですが、何ちゅうか数学ってもっとおもろいんちゃうか?とか錯覚させられますね。「友愛数」なんて素敵じゃないですか。数学に対するあこがれ的なものはあるんですが、高二で理系を挫折した身からすると、当時これ見てたらもうちょっと楽しんでやれてて、今頃そっちに進んでたんかもねー。とか思ってしまいます。

話自体は派手な演出があったり、泣かせる演出があったり・・・とかそういう作品じゃないんですが、いや、変わらず楽しませていただきました。下手なアレンジを加えてないんでしょう。嫌味なく、気持ちよくエンディングへ。となかなかに文句のない出来。

ただ、一点、微妙に気になったというか、寅さん世代の方には「マドンナをそんなふうに行って・・・」と怒られちゃうかもしれませんが浅丘ルリ子さんがとっても怖い。化粧のせいなのかなんなのか?ひとりだけ化粧の年代がズレているというかなんというか。これも物語中のの事故当時をキープするためにわざと、なのかもしれませんが、やっぱりちょっと怖いのだ。特に、本館から遠目で見られてるシーンなんて、おぉ、ホラー映画なり。ですよ。

ということで、んー。「なかなか」くらいかな。オススメでもいいかも。

でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2010年07月02日 | 見た回数: 2回

面白かった小説の映画化作品に挑むときは複雑な気分。わたしの抱くイメージ通りでないことは分かり切っているし、その意味で映画が原作を超えることはない。よく言う「原作のほうがおもしろかったよ」ってやつ。だからなおさら「原作モノだからつまらない」と先入観を持たずに見ようと思う。映画化しようと思った誰かは、その小説を読んで心打たれて、誰かなりの好意の表現が"映像化"することだっただろうから。わたしと誰かは、大なり小なりその小説に対して良い気持ちを持ってるはずだから。そもそも同志が作ったものだもの、温かい目で見ていきたい。
・・・それでも大人の事情でレイプされる作品は数多いわけですが。

博士の愛した数式」は原作を読んでいない丞二が高評価だったこともあって、あまり嫌な気持ちにならずに見られた。原作にそこまでの思い込みがなかったのも勝因だろうけど。
惜しむらくは博士のからだにくっついたメモの数。
原作の博士は一種異様ないでたち。くたびれた背広のあちこちに「紙切れに走り書きされた、身体中を覆う繭のような」メモ用紙をくっつけて、「それは身体のあちこちに巣食い、取っても取っても減らない気がした」ほどの数。数学に関すること、日常のささいなことから重大なことまで、すべて書き留めてあるメモは、記憶の続かない博士を守る鎧。
でも映画の博士に貼りついているメモはほんの5、6枚。「僕の記憶は80分しか持たない」と「新しい家政婦さん」に2枚使って残りは3、4枚。わたしたちでさえ、毎日そのくらいのメモは持ち歩いて生きている。
少なくともでべは、それなりに楽しめる映画だっただけにより惜しい。それで評価が下がるほどの何かでないぶん、余計に気になる。確かにそんなにたくさんのメモをつけなくてもあらすじには影響ないけど、博士の姿の異質さとその内に秘めた繊細さの対比が弱くなって、博士が普通の人に近くなってしまうのは残念。

この気持ちをうまく誰かに伝えたいとしばらく考えていて思いつきました(お風呂で)。実写版「デスノート」(一作目)でデスノートを手に入れた月くんが名前を書き込むときの、下手でデカイ文字の馬鹿っぽさ。あれを見たときの気持ちと近いかな。映画の出来とは関係なく気分が萎える感じ。

***

コメントを書くにあたって原作を読み返したので追記。
どちらかと言うとあら探し。博士のメモがどんなに多いかを引用するための再読。でも意に反してこの映画化は割と幸せな作品だったんじゃないかと思い至る。小説のかもす雰囲気や、ひとつひとつの言葉を忠実に描こうとする丁寧さを改めて感じた。わたしにとっての足りない部分は置いておいて、やっぱりそんなに悪くない映画化だったんだと思う。

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