サンシャイン2057 Sunshine

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監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ、真田広之、クリス・エヴァンス、ミシェル・ヨー
時間:108分
公開:2007年
キャッチコピー:
2057年、人類は、太陽滅亡の危機を救えるのか?
危険で予測不可能な旅が始まる
ジャンル:
ホラーSFサスペンス

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柴田宣史 | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2010年06月25日 | 見た回数: 1回

命題「とってもイマイチなものは、はたして残念なのか」については、「キューティーハニー」で残念学の権威石田博士が考察しておられますが、本作はその意味でとってもイマイチ。

けっこう心地よいSF調の出だしなんですが、こまかいイマイチが積み上がって、最後は有無を言わせないたくさんの光量とおざなりなハッピーエンドでおしまい。

そもそも太陽を再活性させるミッションのコンピュータに「イカロス」って名前を付けるセンスってどうなんでしょう? それ、失敗した人ですよね?

アポロ13」なんかだと、優秀な人たちが、人の努力の向こう側で起こることに、その優秀さをもって全力で向かっていくのが、脊髄の中をほじられるくらい気持ちがいいのですが、なんだか中途半端な人格と能力の人たちが、人為的なトラブルでかってに破滅していくのを見ても、ぜんぜん楽しくないのです。

そのイカロスっていうコンピュータも中途半端に高性能で、「3.1%の遮蔽率の太陽光を30秒間以上見るのは危険です」とか教えてくれる割に、船内人員の管理もいい加減。

でもって、演出。ぼく、たぶん、ダニー・ボイルあんまり好きじゃないんだと思いますが、全然必然性のないサブリミナル効果のような旧乗組員の写真の挿入は、正直見ている最中から不快でした。いや、「28日後...」とかでこれやるのはイヤじゃないんですよ。

また、5歳の娘もいっていましたが、「ワルモンのカオをちゃんと見せてほしい」と。ワルモンが謎めいているうちはそうやってみせるのもいいと思いますが、正体が分かったら、きちんとみせるのは当たり前だと思うのですが、ヘンにチラチラとした演出できちんと見せないのです。そんな5歳の娘でもわかるような「オーディエンスの快/不快原則」がわかんないってどういう演出でしょう。

とはいえ、宇宙もん好きとしては、なかなかいい絵もあるのです。太陽ミッションというと、デイビッド・ブリンの『サンダイバー』なんかを思い出しますが、宇宙船の造形にはこの『サンダイバー』風の雰囲気もあって、そういうところはよかったのです(あるいは太陽もんではないけど、『マッカンドルー航宙記』風のデザインでもある?)。

途中からサスペンス調にかわって、4人しかいないはずの宇宙船に「5人います」というところは、夫婦で「よしきた」というように楽しめたし、ただ残念、というようにも言えず。こまったなあ。

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