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柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2012年07月10日 | 見た回数: 3回
あきらかにコーエン作品なんだけど、ほかの作品に比べると箱庭感が少なく、ふだんのコーエン映画がコート紙だとしたら、上質紙のように、よい意味でのケバを感じる。ヴォネガットほどシニカルではないけど、ヴォネガットの語り口にも似ているように思える。
しっちゃかめっちゃかのストーリーで、特段のメッセージがある訳でもない。いちおう同姓同名の人違いとか、誘拐事件などのキーイベントはあるのだが、デュード(リボウスキ、ジェフ・ブリッチズ)の人生のある時期からある時期までを切り取っただけで、彼の人生が、今回映画で切り取られた以外のところで緩慢に続いていくのは想像に難くない。
むしろストーリーを見せるストーリーでなく、境界線上の人物たちを描くためにストーリーが存在する、というようにも思う。その境界線上の人々を演じる役者たちがまた絶妙なんですよね。
コーエン兄弟の作品の中では一番好き。
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あきらかにコーエン作品なんだけど、ほかの作品に比べると箱庭感が少なく、ふだんのコーエン映画がコート紙だとしたら、上質紙のように、よい意味でのケバを感じる。ヴォネガットほどシニカルではないけど、ヴォネガットの語り口にも似ているように思える。
しっちゃかめっちゃかのストーリーで、特段のメッセージがある訳でもない。いちおう同姓同名の人違いとか、誘拐事件などのキーイベントはあるのだが、デュード(リボウスキ、ジェフ・ブリッチズ)の人生のある時期からある時期までを切り取っただけで、彼の人生が、今回映画で切り取られた以外のところで緩慢に続いていくのは想像に難くない。
むしろストーリーを見せるストーリーでなく、境界線上の人物たちを描くためにストーリーが存在する、というようにも思う。その境界線上の人々を演じる役者たちがまた絶妙なんですよね。
コーエン兄弟の作品の中では一番好き。