ドラゴン・タトゥーの女 The Girl with the Dragon Tattoo

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監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、スティーヴン・バーコフ
時間:158分
公開:2011年
キャッチコピー:
誰がハリエットを殺した?
ジャンル:
サスペンスミステリー

コメント一覧

でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: | 見た回数: 2回

本国スウェーデンの映画版を見る機会があったので、ハリウッド版ももう一度見直すことに。ダニエル・クレイグが出ていたことくらいしか覚えてない。さすがに原作本までは追いかけないけど、二作品の見比べも発見があってなかなか面白い。

スウェーデン版はミステリチャンネルで90分の前後半に分けて放映されていた。映画も長尺158分なので、尺はだいたい同じくらいになる。同じ時間をかけたにしてはアメリカ版はストーリーが追いづらかった。ミステリ特有のこまごました伏線がはしょられていて、さきに見たスウェーデン版のほうが、謎解き映画としてはわかりやすく面白かったかな。派手な絵はないけど堅実につみあげていってくれる。アメリカ版はキャラクターも物語もちょっとエッジをつけて派手にしてるけど、ミステリとしてはよくできてるとは言いづらい。最初にみたときにあまりお話が印象に残らなかったのも、そのせいかも。

主人公ミカエルとドラゴンタトゥーの女、リズベットとの出会いもスウェーデン版のほうがわくわくする。

フィンチャー監督のアメリカ版がイマイチだと並べ立ててしまったけど、本当に見比べて面白かったのは最後の2つのエピソード。ちょっとした違いで見終わったときの後味が全然違って、物語を書き変えたアメリカ版がとても良かった。

ほんとうにオチの部分なので隠しておきます。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

ハリエットの事件が解決して、最後に語られるエピソードはふたつ。

1. 有能だけど問題児のリズベットは、事件を通してミカエルをはじめての友人として信頼する。でも事件後に彼のオフィスに会いに行くと、ミカエルは恋人と楽しそうに腕を絡めて歩いていて、リズベットは声をかけずにその場を立ち去る。

2. ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの不正暴露記事を書いた結果、反対に名誉毀損で訴えられて有罪判決を受けている。事件後、リズベットは事前に得ていたヴェンネルストレムの情報から財産を軽快にかすめ取ってしまう。

ドラマ版は、1、2の順番で描かれている。ようやく普通の人間のように人と付き合えるとミカエルを頼りにしていたリズベットは、彼と恋人の姿を見て「裏切られた」と感じる。八つ当たりのように、とにかく手近にあった情報から悪人ヴェンネルストレムに制裁を下す。何も知らないミカエルはテレビの報道を見てリズベットの仕業だと確信し、ニヤリとして終わる。

でも映画版ではこのふたつのエピソードをただ入れ替えて描くだけで、とっても切ないエンディングを迎える。リズベット彼女なりのやり方でミカエルに誠意を示す。ヴェンネルストレムの財産を巻き上げて、正体を暴くことで、ミカエルの汚名を晴らす。彼のための仕事を終え、これからはミカエルと一緒によい人生を歩めると信じて会いに行くが、恋人と一緒に笑っているミカエルに心を打ち砕かれてしまう。声を掛けられずにバイクで走り去るリズベット。

ちょっとした違いでずいぶん作品の印象がかわる。これこそ比較してみないと分からない違いなので、風呂場でぼんやりしていてふたつのエンディングが持つ意味が飲み込めたときには、なぜかばたばたと慌ててお風呂を上がったのだった。

隠しテキストはここまでです。

でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年06月16日 | 見た回数: 1回

「チャーリーズエンジェル フルスロットル」にブルース・ウィリスがゲスト出演してますね。高級スーツ姿で拉致られて、エンジェルたちに助けを求めるチョイ役。ブルース・ウィリスと言えば「ダイハード」だし、それ以外でもむさくるしいアクション俳優として認知されてる。そうすると、チャーリーズエンジェルのブルース・ウィリスを見たとき「自分でなんとかしろよ」と自然に思っちゃうわけです。
本作主人公のダニエル・クレイグもいまやすっかりダブルオー。すらっとしてるけどひとたび動けば屈強なお兄さんのイメージなのですが、本作では冴えない文屋の役回り。ダサいセーターに眼鏡なんかかけちゃって、そのうだつの上がらないしょぼくれた雰囲気はなかなか良かったのだけど、鉄砲で撃たれて弱音を吐いたりしていると、やっぱり自然と突っ込んでしまうわけです。「自分でなんとかしろよ」と。

・デヴィット・フィンチャーの撮る画は、じっとりして色がきれいだなあ。
・そこそこエグい絵があるので、子供と見るときは要要注意。
・ダニエル・クレイグが旅先に持ち込む本がカート・ヴォネガットの「国境のない男」だったりする。
・有能な人間の有能さをきびきび見せてくれる演出で気分よし。

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