レスラー The Wrestler
画像表示切り替え監督: | ダーレン・アロノフスキー |
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出演: | ミッキー・ローク、マリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド |
時間: | 109分 |
公開: | 2008年 |
キャッチコピー: 人生は過酷である、ゆえに美しい。 | |
ジャンル: ドラマ |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2020年11月02日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2010年12月12日 | 見た回数: 1回
ミッキー・ロークほど、昔と今とで印象の違う役者はいない。
「ナインハーフ」や「エンゼル・ハート」のすらっとした彼と、「シン・シティ」や「アイアンマン2」のごつごつした彼が同一人物だとは。
こんどのミッキー・ロークは哀愁漂うごつごつ系。当初、ニコラス・ケイジを起用しようとしたらしい。が、ニコラス・ケイジはいい役者ではあるけど、このミッキー・ロークを超えられるとは思わない。
そもそも「レスラー」というタイトルだけで、胸がちょっときゅんとなる。
プロレスをあんまり知らない人は、八百長だから嫌いとかいうけれど、プロレスを好きな人たちは、そんなことはわかっている。Wikipediaのケーフェイの項目は、プロレス好きの人が書いたことがよくわかる文章だが、ページの上の方にある「この記事の内容の信頼性について検証が求められています。」が、なんとなく、(ほんとうはそうではないけれど)上述のアンチプロレスとプロレスファンのやり取りのようで、微笑ましい。
プロレスという身体を使ったショーで、引退時期を逸したベテランレスラー。
人格的にすばらしい訳でもなく、唯一残った家族である娘にも憎まれてしまっている。
トップレスバーの踊り子を好いているが、いつも貢げるほど金がある訳でもなく、むしろ家賃さえ滞納している始末。プロレスだけでは食っていけないから、バイトをしている。
そんな彼が心臓発作で倒れる。
まあ、八百長ではないけど、ショービジネス(虚構)のなかで生き抜いてきた一人の老人が、虚構の中に倒れ込んでいくという、いかにも「JCVD」感の漂う(「その男 ヴァン・ダム」)切ない映画なのです。
それにエンドロールのスプリングスティーンが、またいかにもな感じでいいんですよ。
奥さんは「好きだけど人には勧められないなあ」といってたんで、なんとなく僕もおすすめ自粛の簡易評価で。
でも、僕も好き。
うん。いい話。プロレスラーの悲哀というかなんというか。いいんですよ。いいんですけど、ついつい年齢に追われてる環境での格闘イベント・・・という「ロッキー・ザ・ファイナル」の終わったあとの気持ちの良さを求めちゃう僕がいるわけですわ。
なので、リアルな感じは伝わるし、プロレスの裏舞台やショースタイルな感じなどなどわかって見る分には楽しく見られるし、娘とお父さんの関係なんかもまーよろしい。
が、ちょっと現実的すぎてプロレス団体のトップスターの凋落というかバイトしながらとか、うーん。まぁ、草の根プロレスの世界なんてそんなもんなのかもしれないんですけど、夢を売る人々の裏側というか、ンー。ちょっとモヤモヤ。
最後のシーンもかなりかっちょよかったですけどちょっと切ないというかなんというかだなー。