恋空

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監督:今井夏木
出演:新垣結衣、三浦春馬
時間:129分
公開:2007年
キャッチコピー:
きみは幸せでしたか?
ジャンル:
恋愛余命青春胸キュン

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2010年08月16日 | 見た回数: 1回

また、長くなりそうなのを選ぶなー。という声がどこかから聞こえてきそうですな。テレビ放送で1200万人(一説では2000万人)が涙した感動の大作「恋空」をやってたので、勇気を持ってみてみました。
ご存知、ケータイショーセツが原作ですな。さすが元祖というか本家というか、ドラッグネタこそなかったものの、レイプ、妊娠、出産(未遂)、突然の別れ、家庭崩壊、余命系エンディングが立て続けです。

さて、まずこれはちょっとしかなかったんで先にあげておきましょう。
良かった点。ダダダダダ(ザ・ベストテン風)・・・

第2位、8973点(点数には意味はありません。雰囲気の問題です。)
「新垣結衣ちゃん(の、ビジュアル)」
いや、確かにやっぱりかわいいと思いますよ。同年代だったらファンになる人もさぞや多いことでしょう。ま、僕の場合はどちらかというと父親目線のほうが強くて、わが娘もあーなるんじゃないかとどきどきしてしまう今日この頃ですがね。
別段うまい演技を見せるわけでもなけりゃ、声も特に出てるわけじゃない。それでも存在だけで成り立つってのはひとつの立派な才能でしょう。ただ、役者さんとしてはやっぱり個人的には若手女優実力No.1だと思ってる蒼井優ちゃんとは天と地との差があるかなー。とかなんとか。

では、第1位。9999点。
「エンディングのミスチルの歌」
いや、確かにミスチル好きですよ。好きなんですがね、それを考慮に入れなかったとしても、この映画で一番の見所(聞き所)はそこですってば。逆に言ってしまえば、ミスチルのこの曲のPVに新垣結衣をキャスティングするだけで、別に映画にしなくてもよろしい。ということです。はい。
そういや同じ年に公開された「どろろ」もそんな印象ですな。

じゃ、だめだった点ですが、長くて読む気が起きない。
そんなあなたのために、先に結論。
映画としては「残念」間違いなし。はい。
実はひそかに「意外と楽しめるんじゃないか」という謎の期待感もあったんですが、ぜーんぜん面白くなかったぞ。

以降ちょっと長くなるので結果だけお届けしました。

さてと。

涙した1200万人(または2000万人)という数。そもそもこの映画見に行くのなんて、せいぜい10〜30代。という事は人口比率にすると4000万人くらい?、そのうち2000万人ですか。そりゃすごい。二人に一人の割合で涙してるじゃないですか!
別の観点からも見てみましょう。Wikipediaによると39億円も稼いでいる名作。映画一本1500円として2600万人もの人が鑑賞し、そのうち2000万人が涙と計算すると、さらにその比率は高くなります。まして、ほんとに泣いて感動した人が1回のみならず2回3回とリピーターとして見に行ってるとしたら・・・おぉ、すごい数になりそうだぞ。

僕自身、別段涙もろくないこともないし、特に最近は歳のせいなのか娘のせいなのか簡単に泣いちゃうようになってはきてるものの、今作苦笑の連続でまーったく感情移入できないと来たもんだ。新垣結衣ちゃんはかわいいねー。娘もこんななったらどーしようかねー。困っちゃうねー。という観点でしか話が頭に入らないんだな。

今の高校生くらいの子らはそういうものなのかな?あるいは大人になって感性がにぶってる?同じ高校生の時代のネタでも、多分余命系でもひそかに「世界の中心で愛を叫ぶ」とかは泣いちゃうんじゃないかと思っています。ん?長澤まさみは嫌いじゃないかって?まぁ、苦手ではありますが、まだあちらのほうが正気の沙汰ですってば。

あえて非現実的リアリティというのかな?高校生自分に見ていたら、身近に感じるのだろうかというととてもそうとは思えないんですが、この辺はジェネレーション・ギャップかもしれません。何しろ高校生活なんてもう十数年も前の話ですし、今の高校生というのはこー言う世界は普通で、周りでしょっちゅう起ってたりするのかもしれません。
一度今作で涙した人の話も聞いてみたいとこですな。

気になるのは多々ありましたが、なんかやだねー。というひとつが「美嘉はヒロのことが好きだよ」と美嘉さん本人が言っていること。つまり美嘉さん自身が自分のことを「美嘉は・・・」とそれなりの歳になっていっていること。例えば、小さな子供が自分の名前で自分のことを説明したりするのはそれはそれでかわいらしいねぇ。と思ったりするわけですが、この辺はまさに「偏見」の賜物でしょうかね?

また、自分の心情をナレーション的に語ってくれるんですが、「ヒロ」君宛に「○○だったね。」と詩的に思い出しながら語るところ。これまた普通の高校生(ないしその世代)の子らがそんなこといったり考えたりするかね?もっと現実味があったりするもんやろ。とか考えながら、ケーーー。と思ってしまう。困ったおじさんだなぁ。
まぁ、高校生自分の頃は何やかんやでわけのわからない妄想だの理想だのの世界に迷い込んで出られなくなるものなので、それはそれでわからなくもないんですが、残念ながら今作のその思い出しナレーション。年のころなら少なくとも22〜3。自分の恥ずかしい過去を語っている。というちょっとした自嘲気味なものならまだしも、まだ、あたしこんななの。がんばってるの。美しいの。という点が伝わってきてなんだかなー。と感じてしまうんですね。

「ヒロは川みたいだね」
「おれ、空になりてー」
「じゃ、僕は海になるよ」
・・・二十歳超えた男女の会話より抜粋。

あなたたちは土に帰りなさい。

ラストの余命系のくだりについても、その前までご機嫌につきあってた彼氏をものの10分でポイして昔の男に走るさまからしてどーかと思うなぁ。その点ではポイされた側の小出恵介くんは好感が持てました。この特異な世界(映画の中ね)で、ちょっとまともだったような気がするんで。
最後泣かせるべきシーンも、うーん。走っているね。テレビ電話だね。すごいね。ハイテクだね。とか思いましたが、提供はドコモですか。とかやっぱり話に入り込めないんですよね。
死後、思いあまって自分も後を覆うとして、橋から飛び降りようとした瞬間、舞い上がるハト2羽。うーん。ここまで実写づくしできてて、なぜそこだけモロCGなんだ?CGより実際にハト飛ばした方が簡単でしょうに。ジョン・ウーを見習いなさい。

とまぁ、さんざんに書いてますが、全てはこの感動作に感動出来ないかわいそうなおじさんの偏見と負け惜しみに満ちた戯言です。なんといっても、映画を見て感じる気持ちは人それぞれですし、見ようによっては、これまた面白い作品ですしね。
さぁ。皆さんも怖がらずに見てみてください。ホーラだんだん見たくナール。

※ちなみに、この2007年は「HERO」もそうでしたか。残念映画当たり年ですなー。

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