どろろ

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監督:塩田明彦
出演:柴咲コウ、瑛太、麻生久美子、中村嘉葎雄、原田美枝子
時間:138分
公開:2007年
ジャンル:
マンガ・アニメの実写化

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2008年08月08日 | 見た回数: 1回

すべての作品を読んでいるわけではないが、手塚治虫は大好きな作家である。彼を超える漫画家は思いつかないし、彼に続けている漫画家だってあまりいないと思う。
じゃあ、手塚漫画だったら何でも名作か、と言われれば、そんなこともないだろう。あんまり古い漫画は、最近の漫画を読み慣れている僕には読みにくいし、短編は短編故に浅い作品だってある。
でも、『どろろ』はそれなりにいい漫画だと言いたい。いい漫画がこういうふうに料理されちゃうのが、残念でしかたがない。いや、作っている人たちはがんばっているだろう。でも、なんというか残念な映画を見るときのやるせない気持ちをどう表現したらいいのだろうか。
いろいろとみていてゲンナリしたが、僕なりのゲンナリポイントを2点書いておこうと思う。
・ガチャピン
・どろろ
ガチャピンというのは、寺にたたずんでいた妖怪(怨念?)だが、着ぐるみ感いっぱいで、出てきた瞬間に恥ずかしくなってしまった。
どろろは、百鬼丸につきまとう少女だが、原作で少女なのに、映画ではずいぶんと大人になっている。「彼女は、難しい役をがんばっている」という評価もあるし、原作をもつ映画が、原作に忠実であらねばならない、という法もない。
でも、原作のどろろの性格のまま、あの容姿であるのは、やっぱり不自然でしょう。……不自然だと思わなかったのかな?

でべ | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2008年08月03日 | 見た回数: 2回

なぜ、日本映画界は妖怪を上手に描けないのか?

妖怪とは…中国からきたのもいるけど、ほとんどが日本独特の文化的存在。
江戸時代の昔から現在に至るまで、そりゃあ途方もない数の人が妖怪をヴィジュアル化してきて、娯楽であったり信仰であったり恐れであったり教育であったり芸術であったり、いろんなルートでいつの間にか日本人の中に蓄積されている存在だと思う。
わたしが最初に恐れて、夜中トイレに行けなくなったのは「鬼太郎」の泥田坊だった。

でもどうして?日本には優れたデザインの妖怪がたくさんいるのにも関わらず、実写映画化するとどれもこれも陳腐になってしまうの?日本のVFX技術が低いせい?それとも着ぐるみ特撮文化のせい?そんなはずない。
妖怪大戦争」しかり「ゲゲゲの鬼太郎」しかり、この「どろろ」にしても「あやかし」という存在の不安定さ、不思議さがまるでなくて腹立たしさを通り越して悲しくなってしまう。

妖怪大戦争」と「ゲゲゲの鬼太郎」は子供主役で家族向けだと思うので、元気があってあっけらかんとしていれば、まだ不快感は少ない。でも「どろろ」は恐ろしいはなし。にしては、どの妖怪も美しくも恐ろしくも何ともない。
とにかく妖怪が早い!そして存在が濃い!お化けの類いには「ため」とか「ゆらぎ」とか「得体の知れない感じ」が欠かせないように思うのだが、そういう注意は払われていないことが分かってしまう。妖怪好きですか?
せめて妖怪好きな人に作ってほしいなーと思う。

出演者は良い役者ぞろいだったので、もっと良い映画にならなかったのかと思うと悔しい。どろろ役の柴咲コウさんについては、貧乏くじを引いたとしか言いようがないが、明らかに無理のある役にも関わらず可能な範囲で原作のどろろを引き継ぎ、成人女子の容姿とうまく折り合わせていたことを評価したい。こういう場合、映画の質が落ちるのを役者の力量のせいにしてしまいがちだが、彼女の演技は与えられた過酷な状況をせめて少しマシにする物だった。原因は彼女ではなくキャスティングのミスにある。

これだからテレビ映画は…とうっかり口に出してしまう作品。

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