ICHI

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監督:曽利文彦
出演:綾瀬はるか、大沢たかお、中村獅童、窪塚洋介、柄本明
時間:120分
公開:2008年
キャッチコピー:
その女、座頭市。
なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ。
ジャンル:
時代劇

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2013年03月09日 | 見た回数: 2回

必要なとこは前見た時に大抵書いちゃってるんで、今回はほかの座頭市都の比較を中心に。

んー。勝新とタケちゃんの座頭市を見た後だと、やっぱり物足りないというか別段評価するポイントはないかなぁ。ただ、香取くんのに比べると、やっぱりこちらのほうが見応えもあるし面白いのも事実。

ボロは着ててもぼろぼろではないのは中の女優さんの力なのか、演出の力の無さなのか・・・。まぁ、タケちゃんだってそこまでぼろぼろな感じはなかったしよしとすべきかな?

殺陣のシーンはスロー再生多用で、鋭さやらなんやらはちょっと劣りはするものの、少なくとも凄腕剣士で、それを強そうに描いているのは許せるかなぁ。あと、相変わらずの窪塚くんが窪塚くんらしくて交換が持てましたかね。ミナミの帝王がちと弱い??

ただ、あらためてみてみると、んー。やっぱり座頭市を女性版でやろうっていうネタこそ評価できるんですが、他の作品見てると、やっぱり線が細いというかなんというか。前にも書きましたが、ちょっとキレイすぎるんですね。ICHIが。しょうがないのかなぁ。

まぁ、ちょっと引っかかる点もあるわけですが「まあまあ」でいいかなー。くらいでしょうか。

追記:
やっぱりとどめを刺されましたね。「座頭市 THE LAST」で。

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年04月04日 | 見た回数: 1回

天才女剣士の類型というヤツでしょうか。「あずみ」でもそうなのですが、まず主人公たるもの返り血が触れることなどありません。
顔につくなんてもってのほか。この女性版ICHIにいたっては、切り倒した相手の血がその刀につかないほどの高速の剣。当然、ボロは着ていてもその服に付くこともないんですね。すごい、目が見えなくても、吹き出す血飛沫を(これも視聴者からは見えないけど)高速でかわしているに違いありません。

さてさて、んーとですね。残念ながらというか期待通りというか、普通に見てたら面白くはないなぁ。

事務所の方針なのか、女優さんを持ち上げなければという制作者側の意図なのか(あるいは本人の希望?)、テーマはとにかく「きれいに美しく、かっこよく」です。化粧品のCMですかいな?

殴られるシーンは当然偽物。若干スローに、鼻からあごのラインを見せ、そこに拳がぶち当たり・・・倒れる瞬間で改めて主役登場。
常に美しく見せなければならないので、とらわれの身で虐げられててもノーメイクはあり得ないし(ちょっと薄め?そういう問題?)、髪もキレイに梳かされててセットされてる。さあどうぞ。悪者どもをぶった切ってください。とテーブルに並べられ、それを受けて主演の綾瀬はるかちゃん。さわるもの皆、斬りつけたー♪と、いわんばかりにばっさばっさと悪者どもをなぎ倒す。そんな酷い悪人でなくても、ぶった切ります。

なめちゃいけません。「なに斬るかわからないよ。見えないんだからねぇ」

殺陣に関してもズバズバ敵を切り倒して、仕込み杖をしまう一連の動作も。それなりに気持ちよい動きで楽しく見れたし、盲人演技に付いても(どうこう言えないのですが)割と目線が動かない感じで頑張ってたように思います。あと、かわいらしいのはいいですよね。また、いつも変わらない窪塚君。大沢たかおの剣が抜けないコント。ミナミの帝王登場。「妖怪大戦争」な中村獅童。あれ?ストーリー部分で取り上げる点は特にないんですが、普通のアクション映画としてはなんだかそれなりに楽しく見れてたんだなぁ。

ただ、ラストバトルに関してはちと物足りない。主役不在で大立ち回りが行われ、手負いのラスボスにとどめを刺すだけの役割だったのがちょびっと寂しいですね。ラストを飾るなら、やはり悪党どもをばったばった、ラスボスも(一度はやられても2度目は)ばっさり。これですよ。求めてたのは。

でも、かわいらしい女優さんというのはいるだけで一本の映画が成り立ちますし、こういう作品で映画の質を云々ということ自体、間違っているのかもしれません。

ちゅうわけで、突っ込みどころ満載ではありますが(「残念映画を愛でる会」モードで見たこともあって)普通に楽しめたように思います。
なので評価としては「まあまあ」なのですが、もしかしてこれも「残念」映画入り?

追記:
「座頭市」については、かつて勝新がキャラクターを成立させ、世界の北野が曲がりなりにも普通に見れる作品を作り上げた今作。きっと好きだった人も多かったでしょうに、今作で別物にされ、さらに、おそらくシリーズにとどめを刺すであろう「座頭市 THE LAST」(香取慎吾君主演)が待っているわけです。うーん。ちょっとせつなくなっちゃうな。

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