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柴田宣史 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2012年08月17日 | 見た回数: 1回
ちょっと古い映画ですが、なかなかみることのなかった作品。先日、「ディスクロージャー」でひさしぶりにマイケル・ダグラスに会ったので、見てみようかな、と。
* * *
うだるような暑さはきっかけにすぎず、そもそも心に火種を抱えていた男性なのだけれど、彼が身を委ねていく負のスパイラルが見ていてしんどいですね。
もともと権威系の役をやらせるとハマる役者なので、男性的権威であるとか、軍需産業に勤め、国防の一端を担っているという自負(権威)を失ったときに、銃に指向するというのはわかりやすい構図だと思う。
マイケル・ダグラスが巧いのは、「なぜ、自分は、このいらだちを暴力に転嫁するのか」を対象化できずに突き進んでいく、という役をよく演じているところだと思う。
似たような(?)映画の「ナチュラル・ボーン・キラーズ」では、そういうもんじゃない。あの作品では、もともと役としてどこかキレちゃっているウッディ・ハレルソンには、そういうとまどいはない。
故に、本作には悲劇的結末しか待っていない。返るべき「正気」を持った人間が返るべきところに返れば、ただ罪が残るだけだからだろう。
ところでもう一人の主役はロバート・デュバル。いい役者だし、本作でもよく演じていると思うのだけど、作品として彼の人物の掘り下げはちょっともの足らなかったかな。
それなりに有能で正義感もあるのだけれど、定年を前に退職しようとしている。前線を退き、仲間の警察官たちからは腰抜け呼ばわりされている。
こういう映画でよく用いられる相似形だけれど、マイケル・ダグラスとデュバルの間になんらかの共通点でもあれば、掘り下げについての不満も少なかったかもしれないけど、それはありがち過ぎか。
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ちょっと古い映画ですが、なかなかみることのなかった作品。先日、「ディスクロージャー」でひさしぶりにマイケル・ダグラスに会ったので、見てみようかな、と。
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うだるような暑さはきっかけにすぎず、そもそも心に火種を抱えていた男性なのだけれど、彼が身を委ねていく負のスパイラルが見ていてしんどいですね。
もともと権威系の役をやらせるとハマる役者なので、男性的権威であるとか、軍需産業に勤め、国防の一端を担っているという自負(権威)を失ったときに、銃に指向するというのはわかりやすい構図だと思う。
マイケル・ダグラスが巧いのは、「なぜ、自分は、このいらだちを暴力に転嫁するのか」を対象化できずに突き進んでいく、という役をよく演じているところだと思う。
似たような(?)映画の「ナチュラル・ボーン・キラーズ」では、そういうもんじゃない。あの作品では、もともと役としてどこかキレちゃっているウッディ・ハレルソンには、そういうとまどいはない。
故に、本作には悲劇的結末しか待っていない。返るべき「正気」を持った人間が返るべきところに返れば、ただ罪が残るだけだからだろう。
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ところでもう一人の主役はロバート・デュバル。いい役者だし、本作でもよく演じていると思うのだけど、作品として彼の人物の掘り下げはちょっともの足らなかったかな。
それなりに有能で正義感もあるのだけれど、定年を前に退職しようとしている。前線を退き、仲間の警察官たちからは腰抜け呼ばわりされている。
こういう映画でよく用いられる相似形だけれど、マイケル・ダグラスとデュバルの間になんらかの共通点でもあれば、掘り下げについての不満も少なかったかもしれないけど、それはありがち過ぎか。