赤い糸

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監督:村上正典
出演:南沢奈央、溝端淳平
時間:120分
公開:2008年
キャッチコピー:
純愛はキレイゴトじゃない。
ジャンル:
恋愛青春

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2012年01月24日 | 見た回数: 1回

あいやー。まだまだありますねー。おもし…いえ、ガックシ映画。まぁ、そんなんを狙って見てるこちらにも非はあるとは思いますし、こういう作品に感動して涙できる心持ちの人もいるはずなので話し半分で読んでいただいて結構ですよ。

さて、せっかく映画を一本見たわけなんでよいところをあげときましょう。
・グリコのチョコが美味しそう。
提供はグリコみたいです。でも、個人的にはダースを勧めたい。
・アイスが美味そう
31ですかねー?一瞬デートシーンで出てきました。話には何ら影響なし。
・ケーキが美味しそう
ほれ、よっぽどじゃない限り不味いってことはないし。
・長崎の角煮まん(たぶん)
美味しそう。話に一瞬出てきた。
・皿うどん
映像はなし、会話に出てきた。

とまあこんな感じでしょうかね。
ただし、グルメ映画、料理映画ではありません。悪しからず。たぶんどれも入手可能だし、映画に登場したやつより美味しいものも存在するはずです。

別にお腹が空いてた訳じゃないですよ。ただ、そこらしか一般受けするポイントがなかっただけです。はい。一般受けしないおもしろポイントはおいておいて、先に結論から。
はい、こう書けばもうおわかりのハズ。自信をもって「残念」認定です。

さ、始めましょうか。5分に一度のびっくり展開映画。
ちなみに、恒例のネタバレ満開ですので、そうはいっても見たい作品なのだ。という人のため隠しておきます。悪しからず。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

まず、全体的に言えることなんですが、水素のように軽く、トレーシングペーパーのように薄く。ある意味芸術点は高いです。人の命などなんとも思ってない感じは、もしかすると誰かに響くんだろうか。

この作品もケータイ小説出身です。さらにいうと、テレビドラマ化もされていた上での満を持しての映画化。
ドラマの方は「とんでもない展開にビックリ。」との評を聞いていたんですが、なるほど。映画からも十分に伝わってきましたよ。ドラマの方が時間がたっぷりとれるだけにトンデモ加減は高いかもしれませんが、映画だって負けていません濃い部分だけを寄せ集めて短時間に押し込めているのでね。ダイジェストのようです。

物語は中学2年生から始まります。ここが最初のトラップ。出てるメンツが中途半端に年上で高校生かと思わされる。受験校が大学じゃなかったのが発覚してはじめて気づいた人も多いんじゃないでしょうか。若干やってることが幼稚だなぁ。とか、修学旅行長崎か。とかあったんでわかる人にはわかったのかもしれません。
ちなみに、僕にはずーっと違和感のみが残った状態でした。

2月29日の誕生日ということをはじめて文化祭で知る。

ん?仲良しグループの二人では?まぁいいや。修学旅行の予定を決めることに。二人で回らないか?という主役の男の子によるビックリ提案。
中学生とはそんな人種でしたっけ?もっと、男子女子それぞれに…古いのか?都会では違うのか?イマドキハ違うのか?

でも、すんなりOKです。うまく行く時はうまく行く。ちなみに、みんなでわいわい行ってる方が楽しいと思うんですが、その辺は二人の世界なのでほおっておきましょう。
たわいのない会話をもとに予定を決める二人。一見いろいろと計画を立てているようで、実は女の子の方がお姉ちゃんからきいた話をそのまま全部実行に移す計画でしかない。男子の意見なんて聞いてません。辛いとこだが、まぁそんなもんさ。頑張るのだぞ。

修学旅行!平和の像もそういや行きました。記念写真も撮った気がする。あの長椅子みたいな台も乗った気がするぞ。ここだけまともな修学旅行シーン。
明日は自由行動で浮かれてるヒロイン。ほほう。イマドキの子は自由行動の費用に私服やら靴やらをもってくるんですか。さぞや荷物も増えたことでしょう。が、水をさすように不幸が。なんと男の母親が事故にあったから帰らなきゃならない。ガビーン。

しかし切り替え早い。二人で抜け出し角煮まんを食べに行く。他の予定はさておき、角煮まん?
猫舌同士で早食い競争する約束だからね。味わいなはれ。これが一番重要だったのか。

その後、たぶんグラバー邸庭園。夜景をバックに(他の観光客はいない。何時に行ったんだ?)とうとうと語りだす彼氏。

「運命って信じる?」

黙って聞いてる女の子。笑いをこらえる僕。

お、ヒロインうっとりしてるじゃないか。
ここでついに発覚。二人とも2月29日生まれ。しかも子供の時に一度あってる。ということがわかりました。おめでとー。こりゃ運命は信じざるをえません。

で、かるーくチュッとな。

キャー。照れる。今作一番のエッチなシーンです。

宿泊ホテルに帰宅。いやー、やらされるよねー。正座・・・あれ?フリーパス?もうちょっと監督した方が良いのではないですか?教師陣の方々。

さて、部屋に戻ると一人を除いてみんな寝てるいます。まじで?男と出てったんですよ。気にならない?フツー全員起きてるでしょ。いい冷やかし半分興味半分のネタなのに。
あ、もしくはものすごい深夜まで外出してて寝てしまったとか・・・それはそれで問題だ。中学生だってば。そんな遅くまでダメダメ。

まともに寝ないで起きてた一人(以後少女A:名前忘れたけど、キャラ設定的には冴えない子)と会話。素敵ー。運命だわ!あたしも〇〇くん(以後少年A:名前忘れたけど、なんか青白い顔をした子)に勇気を出して気持ちをぶつけてみるわ!みたいな流れで盛り上がる。うーん。話聞いてる限りじゃ、何がきっかけになったんかわかりませんでした。

翌日ー。愛しの彼は帰っちゃったのでヒロインは仕方なくグループ行動。が、どうしてもガラス細工したいのだ。と、グループの意図を無視して単独行動に。ついて行くふりだけするあたり、あたしを忘れないで。というアピールか?

で、なんとまぁ、昨晩、頑張って気持ち伝えてみる・・・対象の相手、少年Aがついてきました。なんだそりゃ。みんな気づけよ。
のどかに「あれ?〇〇くんは??」なんて言ってる場合じゃありません。もしかしてはぐれてどっかにつれてかれちゃったとか・・・の危機感はゼロ。まぁ、大人ですしね。中学生ともなると。

それに少女Aは一緒に行動して、うっとりしてるのに、彼がどっかいったことに全く気づかなかったのか?

軽ーく説得はしたもののなんだかんだで一緒に行動。うーん。彼のために一人で創ってあげたいの。と言う一途の想いはどこへやら?あるいは、あくまで人間として見ていないからか??かわいそうなやつめ。

黙々とガラス細工のヒロイン、でもってついてきた彼はぼーっとニコニコ見てるだけ。まぁ微笑ましい。しかし、なんと言う不幸か。元のグループの一人(頑張る予定の子)に見つかってしまう。

あれ?電車のって遠くの工房にいったんじゃなかったっけ?他のメンツはご飯食べたりしてたのに、その後いっぱい歩いたということか?あるいは電車が100mごとに駅があるとか・・・。

かまをかける少女Aに対し、嘘で答えるヒロイン。一応気まずかったのか、その後、別々に帰りましょ。という悪の持ちかけ。了承。ん?少年Aにとって、なんで別々に帰る理由があるんだ??しかし宿泊施設前で合流ご即ばれ。

「そうやって笑ってたんでしょ。あたしなんて!あたしなんて!」。

で、もうちょっと会話が続くのかと思いきや・・・

ダッシュ!

走る少女A。追いかけるヒロイン。残りのメンツはほったらかし。友達でしょ。追いかけろよ。
とにかく走る少女A。追いかけるヒロイン。カーブの曲がり方が絶品。アウトインアウトの美しいコーナリング。

ゴール地点に到着。お?なんの作品やったか知らんけど前にも見たような屋上。一言づつ会話を交わし、即実行。早いわ。説得して説得されなさい。

飛び降りた。

ひゅーん。

立ち尽くすヒロイン。

あぜんとする僕。

現れない他の友達たち。

場面転換。

ほれ、もうちょっとなんかあるでしょうさ。泣きじゃくるとか殴るとかさ。でも少女Aは行動派。まぁ、なんやかんやで「親友の死」というメタファーをクリアしたということか。時間の都合上、結果のみを映像化しましたという所でしょう。
しかし、そんなケータイ小説シロートの僕をあざ笑うかのように、少女A生還。

無傷!

あなたは窪塚くんですか。ただ、彼と違う所がひとつ。そう。彼女は記憶喪失だったのです。

クラス中に自殺未遂の原因がヒロインだと知れ渡る。怖っ。そのことでいじめられる。黒板にでかでかと・・・。かばう少年A・・・。「あんたが死になよ」的な当該者以外の女子発言。良くあるパターンですよね。で、の流れから行くと学校に行きたくなくなって不登校・・・あれ?
「悪いのは自分。背負っていくの」というテクニカルな自分悪くない宣言でイジメ1日で終了。軽いな。

お見送りにいく・・・やはり無傷。かなり計画的に飛び降りたようで外傷ゼロ(多分ね)ただし記憶喪失。引っ越すことになったからもうふれないでね。と、何とも記憶喪失ではないようなニュアンスで母親は釘を刺す。

なんやかんやで彼と疎遠になる。何と、彼の母親がドラッグ中毒。で、リハビリするからとかなんとかいろいろな理由でね。で、わかれるぜ。だそうな。がビーン。と、ショック。でもすぐに前述の自殺ショックの原因、少年Aとつきあうことに。切り替えも早い!

一応試験に受かったらね。という中学生らしいかわいらしい約束のもとでしたが、残念。少年A受験失敗。残念無念。でもいいんだそうです。夜間の学校に行きながらつきあうことに。

「メイ(ヒロインの名前)も夜間の学校にしなよ」

するかいな。

さすがにヒロインもそりゃおかしかろう。といなす。が、その辺からもわかるように彼は以上な独占欲の持ち主。毎日6時に約束して1時間(学校行くまで)デートすること。見たいなルールを新設定。
さらには浮気しないか昔の同級生に見張らせたりする。遅れたらキレる。友達と俺とどっちが大事なんだ。とか、さらには最終的には暴力に訴えたりするのだ。

んなわけで新彼氏の少年Aの呪縛で、友達の相談に乗れず。その友達’(少女B:名前忘れた)は寂しさから麻薬に手を出し・・・。
ちなみに、その後すぐに解決。そこはいかがなものかと?一応リハビリと加奈氏に薬とは手を切れた模様。元カレのお母さん(後述)は大変なのに、えらくあっさり乗り切りましたねぇ。

一方元カレ。母親のリハビリ施設に押し掛けてくる新彼女となんやかんやでいい感じになってる。が、母親が再び薬に手を出し、問いつめる過程でなんと自分より薬・・・とかなんやかんやでキレて売人にぐさりとフォークを突き刺し逃亡。一応傷害事件では??

ま、いろいろあったメンツが一堂に会することで、いろいろ発覚するわけですね。少女Bのドラッグ。少年AのDV。元カレの傷害事件(不問みたいですが)
そうなると、別れたとはいえ問いつめますよね。どちらもあかんことやし。少年Aを問いつめる元彼氏をかばうヒロイン。辛いときそばにいたから。いや、殴られてる今が辛い時だと思うが・・・なるほど、確かに当事者はそばにいるな。で、ヒョイッと軽ーく引き下がる元彼氏。

さて、そんな結果で、元彼氏と現彼氏がお祭りの境内で待ち合わせ。怠慢ですか。「魁!男塾」の世界だなぁ。とか思ったら、なんやソフトなやり取り

「おれ、学祭の時の会話聞いちゃったんだよね。」
「お前たちって運命って言うのかな。赤い糸って言うのかなむにゃむにゃ(忘れた)」

と、こないだ仲裁に入ったときにはいた台詞「オメーは感ケーネーだろ」の勢いはどこへやら。自分は身を引くぜ。見たいな感じに。元カレの方はいやちょっと待て。「ひとりでいろいろ突っ走り過ぎだ。」と理性的におかしなことを是正しようとするも失敗。

軽快に去っていく今彼。軽快すぎて・・・車にひかれて死亡。まさかここで。とびっくりさせられました。ほれ、あの高所から飛び降りても無傷だった世界ですよ。車とぶつかったくらいでまさか死にますか?

気づくヒロイン。がビーン。病院も探さず、救急車も探さず(そういや来たのかな?)家に帰って母親の元で泣きます。あれ?いいん?「いなくなっちゃった」「死んじゃった」とね。軽い感じですね。

ところが、あっという間に場面は新展開。この急展開が心のショックを払拭するんでしょうねー。今度は自分と元カレが実は向かしあっていて、あろう事か隣に住んでいた。という事実が発覚。ただしそんな住宅状況にも関わらず会ったのは家から離れたケーキ屋さんの前。
いやいや、その前に会うだろ。知り合いではないにしても家の近くであそんでて顔を合わせるということはないのかね?

でも、ないんですねー。会ったのはその1回だけだったんですねー。運命ですねー。

恋人が死んだショックも覚めやらぬまま、素な顔でちょっとおめかし。お出かけするヒロイン。そう、4年に一度の誕生日は一緒に・・・見たいな約束をしてるからです。もう頭の中には少女Aも少年Aもいません。

ケーキ屋の前で立っていると、おぉ!来たよ彼氏。なんで?

でも、ここでまた予想を裏切る展開に。こりゃ、恋も再燃。二人で生きていこうね。運命だし・・・見たいな流れになると思いきや、

「別れても会えるよね。ここで。運命だし・・・」

あれ?別れてしまうのかい?でもさ、今後それぞれにパートナーが来て、いざ誕生日に勝手に出かけていって別の相手と会うってのはいかがなものかと。

エンディング・・・あれ?おしまい?

肯定的に見るなら
・「ドラッグはダメ」を主張してること。
・DVはダメだなぁ。
・セックスやら妊娠やらは(年齢に合わせて)控えめだったこと。
・少なくともケータイ小説初心者の僕の予想は裏切り続けたこと。

って所は評価できるのかな?

でも、映画作品としては
・全部軽い。

・なんせ軽い。

・人の命は軽い。
・ずばり運命万歳。
・現実社会とは思えない物理法則。
・中学生・高校生とは思えない考えの浅さ。

・現実社会とは思えない人との付き合いの希薄さ。
・最後まで生き残ったメンバーはみんな万々歳で円満解決。

・結構えぐいことしてるはずなのにヒロインはいつまでたっても清純

・新事実発覚が毎日のように繰り返され、かつ、過去のことはすぐに忘れる登場人物たち。

などなど、いかがなものかというのがこれでもかと出てくるわけです。

ということで、いやー、恒例の涙する稼働かの指標に関しては疑問符がつきます。これが今の中高生かと思うとぞっとして怖くなって涙する人は多いかもしれませんがね。

隠しテキストはここまでです。

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