天使の恋

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監督:寒竹ゆり
出演:佐々木希、谷原章介
時間:119分
公開:2009年
キャッチコピー:
本気で恋したら、運命にぶつかった。
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石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2012年08月28日 | 見た回数: 1回

この手の作品を見るときはよっぽどじゃない限りこちらのモードで見るようにしているんですが、この作品もなかなかに僕のツボをついてくれますね。
基本的には悪い子が愛を知ると同時に悪いことから足を洗っていい子になる・・・けど、愛した人は余命系パターン。みたいな感じ?
さすがはケータイ小説上がり。この短いポイントをいかに引き伸ばせるかでこの手の映画の出来の良し悪しがわかれるのです。

ただ、この作品に関しては、うん。あれ?結構いいんじゃないだろうか?僕の審美眼が狂っているのかな?いや、言いたいことはいっぱいあるヘンテコ作品ではあるんやけど・・・。

さてさて、先にヒトコト。世間の評価はさておき、主役の佐々木希ちゃん。別段、そんなみんながみんな惚れちゃうような可愛らしい子かな?いや、美人さんだったり可愛いってことに異論はないんですが、映画の中で、そこまで際立った印象もなく・・・どうもお水系のおねえちゃんに見えちゃう。好みの問題かな。
ちなみに、彼女に関しては「土俵ガール!」なる、アクロバチックなドラマにも出ていたようで、ちょっと興味深い。軽妙に踊ってるfitsのcmとか好きですよ。

注:こっから突っ込みどころ満載のネタバレコメントなので、見たい人、この映画が好きな人、その他諸々は見ないように。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

主人公は友達にも売春をさせちゃう(自分もしてる)悪い子ちゃん。

しかもそれが悪いって思ってない。更に悪い子ちゃん。

たちの悪いことに可愛くって仕方のない悪い子ちゃん。

パパからマンション借りてもらっちゃったりしてる。

パパからブラックカードも貰ってたりしてる。おぉ、お金持ちー。

策略を張り巡らせては仲間を増やし、まるで劉備のようにその人徳で仲間からは絶大な信頼。

スーパーが付きそうな子悪魔ちゃん(コア熊ちゃんではない)な女子高生。

ははーん。

こりゃ、一気に信頼を失うパターンですな。とか思いつつ見続ける。

セミヌード満載(映画のジャケットもそうかな?)の後ろ姿だけのおんなじ絵を2回繰り返す。まぁ、ね。その辺は売れっ子モデルなので押さえ気味に・・・

そんな悪いコトばっかしてる主人公でしたが、ここで登場、谷原章介。正直この映画で抜群に素晴らしいのは彼のみ。今回はハンサムー。で登場するでもないんですが、そのハンサムオーラは抜群ですな。自覚してない演技をしちゃうからこれまたハンサム度合いが際立っていると言っても過言ではない。

ただ、一応映画ではそれほどぱっとしない普通の男(いやー、かっちょいいけどね、僕が見ても。)で、人付き合いも苦手で暗い歴史オタク。

に、ひとめぼれ!ハートも飛んでたかも。

で、駅までの間に・・・あ、谷原倒れてら。

病院に送って行って、どーこーしてそれ以来、ウリはやめる。ただ、谷原くんに気に入られるべく(若干強引なとこもあるものの)まさに、女子が嫌う女子とかして猛アタック。勉強だってしちゃいますよ。特に歴史ね。

また、せっかくの高級マンションの鍵もカードも置いて出ていく・・・。

美人局で稼いでいたパートナーとも縁を切る・・・。

で、ラブリーな仲良しに慣れるわけですが、僕が赦しの極地映画といったのはこのあたりから。


1.最後に仲間になった子(純粋そうな子)

いじめ、救う、友達、一緒に・・・と策略を練って仲間に引き入れ、金づるとして共に売りをするようになる。悩んでたけど、そこは友だちの大事さアピールでクリア。おかげで一週間前からもっと仲良しに慣れてハッピー。ちょっと仕事は嫌だけど、主人公と仲良く入れるならそんなのへっちゃらよ!

・そ~いうことはやめる

「えー!まってーや。つい1週間くらい前にあんたあたしに何言ったのよ!いまのあたしどうすんのよ!責任取れ!許さんで!」

と激高するでもなく。

「わかるわ。それがアイね。素敵」

素敵か??あなた、騙されてるわ。ダイジョウブ??

2.もともと仲間だった人たち。

ずっとチームで稼いでる。自分たちも主人公のせいでこーいう仕事したりしてる。策略も手伝うしわいわい陽気にやってる。

・そ~いうことはやめる

「愛だねー。アイだよ。あんたにもそーいうのあったんだねー」

アイ??か??

のどかだな。許すの??

その後もずっと仲良しこよし。彼女らはもしかしてまだお仕事続けてはるんでは?あるいは、友だちだから主人公がやめると同時に足を洗ったのか??

3.ホントは親友(のフリ)の子

いじめてた側の子は実は主人公のマブダチ(と思い込んでる)で、レズっちゃう仲間。他の取り巻きとは違うと言い聞かせて、日々尽くしてる。

・そ~いうことはやめる

ちょっと抵抗。そうでなければ・・・が、秒殺で納得。んー。いいんか?ずっと汚れ役させられてたのに・・・。

4.美人局のパートナー男。

写真とっては脅して金とったりしちゃう悪いやつ。主人公に惚れてるっぽい。

・そ~いうことはやめる

「わかったよ。良かったよ。お前がそーいう面をちゃんと持ってて・・・」

待て待て、わかるなわかるな。良かないだろ。惚れてる男の弱みってとこか?

5.エンコーのお金持ち

マンション借りてくれる。金額フリーのカードも渡してる。どんだけ金持ちやねん。あるいはそ~いうことしちゃえる人らってみんなそんな金持ちなんか?

ただただマンションの鍵とカードが置いてある。

出てこないけど、切れるやろ。おっさん。なんぼ貢いでんねん。勝手に消えてんねんで。多分いっぱい買い物させられて。あるいは、そーいうことしちゃえる人らってみんなそんな海のように広い心の持ち主なんか?

etc


全部許してくれちゃう。多分親兄弟ご近所、先生みんな許してくれちゃうのだ。某宗教の教祖が求める世界に一歩近づいたのだろうか?

さてさて、なんだかんだ文句はいってますが、前述のとおり、歴史オタクな谷原くんと、彼の気を何とかひこうと頑張ってる佐々木希ちゃん。人間に興味が無いくせに、首塚とか言ったら「ウォー。」とテンションが上ってるところと、彼女とのギャップなど、その辺は良かったですよ。微笑ましいというかなんというか。

やっぱりねー。「2番目のキス」でもそうですがオタク度がすぎる男の人ってのは魅力的ですね。(←そうか?)

ここで気になるポイント。一緒に仲良くしてた時に使ってたカウントダウンカレンダーみたいなやつなんですが、なんのカウントダウンだったのか?0になった時点で彼は姿を消すわけですが、死ぬわけじゃない。

引っ越す予定日ということ?

そんなハッピーな日々がちょびっとだけ続いた後に、唐突に不幸が。

レズっちゃってた子が実はいい子でかわいそうな子出会ったと発覚するもナイフで襲いかかってきて、勢い良く武将Tシャツ来て飛び降り自殺。

何でしょ?「赤い糸」でもありましたが、一人は飛び降りないといけないのか?わかりやすい方法なのかなぁ?確実性はともかく、突発的に出来る最短の方法なんだろうか?

落ち込む主人公。当然だ。友達死んでんだ・・・。

道で倒れる主人公。当然だ。友だち死んでんだ・・・。

ちがった・・・・・

「愛しの彼がいなくなっちゃったの。彼の家に行ったらもぬけの殻で・・・。」

友達死んでんだ・・・けど・・・それはもう忘れたのか。

友達が手を回して谷原くんと会うことができました。でも純粋少女化してる主人公。

「実はー、あたしー、チョー悪い子なんだ。でも、センセーと会えたから、変われたーみたいなー」という告白。

ナイスガイ谷原、珍しく無精髭で許しちゃう。無精髭でもかっちょよろしいね。キャラが保てててえらいえらい。でもバスを見送られる中、自分の世界に入っていて、その後ふと振り返ると・・・

あ、谷原倒れてら。えらく唐突に。なんだろ。周囲の風景が合成で、谷原くんも一回しか倒れてないんじゃないかと思わせる、全くおんなじ倒れっぷり。

じゃじゃーん。病院で谷原くん脳腫瘍発覚!

の前に、病院の方々は結構守秘義務違反なんじゃないのか?いくら苗字が一緒やからってそれ信じて簡単に言っちゃいかんだろ。

あと、主人公がしたことって実は詐欺罪…。

でも、落ち込むことなく元気に手術をすすめる。嫌がる谷原くん。なんも覚えてないし、知能だって低下しちゃうし、周りに迷惑かけるし・・・ですが、ここで登場。先ほどのカレンダー。00になって消えたのを拾ってきて、横に向けて∞にしてみる洒落た演出。これが効いたのか効いてないのか、結局アイで何とか・・・みたいなノリで乗り切る。

締め

ヒロイン卒業して、どこやらへ行く。この時点では手術して助かったのか、お墓参りなのかはよくわかりませんでした。が、施設っぽいところでばったり。オー。記憶こそなくしてるけど生きてんじゃん。なーんだ。余命系ではなかったか。

実は正直ラストシーン自体はきらいじゃないんですが、最後は笑顔で挨拶して別れて欲しいかったかなー。まぁ、悪いわけじゃないけどね。

隠しテキストはここまでです。


谷原くんは相変わらずで素敵でした。ヒロインはというと、うーん。カワイイかどうかは個人的な判断に委ねるとして、やっぱり演技自体は??が多かった気がするかなぁ。他の友達とかにも言えることですが・・・あ、やっぱ谷原くんしかいないじゃないか。

急展開からの終わりまでがあまりにもコンパクトに凝縮してくれるのと、ラストが悪くはないだけに、もうちょっと前半そぎ落とすとこそぎ落として後半をじっくりやってたほうが良かったんじゃなかろうか?とも思うんですがねぇ。

では、結論。残念の定義からするとちょっと外れるかなー。と思わなくもないんですよね。
まぁ、普通といえば普通。いい作品かというと、ノート言えるんですが、そこまで悪いわけじゃないし、ラストもそこそこ良かった。
ただそれではこの手の作品に申し訳ない気もするんで「残念」でいいですか?ほれ、突っ込みどころ満載だということを考慮して特別に・・・許して下さい!

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