▼メインメニュー
石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2011年09月20日 | 見た回数: 1回
「無」
という一文字で終わってもいいかなー。あるいは頑張って2文字
「虚無」「空虚」
くらいだろうか?と、思わせる出来でした。はい。
いや、ある意味期待通り。別段三池崇史に肩入れするわけじゃないけど、子供に見せて一緒に楽しみたい「忍たま乱太郎」だったり「ヤッターマン」(ちょい大人向け)だったりと比較すると、圧倒的にがっくり感が高い・・・いや、ちょっとがっくり感とも違うかな。
なにしろ、始まって5分で見る気を失い、その後100分くらい意識を失ったままエンドロールを迎えた印象です。最期まで見た自分を褒めてあげたい。
かの名高き気絶映画「散歩する惑星」は、確かに気絶したまま見続けて、なんや結局良くわからなかったわけですが、実はあれは見ててネタになる分価値はあったと思いますし、もっといっぱい映画を見て、色々わかってくるとまた違った評価が得られるんじゃないかと、フランス映画同様に妄想しているわけです。
が、今作はそんな期待感も妄想も一切ない。単純に出来の悪いものを延々見せられただけ。という印象が拭い切れない。
どうもフジテレビ制作の映画(で、SMAP主演映画)にありがちな、結局のところ「SMAPxSMAP」コント映画とはとことん相性がわるいのだ。
マンガ原作となるとどうしても原作賛美と言うか、出来上がったものにはケチがつくと思うんです。たとえそれが「ドラゴンボールevolution」であっても、確かに出来はガックシなんですが、タイトルと登場人物を変えてみればよくある普通のB級映画。
ところが今作はというと、原作を無視して単純に忍者映画として見ても立派に落第点まちがいなし。ところどころ「スパイダーマン」だったりその他なんか知らの今どきハリウッドアクションや特撮CGを取り入れようとしている点も残念感が増す。
では、本気モードで行きましょう。
まず、香取くんが忍者というのが、ちと厳しい。でかすぎる。動きにシャープさが感じられない。「カムイ外伝」でも若干書きましたが、どうもゴツイと忍者っぽくないのだ。そんな松山ケンイチ以上にごつい印象あるんだよなー香取くん。それをこれまたわざとかと思えるくらい不自然なワイヤーアクションを取り入れて悪印象を与えてくれるからたちが悪い。
いや、昔だってゴツイ忍者はいただろうし、それなりの技を持って色々やってただろうさ。ただ、これが藤子不二雄アニメのハットリくんとなると話は別。キャラ的にはケンイチ氏と同レベルなのになぁ。
きっとハットリくんをやるべき子役がいなかった。もしくは香取くんをどうしても使いたかったがために、無茶な大人設定の脚本をしつらえた。このいずれか。どちらにしてもその巨大さに圧倒されることうけ合いです。ささっと隠れたり忍術を使ったり、いちいち大変そうなんだな。
しかも、マンガじゃ別段問題なかったはずなんですが(ちょっと記憶も曖昧ですが)、なぜか主以外の人間に姿を見られてはいけないんだそうです。しゅっと現れたりという設定さえあれば問題はないんですが、やるのはあのゴツイ香取くん。 彼が通学路、隠れ蓑術を使ったり、宙高く飛んだりと悲しいコントを見せられると、うーん。切ない気持ちでいっぱいです。
そんな訳で大人なハットリくんに対抗するには、大人のケムマキも必要。抜け忍となって教師をしている設定です。ゴリは「GOEMON」でも似たような役どころでしたが、正直ケムマキではない。ほれ、意地悪でやっつけられてというあの良き悪役感がゼロだしさ。
彼がまた大人になったからでしょうか。真面目な顔ででハットリくんに言うわけですよ。「食うためだ」と。いやまて、そもそも誰のための映画だと私は言いたい。 ほれ、もうちょっと子供に夢を持たせるとかさ。いまの子供が夢を見ないからね。と言われちゃったら、そりゃそうなんですが親心的にはどうかねー。と思う一幕なのだ。
ついでケンイチくん。サラリーマンで家族を養い、疲れてたところに、再び舞い戻ったハットリくん。じゃない所がミソ。マンガとの接点をぶった切り新たなハットリくんが生まれた瞬間でした。 また、なんちゅーか暗すぎる。今どきの子供特有の暗さと言われてしまえばそのままですが、そのへんシリアスすぎます。はい。もうちょっとおバカなと言っては何ですが藤子不二雄テイストのある子供の問題くらいにしてくれりゃ良かったのに。
ヒロインは夢子ちゃん・・・ではなくて、盲目の田中麗奈さん。いや、盲目についての扱いがどうこう、ってのはないし田中麗奈さんに文句があるわけじゃない。なんですが、正直彼女のキャラ的な存在が不要なのでは?と思う気持ちでいっぱいです。
単純にヒロインを出したかっただけ。
ということでしょうか?最後に○○なのはケンイチくんだし、健一くんの淡い恋心・・・んーそんな感じもあんまり伝わってこないし、正直なんで出てきたの?
ラスボス的なキャラの問題も浮上します。これまた、リアルに暗いのだ。のび太くんがドラえもんに泣きつくような問題なんてもんじゃない。フツーに殺人事件ですわ。抜け忍に対する仕打ちだそうですが、それならもうちょっと他の抜け忍に対してもアピール度の高い方法を取ったほうが良いんじゃないでしょうか? また、そんな彼に目を付けられてケンイチくんは連れ去られちゃうわけですが、どうも凄腕忍者の割に設定がイマイチせせこましい。最後はハットリ、ケムマキ共同戦線で戦うわけですが、これまた普通のバトルで忍者同士の忍術決戦など微塵もない、せいぜい手裏剣を投げるだけで基本は殴る蹴るのオンパレードです。しかもこの妙なシリアス感が妙な違和感のある「ハットリくん」世界を紡ぎ出す。
そして期待のラストはまさかの爆死。
ここで気づいた人はお目が高い。そうです。「茶々 天涯の貴妃(おんな)」「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」に共通するアレですね。個人的な趣味かもしれません。爆破のシメは。見栄えがするから??かっちょいいから??
こんな風に、何故かシリアス路線に走る中、ひとり気を履くハットリくん=香取くん。原作が子供向けのハットリくんという作品の、のどかでコメディタッチ(だったよね。原作の本筋覚えてないけど)な空気感を生かすべく頑張ったのかもしれませんがこれまた失敗している。全然世界が違うタッチの笑いになってしまっていて、さらにこれが、下手にシリアスな世界との相乗効果で、そりゃもう痛々しいったらありゃしない。 三谷作品での時なんか、別段悪い印象はないんですが、何でしょうかね?このフジテレビ系列映画の魔力は。
他にも「おっはー」は古いよ。いまは「グッジョブ」だよ。とか分けのわからない押し付けや、マヨラー香取くんならではのマヨネーズご飯アピール。結局のところな逃がしたかったのかすらわからない瀬戸朝香のCM。長ったらしい冒頭の特撮CGアピール。etc...
以外にノッてくると逆に書くことはいっぱいありましたね。
正直、なんでこんなにamazonレビューの評価がいいのかさっぱりです。もしかすると自分の見てるモチベーションの問題なのかと不安になります。ぜーんぜん面白くもなんにもなかったし、どこをどう切り取っても見せ場的には・・・伊東四朗に「ニン」と言わせただけと思ってしまうクオリティの低さ。
間違いなく年間ワーストまちがいなしな気持ちいっぱいなんですが、あ、この年は「デビルマン」を筆頭に残念映画当たり年でしたか。じゃ、若干影に隠れてもしょうがないか。曲がりなりにも忍者映画やし。でもまぁ、評価は文句なしの「残念」映画ですよ。はい。
追記: では、子供目線で見た場合どうなんだろう?と、考えると正直良くわかりません。もしかすると娘に見せたらそれはそれで喜んでくれるんだろうか?でも喜んでもらえるのは嬉しい反面、この映画で喜ばないでほしいなぁ。という思いもあって親(バカ)心は複雑なのだ。
それに、例えば一人で「忍たま乱太郎」を通勤シアターで見てたとしたら、やってることはそう変わらないし、場合によっちゃ今作に近い評価を下しているかもしれない。
ただ、何かと引っかかる某テレビ局主導映画のコメディセンスとはイマイチ相性が悪いということだけかもしれませんがね。 「ごっつ」とか「めちゃモテ」とかお世話になってきたし、映画に限っても「踊る大走査線 The Movie」は好きなんですけどねー。
JavaScriptが無効になっているため、このサイトの一部の機能について使えないものがあります。サイト設計上、JavaScriptが無効になっていても、必要な情報は得られるよう配慮しておりますが、「JavaScriptがオフになっていることで必要な情報が得られない」という場合はサイト管理者までお問い合わせください。
「無」
という一文字で終わってもいいかなー。あるいは頑張って2文字
「虚無」「空虚」
くらいだろうか?と、思わせる出来でした。はい。
いや、ある意味期待通り。別段三池崇史に肩入れするわけじゃないけど、子供に見せて一緒に楽しみたい「忍たま乱太郎」だったり「ヤッターマン」(ちょい大人向け)だったりと比較すると、圧倒的にがっくり感が高い・・・いや、ちょっとがっくり感とも違うかな。
なにしろ、始まって5分で見る気を失い、その後100分くらい意識を失ったままエンドロールを迎えた印象です。最期まで見た自分を褒めてあげたい。
かの名高き気絶映画「散歩する惑星」は、確かに気絶したまま見続けて、なんや結局良くわからなかったわけですが、実はあれは見ててネタになる分価値はあったと思いますし、もっといっぱい映画を見て、色々わかってくるとまた違った評価が得られるんじゃないかと、フランス映画同様に妄想しているわけです。
が、今作はそんな期待感も妄想も一切ない。単純に出来の悪いものを延々見せられただけ。という印象が拭い切れない。
ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。
どうもフジテレビ制作の映画(で、SMAP主演映画)にありがちな、結局のところ「SMAPxSMAP」コント映画とはとことん相性がわるいのだ。
マンガ原作となるとどうしても原作賛美と言うか、出来上がったものにはケチがつくと思うんです。たとえそれが「ドラゴンボールevolution」であっても、確かに出来はガックシなんですが、タイトルと登場人物を変えてみればよくある普通のB級映画。
ところが今作はというと、原作を無視して単純に忍者映画として見ても立派に落第点まちがいなし。ところどころ「スパイダーマン」だったりその他なんか知らの今どきハリウッドアクションや特撮CGを取り入れようとしている点も残念感が増す。
では、本気モードで行きましょう。
まず、香取くんが忍者というのが、ちと厳しい。でかすぎる。動きにシャープさが感じられない。「カムイ外伝」でも若干書きましたが、どうもゴツイと忍者っぽくないのだ。そんな松山ケンイチ以上にごつい印象あるんだよなー香取くん。それをこれまたわざとかと思えるくらい不自然なワイヤーアクションを取り入れて悪印象を与えてくれるからたちが悪い。
いや、昔だってゴツイ忍者はいただろうし、それなりの技を持って色々やってただろうさ。ただ、これが藤子不二雄アニメのハットリくんとなると話は別。キャラ的にはケンイチ氏と同レベルなのになぁ。
きっとハットリくんをやるべき子役がいなかった。もしくは香取くんをどうしても使いたかったがために、無茶な大人設定の脚本をしつらえた。このいずれか。どちらにしてもその巨大さに圧倒されることうけ合いです。ささっと隠れたり忍術を使ったり、いちいち大変そうなんだな。
しかも、マンガじゃ別段問題なかったはずなんですが(ちょっと記憶も曖昧ですが)、なぜか主以外の人間に姿を見られてはいけないんだそうです。しゅっと現れたりという設定さえあれば問題はないんですが、やるのはあのゴツイ香取くん。
彼が通学路、隠れ蓑術を使ったり、宙高く飛んだりと悲しいコントを見せられると、うーん。切ない気持ちでいっぱいです。
そんな訳で大人なハットリくんに対抗するには、大人のケムマキも必要。抜け忍となって教師をしている設定です。ゴリは「GOEMON」でも似たような役どころでしたが、正直ケムマキではない。ほれ、意地悪でやっつけられてというあの良き悪役感がゼロだしさ。
彼がまた大人になったからでしょうか。真面目な顔ででハットリくんに言うわけですよ。「食うためだ」と。いやまて、そもそも誰のための映画だと私は言いたい。
ほれ、もうちょっと子供に夢を持たせるとかさ。いまの子供が夢を見ないからね。と言われちゃったら、そりゃそうなんですが親心的にはどうかねー。と思う一幕なのだ。
ついでケンイチくん。サラリーマンで家族を養い、疲れてたところに、再び舞い戻ったハットリくん。じゃない所がミソ。マンガとの接点をぶった切り新たなハットリくんが生まれた瞬間でした。
また、なんちゅーか暗すぎる。今どきの子供特有の暗さと言われてしまえばそのままですが、そのへんシリアスすぎます。はい。もうちょっとおバカなと言っては何ですが藤子不二雄テイストのある子供の問題くらいにしてくれりゃ良かったのに。
ヒロインは夢子ちゃん・・・ではなくて、盲目の田中麗奈さん。いや、盲目についての扱いがどうこう、ってのはないし田中麗奈さんに文句があるわけじゃない。なんですが、正直彼女のキャラ的な存在が不要なのでは?と思う気持ちでいっぱいです。
単純にヒロインを出したかっただけ。
ということでしょうか?最後に○○なのはケンイチくんだし、健一くんの淡い恋心・・・んーそんな感じもあんまり伝わってこないし、正直なんで出てきたの?
ラスボス的なキャラの問題も浮上します。これまた、リアルに暗いのだ。のび太くんがドラえもんに泣きつくような問題なんてもんじゃない。フツーに殺人事件ですわ。抜け忍に対する仕打ちだそうですが、それならもうちょっと他の抜け忍に対してもアピール度の高い方法を取ったほうが良いんじゃないでしょうか?
また、そんな彼に目を付けられてケンイチくんは連れ去られちゃうわけですが、どうも凄腕忍者の割に設定がイマイチせせこましい。最後はハットリ、ケムマキ共同戦線で戦うわけですが、これまた普通のバトルで忍者同士の忍術決戦など微塵もない、せいぜい手裏剣を投げるだけで基本は殴る蹴るのオンパレードです。しかもこの妙なシリアス感が妙な違和感のある「ハットリくん」世界を紡ぎ出す。
そして期待のラストはまさかの爆死。
ここで気づいた人はお目が高い。そうです。「茶々 天涯の貴妃(おんな)」「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」に共通するアレですね。個人的な趣味かもしれません。爆破のシメは。見栄えがするから??かっちょいいから??
こんな風に、何故かシリアス路線に走る中、ひとり気を履くハットリくん=香取くん。原作が子供向けのハットリくんという作品の、のどかでコメディタッチ(だったよね。原作の本筋覚えてないけど)な空気感を生かすべく頑張ったのかもしれませんがこれまた失敗している。全然世界が違うタッチの笑いになってしまっていて、さらにこれが、下手にシリアスな世界との相乗効果で、そりゃもう痛々しいったらありゃしない。
三谷作品での時なんか、別段悪い印象はないんですが、何でしょうかね?このフジテレビ系列映画の魔力は。
他にも「おっはー」は古いよ。いまは「グッジョブ」だよ。とか分けのわからない押し付けや、マヨラー香取くんならではのマヨネーズご飯アピール。結局のところな逃がしたかったのかすらわからない瀬戸朝香のCM。長ったらしい冒頭の特撮CGアピール。etc...
以外にノッてくると逆に書くことはいっぱいありましたね。
隠しテキストはここまでです。
正直、なんでこんなにamazonレビューの評価がいいのかさっぱりです。もしかすると自分の見てるモチベーションの問題なのかと不安になります。ぜーんぜん面白くもなんにもなかったし、どこをどう切り取っても見せ場的には・・・伊東四朗に「ニン」と言わせただけと思ってしまうクオリティの低さ。
間違いなく年間ワーストまちがいなしな気持ちいっぱいなんですが、あ、この年は「デビルマン」を筆頭に残念映画当たり年でしたか。じゃ、若干影に隠れてもしょうがないか。曲がりなりにも忍者映画やし。でもまぁ、評価は文句なしの「残念」映画ですよ。はい。
追記:
では、子供目線で見た場合どうなんだろう?と、考えると正直良くわかりません。もしかすると娘に見せたらそれはそれで喜んでくれるんだろうか?でも喜んでもらえるのは嬉しい反面、この映画で喜ばないでほしいなぁ。という思いもあって親(バカ)心は複雑なのだ。
それに、例えば一人で「忍たま乱太郎」を通勤シアターで見てたとしたら、やってることはそう変わらないし、場合によっちゃ今作に近い評価を下しているかもしれない。
ただ、何かと引っかかる某テレビ局主導映画のコメディセンスとはイマイチ相性が悪いということだけかもしれませんがね。
「ごっつ」とか「めちゃモテ」とかお世話になってきたし、映画に限っても「踊る大走査線 The Movie」は好きなんですけどねー。