セトウツミ

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監督:大森立嗣
出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ
時間:75分
公開:2016年
キャッチコピー:
「喋る」だけの青春。
ジャンル:
コメディ青春マンガ・アニメの実写化

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2018年01月07日 | 見た回数: 1回

こーいうネタに走った映画って、褒めるとどうしても何かカッコつけてるんじゃないか。と思われるんじゃないかという、若干の引け目を感じてまうねんなー。

ということで、セトウツミ。
原作マンガが完結したんで、一通り読んで、その上での実写版視聴。

当然のことながら原作通りただただ二人が喋ってるだけやねん。

そういえば「テープ」って言う一部屋で男子二人女子一人が喋って終わるという、リンクレイター作品があって、さすが実験映画監督やなぁ。と思ったのを思い出したり、「笑の大学」でほぼワンシチュエーションで喋らせたりってのもあったんやけど、それらは内容的にドラマチックに仕上げてあったりするんやけど、この作品。ただ喋ってるだけ。さぞやトーク内容での盛り上げてくるだろうという展開すらも裏切って、ただただ喋ってるだけ。

そんなんおもろいんか?

おもろいねん。

高校時代にこんなことしてないけど、なんとなくその場に居合わせたような気にさせる映画ってあるやんか。アニメ版の「時をかける少女」とか。あと、ちょっと違うけど「桐島、部活やめるってよ」とか。それに近いんちゃうやろか。

なんとなく当時の高校生特有の無駄な時間の過ごし方というのをそのまま出してくれててごくごく普通の1シーン切り取ってるだけやし、毎度のことながらそんな高校生活なんて送ってへんねんけどそれがなんか「わかる」ってなる感覚?

わかる?

ただ、ここからちょっとディスるけど、その面白く感じてる部分って原作が持ってる部分であって、この映画が持ってるポテンシャルとはちょっとちゃうと思うねん。

そもそも原作ありきの作品の宿命と言ってもいいんやけど、やっぱり原作読んでるとどうしてもそっちのがおもろく感じてしまって、実写(←アニメでもええやん)化したやつはあと一歩、もしくはあと数百歩たりへんく感じられるねん。

個人的には「ピンポン」が、原作の面白さに一番近い面白さを感じるねんけど、その点で言ったらこのセトウツミの忠実さっぷり結構いい線いってる。なんせ二人の喋りだけで、セリフとかも多分ほぼ同じで取ってるわけやし、関西出身菅田将暉くんは当然やけど、池松壮亮くんやってそんなに喋ってるセリフ違和感のなかったし(まぁ、原作キャラもそんなやし)。さらにいうと二人のやり取りの「間」も自分が読んでて感じてた「間」と変わらない感じだったので余計に良く出来てるとは思うねん。

ここ、人によっちゃ二人のやり取りの「間」とかが読んでる人の中での絶妙な「間」で展開されるんやけど、いざ実写化してまうと、主役二人だったり監督だったりと微妙に自分のものとちがうスピード感で展開されるからどうしても、「んー」なんかちゃうかも。とか思ってまうかもしれへんけどね。

ただ、実に忠実に(←「実に忠実に」ってのを文字で見ると、じわじわと違和感が沸き起こってくるな)再現されてた実写化やねんけど、原作のあの独特な雰囲気、空気感が出てたかと言われるとチョイ怪しくって原作マンガのほうが100倍くらいおもろかった。

マンガも一話一話ほぼ独立してる話(ラストで見事に収束させんねんけど)やし、今回の実写化された話だけを読んでも同じような感想を持つんかもしれへんねんけど、なんかマンが読んでる時の面白さがそこまで伝わってこーへんねんなー。
最後に収束していくマンガ版を見たせいかも。とも思わへんくもないんやけど、結構1冊分読んだだけでも映画一本よりおもろかったしなぁ。

あるいは短すぎるということなんやろか。ドラマ版はもうちょい長いと思うけど映画版は75分やしなぁ。90分、120分くらいだとその辺が解消されるかもしれへんけど、合わへん人は苦痛の2時間。とかになったりするかもしれへんから微妙やしなぁ。

つーわけで、単体で見てたら多分もうちょい高い評価つけてたかもしれへんけど、評価は「なかなか」・・・・・。

・・・・・。

・・・・・。

・・・・・。

って、めっちゃいいやん!

ところで、これ、例えば標準語版だったり地方方言版とかあっても同じようにおもろいんやろか?関西弁やからこそ??

以上、口語文にて書いてみました。

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