ダンサー・イン・ザ・ダーク DANCER IN THE DARK

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監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ビョーク、カトリーヌ・ドヌーブ、デビット・モース、ピーター・ストーメア
時間:140分
公開:2000年
ジャンル:
ミュージカルドラマ

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柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2017年04月28日 | 見た回数: 1回

時代工房で、でべちゃん、有松さんと視聴。

今回はベストスパイスがみごとにきまった鑑賞でした。

たいへん暗い展開の映画だとはあらかじめ、いやというほど聞いていたのと、「メランコリア」でずいぶんと痛い目も見たということで準備万端というかんじでした。

以降は、ネタバレなんですが、まあ、いいでしょう。隠さずにいきます。

* * *

この映画、たぶんジャンル分けするとミュージカル映画だと思うのですが、ミュージカル展開──作中でも言及がありますが、唐突に歌い出す展開──は、ほとんど彼女の妄想なんです。

ほとんど失明している彼女は、外の世界の音を手掛かりに彼女の妄想を膨らませてゆきます。妄想は、妄想であるからといえばそうなんですが、彼女に優しい世界です。

彼女は、自罰的にお金を貯めていて、かつ「知られること」は禁じています。でも、ほんとうは、話したい、話を聞いてほしい──で、話してしまう。自罰的な彼女は、ゆえに死刑を甘受するのだけど、死を目前にすると、取り乱す。

本当は、息子の手術はもっと先なのだけど、「手術が成功した」という言葉を、それが嘘だとはわかっていても、救いにして、最後はミュージカルの主役として、妄想でなく、歌いながら死んでいく。

* * *

彼女が外の世界をきっかけに妄想していく内向的な描写は、なかなかよいのですが、これはある種の歌手*1にしかできない映画だったなとも思えます。絞首台の歌の迫力は、そんじょそこらのひとには難しいんじゃないですかね。

* * *

最近見た鬱展開の「チョコレートドーナツ」は、ぼくにはルサンチマン映画に見えてしまったのだけど、本作は、なぜだかそうは見えず、どういうチューニングが影響するのか、しばらく考えてみたいと思います。

というわけで、今回は、うまいこと出会えた感じでした。


  • *1 僕は、歌手としての彼女(ビョーク)は、全く知らないのですが

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