WOOD JOB!(ウッジョブ!) ~神去なあなあ日常~

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監督:矢口史靖
出演:染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明、優香、西田尚美
時間:116分
公開:2014年
キャッチコピー:
少年よ、大木を抱け。
ジャンル:
コメディ青春ドラマ

コメント一覧

でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2016年06月25日 | 見た回数: 1回

なるほど、原作は三浦しおんさんでしたか。
監督を指して「マイナー部活&職業監督」と石田さんが言っていましたが、「マイナー職業作家」の三浦しおんさんとは、出会うべくしてできた作品、といえるでしょうか。映画化された作品は「まほろ駅前多田便利軒」に「舟を編む」など。とはいえ小説を読んだコトはないので、たまたま映画化されたものがマイナー職業だっただけかもしれませんが。
柴田・石田ともに好評価ゆえ、やや構えてみていましたが、変に林業を美化したり、鼻に付くところもなく、わりと素直にみられました。憧れはしていても、これを見たから林業やろう、なんて生半可な気持ちでは思えない仕上がり。地方で暮らすことの難しさ、現場の厳しさをあまり隠さずに、でもあっさりとライトな語り口になっているのは、やっぱり監督の腕なんでしょうね。柴田さんをイラつかせた腰抜け主人公くんが、ほんとうにへらへらした「なにもなしおくん」だったことも、この物語のキモだったと思います。フラれた腹いせでもなければ、夢や希望を持ってやってきた若者でも、行き場がなくて山にたどり着いた負け組でもない、なにも考えずに(まあきっかけはなくはないんですが)ただなんとなく山を選んだ若者。なにもないから怒りもないし、落ち込みもしない。なにもないから「そういうもんか」と素直に受け入れていけて、あざとさが全然ない。
主人公に感情移入しなくても、主人公が見ているものを見て、人それぞれに山への思いや林業という職業に触れられる、押し付けがましくない良い映画だったと思います。

「チャップス」とかあとなんだったかな、忘れちゃったけど、聞いたことのある単語がちょくちょく登場するのも楽しかった。

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年06月11日 | 見た回数: 1回

いやー、「ハッピーフライト」「ロボジー」と、面白いんだけど、これは!っていう感じがなかったし、更に言うと、「知らない世界・職業体験映画」というククリでもコレはってのがあまり思い浮かばなくなってきた中、さすがマイナージャンルフォーカスの第一人者、とってもおもしろかったです。

林業というと、昔は「たかすぎー、たかすぎぃーぃ、たかすぎーーー、たかすぎー」という印象。今は仕事で幾つかふれあうことがあって、一般の方々よりは身近(と勝手に思ってる)な世界ではあるものの、シバタさんみたいに別段、将来林業したい。とまでは思えなかったんです。

が、この映画見ると、ちょっと揺らいじゃう。そりゃもうかっちょいいことかっちょいいこと。若くて暇で将来に目標がな食って、そんな状態の時に見てたら、ふらふら行っちゃうかも。と、思えるほど。

同じく流れていく若者がいっぱいでそうな気もするんですが、問題は、そーいう若者たちがこの映画を見るかどうか。
はてさて、林業従事希望者は増えましたかね?

追記:そういや、最近長澤まさみさんをよく見てるけど昔ほど抵抗がなくなってるな。多分「モテキ」あたりから・・・。

柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年05月27日 | 見た回数: 1回

典型的矢口節青春もの。腰抜けの高卒の男の子(主人公)は、あまりに等身大で、なんだったら記号化のため、じゃっかん腰抜けが誇張されていて、イラつくくらい。

転じて、こちらもとっても記号化されていると言えばそうなんだけど、もー、ヨキがたいへんかっこういい。伊藤英明さんなんだけど、そりゃあ、だれでもほれちゃいそうないい男なんですわ。

* * *

けっこうスポットライトを当てられるのが、山に対する畏怖の念で、ちょっと不思議なエピソードを交えつつ、田舎の信心深さみたいなものが描かれる。いつもの唯物論の立場で難癖をつけようってわけじゃなくて、そういう畏怖の念でもって、油断を抑制しているように見受けられるのが良かったです。

* * *

時代工房は、ご縁をいただいていて、京都府の林業関係のお仕事をいくらか受けさせていただいています。その仕事を通じて、自分はウェブ屋であるものの、林業に携わる人たちに、ほのかな憧れのようなものをずっと、柴田は感じていました。もし仕事が選べるなら林業がいいなあと、無責任に思っちゃうほど。

映画でも林業の風景はいちいち見せ場になっていて、林業の仕事の一つひとつがじゅうぶんに画面をもたせていて、見ていて飽きない。しかし、同時にこの作品で僕の林業への夢が断たれたのが、種取りのシーン。エラい高いところに登るのですが、見ているだけで失禁しそう。

ともあれ、文句無しのお勧めで。

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