舟を編む

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監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子
時間:133分
公開:2013年
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マジメって、面白い。
ジャンル:
コメディ恋愛ドラマ

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2014年10月17日 | 見た回数: 1回

面白かったです。後半のバイト君たちいっぱい雇って徹夜でわーっと仕上げにかかってるとことかテンション上がるし、紙に「ぬめり」がない。とか社会見学的な発見だったり、とっても良いのですが・・・。

じゃ、なぜ「おすすめ」ちゃうねん。という声も聞こえてきますが、期待値が高すぎたせいでしょうかね?ちょっと淡々としすぎてるというかなんというか話の起伏というか。うーん。

その点で、同じように珍しい職業映画シリーズの「おくりびと」はそれは良く出来ててコンパクトでありながらその独自な世界にどんどん引きずり込まれていったんですが、今作、それと比べると若干ふんわりしていて、もっとコアな部部分で突っ込んでくれよぅ。とか求めてしまうんですね。

主人公の立ち位置の問題かもしれません。前述の「おくりびと」の場合、その世界に初めて足を踏み入れる主人公と自分を同化して、同じように驚き、いろいろな経験を疑似体験できるのに対し、今作の主人公が専門分野=文字の世界な分、こちらも辞書編纂というこれまた特殊な世界の習わしを体験する。というポイントと並んで、かなりオタク(←これは褒め言葉)なかれの突飛な行動を楽しむ。という2本柱。2つありゃその分加点かというとそうでもなくって分散化というのかな、なんとなくじっくりと腰を据えて見てる感じがちょい薄かったというか。

ということで、他の人が見たらまぁ、「おすすめ」つくかもしれないかなー。とはおもいますがこんなもんでしょうか。

柴田宣史 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2014年09月21日 | 見た回数: 1回

よけいな起伏が少なくて趣味のよい映画だったと思います。

が、落ち着いているといえば落ち着いているのだけど、なんだろう、重厚ではない。不思議な軽薄さが印象的でした。あまりよい例ではないかもしれないけど──そして、あっちよりはマシなんだけど、「図書館戦争」と似た感じがある。

メタ映画と同じで、メタ活字ものも作者のメディアへの愛を注ぎ込みやすい素材だと思うのだけど、その素材への愛がアイデンティティというよりは、ポーズあるいは自己陶酔的な立ち位置を突き抜けきらないような気持ちを受け取ってしまう。

女性の描写も、たいへんキツく言えば童貞妄想的偶像の感があり、職場の先輩(オダギリジョー)も、たいへんよいのだけど、よすぎるというかなんというか……ライトノベル的な世界観というと、僕がライトノベルを知らないのだけど、でもそんな印象。

* * *

辞書編纂にまつわるガジェットは、さすがにかかる時間やその作業工程もおもしろいし、文句はないんですよ。

でも、個人的には、この辞書、「正しい語釈をのせつつ、あたらしい語釈も積極的にのせる」てえことなんだけど、たしかに変化は言葉の本質で、そのために辞書は改訂されていくのだろうけど、あんまり物わかりのいい辞書はどうかとも思っちゃう。

でもなんだろうなあ、同じようにカルい作品だけど「南極料理人」からはそういう印象を受けないんだよなあ。似たような話なのにさ。

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