デル・トロ作なせいか、新種やらの造形は悪くはないんだけど、吸血鬼映画に関しては変な亜種だとか口が割れてエイリアンみたいになったり・・・みたいなのは別にいらないんだけどなー。実験で生み出されたのはいいけど、ちょっと太陽を克服しつつある。だとか味方殺しな強い吸血鬼。とかそういうベースを守ってたほうが良かったんじゃないだろうか？

あ、さてさて。前見たときには全然意識してなかったイップマンがいたりする。ただ、ドニー・イェンが圧倒的に強い（動き的にも見た目的にも）んですが悲しいかなサブキャラの一人なんで結構あっさりと倒されちゃう。空中からの二段ゲリとか、それこそ人間業じゃないところを見せつけてくれるんですけどねー。

話はなんだか中途半端ですが、見た目はかっちょいいんですよ。ブレイドと共闘する吸血鬼たちもちゃんとキャラは立ってるし必殺技的なのも持ってるしさ。ただ、基本的にはどんな魅力的なキャラがいたとしてもそんなの一瞬で、とにかくブレイドがカッチョ良ければよろしい。という映画。つまりどことなくですが「ミッション・インポッシブル2」を思い出させる出来なのだ。あれもほれ、トム様がかっちょいいこと前提の映画だしさ。

まぁ、かっちょよさに関しては問題なし。もうちょっと練っていきゃいい映画になったようにも思うんですが、純粋な吸血鬼とのバトルだった1のほうがシンプルで良いかな。

W・スナイプスがあの耽美的で優雅さあふれる吸血鬼という役をやること自体が「？」なシリーズですが、1は嫌いじゃなかったのです。なんといってもアメリカ人の血が半分入ってりゃ、あんなのもできるかなと。
3を見た時にもう、マイナス点にまで落ちてしまった。存在価値がない。と思い、見ることが遅れたのですがいやはや、意外に楽しめましたね。この作品。
吸血鬼の永遠のテーマでもある、太陽へのあこがれから新種を作ってみたらエラいのができてしまった。さて、どうする。と敵の敵は味方理論で前作では敵役の吸血鬼とブレイドが手を組んで・・・いや、パターンの王道なのですが、基本、格闘アクションムービーなので、その辺の厳密さは省いて楽しめるかと思います。もうちょっと「特殊部隊」の特殊技能ぶりを引き出してくれても良いのに。とは思いますがいやいや、強いぞスナイプス。負けるなスナイプス。と応援しながら見るのが良いかな。同じ吸血鬼モノ映画としては「アンダーワールド」の方が遥かに出来が良いように思いますがね。
全く気づいていなかったのですが、2007年ベストにあげた「パンズ・ラビリンス」の監督が作っていたとは知りませんでした。なるほど、ちょっと雰囲気と言うか空気みたいなのは感じました。

キャッチコピーは「俺が倒せるか」でしたよね。逆切れっぽい惹句で、ちょっと印象的でした。作品としては、うーん、続編らしい続編だったと思います。見直さないと、ちゃんと書けないか。