十二人の怒れる男 12 Angry Men

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監督:シドニー・ルメット
出演:ヘンリー・フォンダ、マーティン・バルサム、リー・J・コップ、エド・ベグリー、E・G・マーシャル
時間:97分
公開:1959年
ジャンル:
サスペンス

コメント一覧

でべ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2012年02月18日 | 見た回数: 1回

できれば夏に見たかった。

三谷幸喜さんの「12人の優しい日本人」の映画版をむかし一度見たので、タイトルとあらすじは了解済み。1957年制作の白黒映画と聞いて多少身構えていたのだけど、古い映画独特ののん気さがなくて、いいものを見た!と素直に楽しめる映画でした。

回想シーンすらなく、画面はずっと鍵のかけられた評議室から動かない。似たような年代の男性ばかり12人という把握しづらい大人数で、奇抜なひねりもなく、いわゆる密室劇の淡々とした単調な絵が続く。でも人の見分けがつかなくて困ったり、飽きたりダレたりすることもなかった。これでよく持つなあと感心する。

何が良かったんだろう?

ひとつはそこに「答え」がないこと。
観客だからといって特別に与えられる「真実」がないから、上から目線というわけに行かない。かれらが知りうる数少ない情報で、わたしも「真実らしいもの」を探らないといけない。判断を迫られているという緊張感がずっと続く。

もうひとつは評議室の空気感。
暑い日、回らない扇風機、夕立の蒸し暑さ、お互い関係のない雑多な12人、逃げ場はトイレだけ。閉ざされた部屋の中の空気が肌に感じられるようで息が詰まる。できればわたしも彼らと一緒にじわりと汗を流しながら見たかった。だからまだ見てない方には夏の暑い日に見ることをお薦め。

その代わり、ラストシーンでドアが空いた瞬間にすっと新鮮な空気を感じられて、安堵感と同時にさわやかな気分にもなるのでした。

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