お父さんのバックドロップ

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監督:李闘士男
出演:宇梶剛士、神木隆之介、南方英二、南果歩、田中優貴
時間:98分
公開:2004年
キャッチコピー:
読むたびに涙する、中島らもの“伝説の名作”待望の映画化!

僕はお父さんが大っキライ。
ジャンル:
コメディドラマ

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2011年12月29日 | 見た回数: 1回

原作は故・中島らもさんの小説。さーっとネットを見る限りでは、原作を読んでる人にとっちゃいまいちだぜ。見たいな感じもありますが、単体で見た僕にとっちゃ、思わぬ良いひろいものでした。

ここ最近、キワものばっかり見てたってのもあるんですが、超ど級の真っ向勝負な作品。ひねりもなんもあったもんじゃない。

話の展開からすると大阪を舞台に繰り広げる「ロッキー」であり「チャンプ」でありってやつでしょうが、あれらの作品に比べると、例えばじいちゃんと父と子、マネージャーと看板レスラー、貧乏団体を共に支える仲間たち、近所の(逆上がりできない)友達=親友、等などの人と人とのつながりがとても密で重点が置かれているのも良かったです。

下手な大阪の下町感がそれに親近感をもたらしているのも一因かな?べたべたすぎる言葉でしたが「大阪ハムレット」の時よりも妙に親近感(あんな言葉とか使わへんけど)を覚える。

曲がりなりにも親になってしまった僕にとって、お父さんが大っ嫌い。なんて言われた日にゃ、泣き崩れて溺れ死ぬ恐れもあるわけですが、そんな父と子の和解の物語にゃ弱いですな。

「いつも優しいわけじゃなかったけど、おこったらこわかったりしたけど、それでもおかあさんが大好きだった」という台詞。
いつも反目し合ってる生瀬くん(団体マネージャ)と宇梶さん(看板レスラー)の入場前の一連の会話。
他にも素敵でぐっとくるつぼをちょくちょく押されていたように思います。

ラストの決戦のシーンに関しては、さすがにロッキーやらなんやらほどの盛り上がりはないのがちょっと残念でしたが、それでもロベルト・カーマン役のティシエラは、本気の極真世界3位の実力者。蹴りや突きの一連の動きに違和感はないし、予定通りのぼろぼろになりながらの大逆転。

うーん。予定調和が実に気持ちがいい。水戸黄門が好きな人の気持ちがわかってきたという事なんでしょうかね。

「リトルダンサー」とか「ONCE ダブリンの街角で」みたいな父の許しではなく、「子」の方の許しの物語。逆でもOKですな。

宇梶さんや神木龍之介くんをはじめ、それぞれにいい味が出ていて僕個人にとってはとっても素敵な時間が過ごせました。

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