沈まぬ太陽

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監督:若松節朗
出演:渡辺 謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二
時間:202分
公開:2009年
キャッチコピー:
魂が、震える
ジャンル:
ドラマ

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2011年02月16日 | 見た回数: 1回

ノーカット放送!と銘打って4時間もの時間を確保しての放送ですが、前の「タイタニック」の時のように2日に分けるってのもひとつ手だったのかもね。なんせ劇場公開の時も途中休憩が入ったらしいし。とか観る前は思ってました。

まぁ僕自身は録画視聴なのでどちらでも良かったんですが、リアルタイムで放送を見た人にとっては、なるほどこっちもありだったかもしれません。思ってたよりは長時間を感じなかったし、逆に前半後半で分けられて前半だけ先に見てたら、後半につながらなかったかもねー。
また、CM多いのも、まぁ、許せるか。「This is it」みたいなミュージックビデオの一連の流れをぶつぶつ切られちゃっては興ざめですが、こーいう普通の物語ならまだ許容量。特になかなかビデオ借りてまで観るような作品でもない気がする(ハリウッド派閥の人なら特に)しね。

さて、時代的には僕の父親世代の話であり、かつ実際父親が単身赴任やら海外での仕事ってやつに携わってたんで、例えばパキスタンだ、テヘランだ(お、なつかしー!←うそ。覚えてないのだ。)ナイロビだ・・・での仕事っぷりが妙にシンクロして、うーん。こんな感じだったのかねぇ。えらいなぁ。とか(あ、うちの父親は今作のケン・ワタナベみたいに社員のため、会社にたてついて左遷じゃないですよ)ふと思ったりしました。

自分がその立場にいたとしたら、「うう、おうちに帰りたいよう。しくしく。」「会社怖いよう。しくしく。」と膝を抱えて仕事どころじゃなかったんじゃないかな、それを考えると、うーん。すごいな。とか思っちゃう。

作品の前半はケン・ワタナベの苦悩の日々。そうそうたるメンバーを集めた中でも抜群にカッチョいい。仕事もできてナイスサラリーマン。ですが話の都合上、会社からいっぱいいじめられちゃいます。左遷に次ぐ左遷。

「でも泣かない!ハリウッドスターだもの。きらりん!」

と、どこに飛ばされてもカッチョ良さが衰えない彼。ただし巻き込まれた家族はたまったもんじゃないですな。

後半に入ると、今度は一転事故の事後処理や、「国航(国民航空)」立て直しに奔走するあたりになってくると、さすがに長時間の影響かだれてきたのも事実。

本来なら不遇の時代を耐え忍び、華麗なる大逆転か・・・を期待したかったとこですが、いうほど盛り上がららなかったなぁ。強大な悪とか、ワルモノの魅力とかそのへんがもうちょっとだせてたら、それを逆転するという展開で盛り上がったんじゃなかろうか?もうちょっとワルモノの苦悩みたいなのが見えても良かったのかなぁ?(原作シランからなんとでもいいますが。)とかなんとか。

さて、約4時間に渡る長旅を終えての感想ですが、んー。なんというかとりたててこりゃすごい。とかそんなことはなく、至って普通の出来。

「魂は、震えない。」

「日航」を「国航」に変えてみたりと微妙に配慮した作りも、エーイ。ドーンと勝負しなさいな。とか思ってしまうのは僕だけか。あるいは原作がそうやから?歴史的な事故だったりそういった観点からもいまいちぱっとしないしね。

あまりにケン・ワタナベが善人過ぎること。善悪があまりにはっきりしすぎてたぶん、自分がケン・ワタナベにはなれないと改めて思い知らされたとか。個人的にゃ全然映画と関係ないけどやっぱ自分の父親のこととか、そんなくらいかねぇ。残ってんのは。

心折れることなく見れたあたりもうちょい評価の高い作品なのかもしれませんが、個人的にゃあまり引っかからなかったのも事実。「まあまあ」くらいなんだろうかね。

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