ゴールデンスランバー
画像表示切り替え監督: | 中村義洋 |
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出演: | 堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之 |
時間: | 139分 |
公開: | 2007年 |
キャッチコピー: 無実の男、首相暗殺犯に断定 | |
ジャンル: サスペンス、ミステリー |
コメント一覧
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年10月05日 | 見た回数: 1回
でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年10月25日 | 見た回数: 1回
面白さの8割方は堺雅人さんでした。
中高生が夢中になるか、でなければ出張サラリーマンが新幹線の中で読み捨てるようなサスペンス。非常にライトノベルらしい話のつくりだけど、映画で見てもスピード感があって、読んだらきっとぐいぐい引き込まれただろうと想像がつく。
そして最後に肩透かしを食らう、と。スピード感と役者のうまさとで見ていられたけど、確かにずっとおかしかった。「どうしてか」が説明のつかない行動が多すぎるのだ。どうしてあなたが知っているのか、どうしてその行為が必要だったのか、どうして回りくどい手段をとるのか、どうして彼だったのか。いろんなことの動機づけが弱すぎる。でも「面白いのでまあそういうことにしといてもいいよ」と許しながら、見ている間は意識していなかったけど、ツケを後ろに回していたのだ、「最後にオチがつくならそれでいいか」。で、だんだん歪みが大きくなって、最後に肩透かしを食らう、と。
最近、堺雅人さんの出演作を見るたびに書いているような気がするけど、今回もやっぱり彼を見る映画です。今回は特に!トニー・スタークにはロバート・ダウニー・Jrしか考えられないくらい、主人公の青柳雅春には堺雅人さんしか考えられないと言っていい適役ぶり。なぜニコニコと立っているだけでたまらなく面白いのか。冒頭、久々にあった大学時代の友人(吉岡秀隆)に水をこぼされて「おい、何すんだよ!」と文句を言うシーンがある。冗談めかして言うわけでなく、ちょっとびっくりしたのも手伝って、思ったより本気めいて声を荒げてしまった感じ。
でも、顔が、笑っている。
おそろしや堺雅人。好きな役者だなあと改めて実感し直し。
周りを固める役者陣もなかなか趣味がよく、吉岡秀隆さん、竹内結子さん、劇団ひとりさんはそれぞれ個別でも好きな方々。冒頭の堺さんと吉岡くんのシーンは不思議な新鮮さがあって(共演を初めて見たせいか、単純に同級生というくくりの二人がしっくりこないだけ?でも!)わくわくしました。なぜか嬉しい。
すっきりしない映画ではあったけど、エンディングが斉藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食(新録)」だったりして、個人的にはかなり持ち直してしまった。ああ、そうか主人公たちが30歳でわたしとほぼ同じ年。だったら彼らの学生時代にドンピシャかあ。なにしろわたしが学生時代に一番聞き込んだアルバムの一曲だったりして、イントロでわっと懐かしさで気分が高揚してしまって、まあこれも役得かと思ったり。
サイトウ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2010年08月21日 | 見た回数: 1回
土曜に仕事が早めにおわって、奥さんと娘とご飯でも食べに行こうとおもったんですけど、待ち合わせの時間まで、少し時間があまったので出町柳のTSUTAYAに行って、借りました。
この映画、キャストの陣容をみても、なるほど大作というか、力の入った映画だからか、ロードショーの時にやたらめったらテレビでキャンペーンを張っていて、そのときは「なんだか日本映画がまた変にがんばって、ハリウッド映画風のを取りたい感じの映画なのかなぁ」と思い、興味をわかせないようにしてたんだけれども、どうも最近、堺雅人があまりにも気になるので、借りてみました。普段、新作はそんなに借りないんですけどね。
ほら、パッケージを見てください。この堺雅人の顔。このパッケージを見たら、堺雅人好きとしては借りないわけにはいかないですよね。
端的に評価すると、おすすめです。
ぜんぜんハリウッド映画風ではありませんでした。
いろいろと話の展開につっこみどころがないわけではないけど、たぶん原作の小説はちゃんとつながってるんでしょう。だからそんな細かいことはどうでもいいんです。
さて、フィクサーに首相暗殺犯に仕立て上げられる青柳(堺雅人)ですが、あまりにいい人で、なんでまたこんな人を首相暗殺犯にしとうしたんかなぁと単純に思うわけです。
いい人すぎて、彼の周りの人間は、みんな「まさかこいつじゃないだろ」と思ってしまうし、あげくには彼を見つけた警察官も「まさかこいつじゃないだろ」と思ってしまう。
ちらっと出てくる青柳の父親(伊東四朗)も詰めかける報道陣に「息子はやっとらん」の
一点張り。すばらしい父親ですね。
で、そんな人たちに助けられて、なんとか逃れていきます。
追う役の香川照之。悪い役もさすが。こなします。香川照之、ほんとにいい役者さんです。
香川照之の部下?役の永島敏行の怪演もすばらしいものがありました。フランケンシュタインみたい。役作りのために体重増やしたのかな?
ラストは、なんともハリウッド的な怪傑さはなく、それがでもよい終わり方でした。
難癖つけるとしたら、爆発シーンとかが、あまりにCG過ぎて、ちょっと・・・というくらいかなぁ。あと、竹内結子の大学生時代はちょっと無理が。。。
ということで、この映画の教訓。
1)自分が首相暗殺犯に仕立て上げられても、周りの人に「まさかこいつじゃあないだろう」と思われるように、日々すごそう。
2)自分の子どもが首相暗殺犯に仕立て上げられても、「あいつはやっとらん」と言おう。
の2点を教訓に生きていきたいと思います。
ちなみに話はまったく変わりますが、竹内結子をみると、うちの奥さんを思い出します。
世の中的には竹内結子はきれいな女優さんということになっているので、別にうちの奥さんが、竹内結子に似ていてきれいであるという、よくわからないのろけをしたいわけではないんですけどね。いや、なんか、その、あのキャラというか。中村獅童大変だったろうなぁと。
(こう書くとうちの奥さんが鬼嫁みたいなニュアンスですが、いや、そうじゃないんですけど、当たり障りのないようにどう書いたものか。うーん・・・。)
結構長い間、一つの曲だと勘違いしていた「ゴールデン・スランバー」ですが、本作、あんまりビートルズは関係がないんですね。時代性の味付けってことかな。
さておき奥さんと二人でしっかり楽しみましたよ。
たしかに、これがハリウッド映画だったら、ばっちりカタをつけていきそうな部分がすっ飛ばされて、えぇ、そんな終わり方でいいの、という気持ちもしますが、齋藤氏とでべちゃんがおっしゃるように堺雅人氏がいいので、不満はございません。
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でも、でべちゃんは高い評価みたいだけど、エンドロールはせっかくだったらアビイ・ロードのメドレーのほうがよかったなあ。斉藤和義の歌だと、印象が強すぎて、全部さらわれていっちゃう感じでした。気持ちとしては、ハリウッド映画のエンドロールに日本語の歌が流れ出したときの感じに似てる(「キル・ビル」のことじゃあないよ)。
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でもって、常に齋藤氏のことを思い出しながらの視聴でした。
これが齋藤だったら、ここで僕が警察から齋藤のことを尋ねられたら? ここで齋藤をかくまうとしたら……。そういう妄想が楽しくて仕方がありません。とりあえず雨水管と下水道の違いは教えてあげようと思いました。
大丈夫です、齋藤君。
君は、「まさかこいつはやってないだろう」という生き方をしっかりしています。あとはアイドルを助けないようにだけ気をつけて生きてゆけば、問題はありません。