HACHI 約束の犬 Hachiko: A Dog's Story

画像表示切り替え

Amazon で HACHI 約束の犬 を買う

監督:ラッセ・ハルストレム
出演:リチャード・ギア、ジョーン・アレン、サラ・ローマー、ケイリー=ヒロユキ・タガワ
時間:93分
公開:2009年
キャッチコピー:
ベッドリッジ駅、午後5時。
駅にはいつも君が待っていた。
ジャンル:
動物リメイク

コメント一覧

でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2011年07月18日 | 見た回数: 1回

いつか見るだろうと思っている割にいつまでも見ない映画、というのがある。似たものには買ったものの読んでいない本があるが、映画のほうは手元に置いていない以上、長い時間ストックしておくと見たい欲求を忘れてしまって永遠に見ない、ということにもなりかねない。だから本当は思い立ったときに見ておくべきであるが、いかんせん「見ない」のには理由があって、それゆえなかなか手が伸びない。見たければ何をおいても見るが、実はそれほど見たいわけじゃない。「いい映画らしいけど役者がね・・・」、「気になるけど、あの監督でしょ・・・」、「今日は眠いし・・・」などと誰に対するでもなく言い訳をして後回しにしてしまう。機会が巡ってくるのを待つリストは伸びるばかり。

さて、台風で大雨の海の日。尾内家は特に出かける予定もなく、ひかりテレビの有料配信映画を検索。雨でも家を出ずに映画を借りられるのは素晴らしいのだけど、レンタルビデオ店ほど品揃えはよくない。しかもこの連休中に何度かページを繰っているので、実はあまりめぼしい映画がないのも知っている。それで「うーん、とうとう見るか」となり、本作にお鉢が回ってきたわけです。他にもリストに上っている映画はあったはずなのに、まあふたりのフィーリングですかね、今日はたまたま「ハーチー」に当たってしまいました。

時代工房内では波紋を呼んでいた、ような気がしていましたが、思い出してみればわたしと石田さんのリチャード・ギア嫌いと「ハーチー」と犬を呼ぶ姿が、鼻で笑うのにちょうど良くて、あざけって楽しんでいただけかと。世間的にはどうだったのか、公開時はテレビで予告をやたら流していたわりには、良し悪しのうわさはほとんど聞かずじまい。でも理由は良く分かる。たまらなく面白くもなく、酷評するほど悪くない、しいて言うなら非常に正統派な映画でした。
もとが実話なので仕方ないけど、複雑さのない単純なストーリー。われわれは結末を知っているせいもあるが、意外な展開も、特別な事件もない。そして「ハーチー」と尻上がりに呼ぶリチャード・ギア。などなど、いかにも残念と思えそうな要素がそろうわりには、あまり文句をつける気にならなかったのです。実は、文句のつけどころは結構ある(石田さんコメント参照)。が以下のような理由から低い評価にはなりにくい。

・安っぽくない
レンガ造りの建物と街灯、坂道のある街角、人々の距離の近さなど、「古めかしいが良き時代」らしい箱庭感がしっとりきれいで、田舎の街の雰囲気が心地いい。リチャード・ギアも妙な主張なく、あの街に住まう上品な紳士の風情が良く馴染んでいた。そのあたりはラッセ・ハルストレム監督の技量でしょうか。これで舞台が現代のニューヨークだったりしたらもっと安っぽくて白々しい仕上がりだったんじゃないかしら。下手にハートウォーミングにしすぎず、淡々と物語が進むのも好印象で、いろんな意味できれいな映画であったと思う。

・短い
93分。これくらいがちょうどよい。

・犬
子供と老人と動物は感動モノの切り札といわれる。ずるいけどいいじゃなの、変に抵抗しなくとも。健気な動物には素直に心動かされよう!
とくに今回は教授とハチの関係がごく自然で仲良さそうに見えたのも好感が持てる一因だった。子供や動物は、演技力が乏しいので自然な雰囲気をかもし出せずに、がっかりさせられることも多い。それでも使いたいのが子供と動物の悪いところ。今回はあんまり表情のない日本犬がよかったのか、wikipediaによれば愛犬家のリチャード・ギアの演技がよかったのか、「ハーチー」と尻上がりな呼び方もCMで見たときほど耳ざわりでもなく、よりよく感情移入できた気がする。しかも最終的には「老いた」「犬」というダブルパンチ!これは効きます。

・日本のものがたり
なんだかんだ言っても、わたくし日本人なので、日本の良い話が取り上げられるのは嬉しいものです。しかも歴史モノや昔話のようなザ・ニッポンのものがたりでなく、「ハチ公」というのも趣味がよろしい。舞台をすっかり変えたおかげで外国人目線の奇妙なニッポン像も見なくて済んだ。ちょっとだけ日本のシーンがありますが、たぶん日本で撮影しているので違和感なく。また最後にbased on a true storyらしく、実際のハチのエピソードを挟んでくれたのも、嬉しかったりして。

不思議と原題は「HACHIKO」で「公」がついている。劇中では当然「ハーチー」と呼ばれているわけですから、「公」の意味が分からなければ、英語圏の観客はタイトルの「コ」ってなによ?と疑問に思うんじゃないかしら。

【石田さんコメントの「ダメだった点」に追加したい項目】
・人間と初めて行動をともにしたのは秋田犬というのはたぶん間違い
・面をつけずに剣道をたしなむのはいかがなものか
・たしかに犬は色の識別能力が低い(3色を見分けられる程度)けど、石田さんの言うとおり犬目線の色合いと手ぶれ感はちょっと目障りだったなあ。
・犬が道に迷って分かれ道で悩むな!

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年08月09日 | 見た回数: 1回

同じ日に「サマーウォーズ」をやっていたので、世間の注目はそちらに盗られてたかもしれませんが、日本人ならこれを見ずして何を見る。もうディティールは覚えてないんですが、「ハチ公物語」は一度見た記憶があります。この映画のリメイクってやつですかね?主役は「シャル・ウィ・ダンス」の経験?を買って、リチャード・ギア。ウーム。苦手なんですがね。彼。
見る前の心構えは両極端で「きっと酷い出来に違いない。」というマイナス思考半分「犬を使った感動作。反則だなー。なんだかんだ泣いちゃうかなー」という期待半分。出来はというと・・・

良かった点
確かに犬はかわいかった。子犬の頃なんて、なんかころころとカバンの中に入っちゃったりして、うっかり娘に魅せたら、犬が欲しい。といいだすんじゃないか。とかね。成犬になった後も忠実に主人を待つ(ま、そういう話だ)彼もけなげだねー。偉いねー。よしよし。
ラストの老犬になっても、とことこゆっくりと歩いて行ったりするシーンや、(おそらく「ハーチー」の想像上)の、主人が帰ってくるシーンなど、若干目頭が熱くなったし、これだけで充分評価に値する。
個人的に気になるギアちゃんの出来も、犬をかわいがる飼い主として仲良しな感じも伝わってきたし、まあ、配役としても悪くなかったんじゃないですかね。

ダメだった点。
・とはいえ個人的にリチャード・ギアなんか苦手。
・犬目線はなぜか彩度が極端に落ちる(犬の目ってそうなんだっけ?それとも人間の視点とを分けるるため?)
・駅員など、若干悪い人っぽいニュアンスでお金を手に入れてるように見えたけど、特にそれ以降目立った登場なし。
・最初から泣かす気満々の一本調子なので、大事なとこで気持ちが盛り上がらない。
・「アキータ犬」「ハーチー。」と呼ぶ違和感。
・日本犬はボールを捕ってくるのは特別な時だけ?(ほんとに?)
・引き取った娘さん。「帰りたいんだね」と放して、後はほったらかし?
・「約束の犬」て!佐野元春の歌ですかあなたは。

最後のジーンとくるとこは犬の功績なんで映画の善し悪しとも関係ないし、かといってあかんとこって言ったら、けっこう個人的な部分が大きいし本筋に影響するほどでもない。
それなりに悪くなかったなー。という感じなので作品としては「まあまあ」かな。(犬効果込みで「なかなか」でも個人的にはいいかな?)という一本でした。

リンク