オリジナルの「イルマーレ」は一度見ただけなのですが、どうもいろいろ違うらしいという話を聞いていたので、心してみてみました。こーいう作品はどうしてもオリジナルと比較してしまうんですが、本作に関してはオリジナルの方がはるかに良かった気がするなぁ。

映画自体に期待しすぎてる訳じゃないし、一部で残念映画愛好家という名もいただいているくらい雑食なボクなのですが、オリジナル見た時は「あー、いい映画だなー」という作品に対する特別感が感じられたのに対して、今作はなんというかごくフツーの恋愛映画、恋愛ドラマでした。

話が別段オリジナルと違う訳じゃないんですが、物事ひとつひとつが全てわかりやすく噛み砕かれているようで、なんか物足りない。アメリカ人にウケなければならないというのもあるんでしょうか？
例えばポストの挙動ひとつとって見ても、本人がいるその場でポストが反応して、時を経た相手の動きがわかる。そりゃ誰でも「あー、繋がってるんだね」とわかりますよ。わかるけどストレートすぎないかい？当事者の二人もそれはあまりに違和感感じちゃわないのかい？
また、すぐ恋に落ちちゃったりする訳ですわ。ラブストーリーとはそんなものかな？なんやかんやで、簡単に出会っちゃうのもどうかと思うし、さくさくと出会い、話までして、抱き合ってキスまでしちゃう。東洋の島国人にはワカラナイ感覚。奥ゆかしさとか、歯痒さとかそんな東洋人の心の機微（使い方おかしいかも）なんてねぇ。
そもそも恋愛映画とかって、より自分をヒロイン・ヒーローに置き換えて見るという点があると思うんですが、これは東洋人ならではかもしれませんがサンドラ・ブロックだのキアヌ・リーヴスだの一流スターを持ってこられちゃうとちょっと別世界のお話しすぎて入り込めなかったのも、イマイチ感が強い一因かもしれません。
タイムパラドクスに関してはどっちもどっちで整合性とれない話ではあるものの、ハリウッド映画の宿命か、やっぱりラストはちゃんとハッピーエンドで結びつかねばならないのだ。というのもどうかな。と。あと、未来の住人の意見を聞いてよいこらせ。と木を植えたら、急に未来でもドドーンと木が生えている。ってのは違和感ありますぜ。

まぁ、とはいっても比較しなきゃ全く持って出来が悪い訳じゃない。
また、これは個人的なツボなのですが、今作で一番印象に残ってるキアヌ・リーヴスと彼の父（役上ね）との会話のシーン。「ビッグ・フィッシュ」とかこの手のテーマに弱いボクなので（娘に弱かったり、動物に弱かったり、弱点だらけだな）、あそこから父親が亡くなるまでの一連の交流シーンは好きかな。

ということで、全般的にいたって普通の恋愛映画でしたが、いかんいかんとはわかってるものの、やっぱりオリジナルと比較しちゃうとマイナス点が目につきすぎました。「イマイチ」ってとこでしょうかねー。
ただし、オリジナルを見たのはきむさんに借りた時だから・・・少なくとも５年以上前か。もっかい見てみるとしようかしらね。

いっちゃうと恥ずかしいけど、ぴったりだからそう書いちゃう「大人のためのファンタジー」。……んー、やっぱり恥ずかしい。

キアヌ・リーブスも地球や世界を守っているよりよっぽどかっこいいし、サンドラ・ブロックもとてもかわいい。彼女は「28days」をみたときに、こんなバルネラブルな感じの引き出しがあるのかー、と印象に残っていますが、「スピード」みたいなキツめの役以外でもじゅうぶんいいですね。

でも見ながらも不謹慎なことを考えてしまいます。僕が根本的に子供なので、「大人のための」ものをみる能力が欠落しているからでしょうか。今回、たまたま手紙のやり取り先が美男美女だったから絵になったのですが、もし、相手役が「ゴーストバスターズ」のあの人だったら、タイトルも「ビル・マーレ」になるなあとか（いや、ならないか）、男同士（できればマイケル・J・フォックス）だったら、タイム・パラドクスを悪用して、大もうけだぜウッシッシとか、そんな妄想が頭から離れませんでした。

いやいや、妄想だけしてた訳じゃないです。３月に雪の降るシーンや、キアヌ・リーブスの「好きなものは？」という問いに対して、「ピクニックの終わり際、突然降る雨」と答えるとことか、んー、いいなあ、とかおもってましたヨ。本当です。

でも、ラストは、ちょっと無理矢理かなー。それ以外にも、オジサンの趣味としては、えー、そこではキスしないほうが趣味がいいような気がするなーとか、エロティシズムついての要望もなくはないのですが、ラブ・ストーリーだからアリなのかな。