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僕らのミライへ逆回転 Be Kind Rewind
画像表示切り替え監督: | ミシェル・ゴンドリー |
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出演: | ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー、メロディー・ディアス |
時間: | 101分 |
公開: | 2008年 |
キャッチコピー: はっぴいえんどにリメイク中 | |
ジャンル: コメディ |
コメント一覧
でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年05月20日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2009年06月20日 | 見た回数: 1回
「エターナル・サンシャイン」でも不思議な雰囲気を描けていて、いい監督だなーと思っていましたが、いや、これもなかなか楽しい作品でした。
ハリウッド好きとして、それらの陳腐なリメイクをみてると面白い、というのがないわけではないですが、おしつけがましいほどでもない感じで、映画への愛がさわやかに描かれているなあと思います。
ところで、この視覚エンターテイメント消費世界では二つの派閥が戦っている。一つは<ドラマ派>で、もう一つは、──あえてこういおう──<アンチ・ドラマ派>だ。これらの派閥は、深作欣二もびっくりの血で血を洗う戦いを繰り広げている訳ではないけど、お互いの趣味を快く思わないままに共存を続けている。ときには<アンチ・テレビ派>、<折衷派>やドラマにおける<韓流・反韓流>などが、ある種の勢力としてその存在感を示すときもある。
僕はどこに身を置くかといえば、<映画派>だ。僕の中にはアンチを唱えられるほどのドラマへの斥力がなく、ただ映画の存在の美しさに心をひかれているのだ。もちろん、仲良くしているのは<アンチ・ドラマ派>のかたがただが。
そして<映画派>は、ときどき主砲をうつことができる。それは<メタ映画砲>というけっこうな破壊力を持つ砲だ。「おれたちゃ映画が好きだっちゃ」ということで作品を成立させている映画だ。
でもって、やっぱりそういう映画って楽しいのよね。
事前情報もあって期待はせずも、そんなに酷くはないだろうと踏んでみた本作。んー、そんなに酷くはなかった。なんというか退屈はしなかったし、ジャック・ブラックとモス・デフは元気だったし、展開早かったし、時間もちょうどいい。
うーん、でもなんだか展開の早さのわりにしっとりしてる?「ハチャメチャ感」と「ノスタルジー」の交錯があって、最後はシンミリでも「一番じゃないけど俺たちやることやってやったぜ―!」という盛り上がりがあって、とってもハリウッドぽい展開なんだけど、なぜだか高揚しきらない。映画の悪いところをすべてフランスのせいにするわけじゃないけど、ミシェル・ゴンドリーがフランス人だから?
欽ちゃんの仮装大賞みたいなアイデア勝負のみんなで手作り頑張ったで賞的団結感は個人的にすごく好きなところなんだけど、なんでかなー、なんで気持ちが高ぶらないのかなー。
あとは部分的な感想。
・ジャック・ブラックのちょっとした演技にうきうき。ちょっと眼鏡を上げる仕草とかたまらんとです。
・発電所に侵入するとこのカムフラージュがぴたっと決まって気持ちいい。そこらへん「エターナル・サンシャイン」を撮った人らしいなーと。
・レジの後ろのポスターが「タイムトラベラー/きのうから来た恋人」でちょっと嬉しかったり。
・邦題どうかなー。的を射てるといえばそうなのかなー。これもあまり酷く言う気は起らないけど、原題「Be Kind Rewind(巻き戻して返してね)」も趣味がいいからちょっと残念かなー。