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王立宇宙軍 オネアミスの翼
画像表示切り替え監督: | 山賀博之 |
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出演: | 森本レオ、弥生みつき、 |
時間: | 119分 |
公開: | 1987年 |
ジャンル: SF、アニメ(日本)、宇宙 |
コメント一覧
でべ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: | 見た回数: 1回
石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2009年01月26日 | 見た回数: 3回
なんか坂本龍一がいたり、庵野秀明が関わっていたりとそうそうたるメンツで作られていた作品でした。あんまり意識せずにこれまで見てきたなぁ。という印象です。ほほう。主人公、森本レオでしたか。ドオリでどこかで聞いたことがある声だと思いましたよ。
何回か見てるんですが、毎回、なんで好きなんだろう?と自問しながらの視聴なのですが、やはり謎は残ったまま。取り立てて派手な戦闘シーンがあるわけでもないし主人公やその仲間たちがすごいわけでもない(ま、そんなスーパーマンじゃない人たちが主人公なのがいいんですが)。ただ、何というか、「月のひつじ」だったり「アポロ13」だったりと宇宙に行こう。と言う意思の力には何かしらのあこがれがあり、つい評価も甘めになってしまうんですね。今作品も同様で、ラストの打ち上げ寸前のばたばたのところがよいかな。
なんにしてもトミーリージョーンズが言っている「この星の達成感はたまらない」を体験できるのでちょっとうれしくなっちゃいます。
柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2008年12月11日 | 見た回数: たくさん
僕も宇宙ものには甘いんですが、よくできた映画ですよね。まったく大衆迎合的でなく、かなりシブいつくりの映画ですが、手元に置いて、繰り返し見たい映画です。
ちょっとオタクなチャンネルのコメントですが、この映画自体もすごく出来がいいと思うんですが、この映画の興行的失敗のおかげで「トップをねらえ!」がうまれたというのは、ファンの間では割と有名なエピソードだったりしますね。
とても、面白かった。
片方で、21世紀に生きている大人の自分は、この面白さのかやの外にいる気がして悔しいと思った。「王立宇宙軍」が公開された時代には戦争がいまより身近にあったんだなあと感じる。冷戦のさなかで、宇宙開発競争もみんな覚えていて、テレビでは終末時計の針が動き(これはわたしも覚えている)、戦争を体験した大人が減って、安全で安定した国で不自由なく暮らす若い世代との温度差があって。その状況でこの映画に感動した人たちのことを想像すると、ちょっと身震いする。
シロツグがいわゆる宇宙開発ものの主人公にありがちな「英雄的」な人間ではないのね。だから女の子やマスコミなんかの快楽の方へどんどん流されていく。自分より立派な人間のまえでふわふわしたり、ふざけたり。でも事態が具体的になるにつれてそうも言ってられなくなって、向き合わざるをえなくなったときに、立ち止まって黙っちゃう。やっぱり英雄的に急激にいい人間になったりできない。からっぽだった人間に突然たくさんの責任や価値観が詰め込まれちゃって身動きがとれない。そこへ宗教の、物語のちからがじわりと入り込んでくる。
そのあたり説明なしで想像させるさりげない丁寧な丁寧な演出は、見事だなあと感動しつつ。
丞二がときおり、宗教と信仰は違う、というはなしをするんだけど、その意味がよくよく理解されていく。単純だけど、ああ、そういうことかと。
研ぎ澄まされた物語のちからは恐ろしい。