モンスターズ・ユニバーシティ MONSTERS UNIVERSITY
画像表示切り替え監督: | ダン・スカンロン |
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出演: | ビリー・クリスタル、ジョン・グッドマン、スティーヴ・ブシェミ、ヘレン・ミレン、田中裕二、石塚英彦 |
時間: | 103分 |
公開: | 2013年 |
キャッチコピー: モンスターよ、大志を抱け。 | |
ジャンル: コメディ、ファミリー、青春、アニメ(海外) |
コメント一覧
でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2013年11月24日 | 見た回数: 2回
柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2013年11月29日 | 見た回数: 1回
ちょっと悩んだけど、おすすめでもいいか。
ルームメイトが、彼だったり、最初、彼がちょっとヤなやつだったりとか、ぜんぶばっちり予想通りだったんですが、まあ、きもちよく定番を見せてくれるってのは、それはそれでいいですよね。
しかし、じつは二人とも
大学中退
隠しテキストはここまでです。
って、妙なリアリズムですよね……。いや、悪くないんですよ。
ともかくも「カーズ2」とちがって繰り返し見たい続編(前日譚)でした。
石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2013年07月21日 | 見た回数: 1回
続編ラッシュなピクサーなので、ちょっと嫌な予感はしてたんですよ。まだ見てないんですが「カーズ2」とか、ちょっとイマイチな話も聞きますしねぇ。
でもってピクサー作品の中でも抜群にできのいいあの作品の続編となると相当ハードルも高けりゃちょっとでも駄目なとこがあったらもうガックシとなるはずなんですが・・・いやいや、大満足で映画館を後にしたのでした。
それを踏まえた上で今作ですが、前作ほど泣けたかというと、そうではないのは子供と一緒にいったからかな?でも、出来としてはとっても素晴らしい。笑いあり、努力あり、友情ありの素敵なベタな青春ストーリー。恋愛は…まぁ、それはピクサーお馴染みのショートストーリー(今回は「ブルー・アンブレラ」)で十分です。
映画館で泣いちゃったときは字幕版でしたが、いや何、吹き替え版がしっかりと馴染んでいるので違和感もないですよ。時系列じゃ後の話である前作のキャラクターがところどころに登場していて、あー、あの人だ。あれは多分あの人だねぇ。あの人は若い頃はそうやったのかetc…。僕も出来れば見てから行きたかったんですが、それはまぁ、よしとしましょう。どうせストーリーからキャラクターからちゃんと頭に入ってますし。
努力と技術こそ一流なのに、唯一決定的な「カワイイ」という弱点を持つマイクと、自分の能力だけで走ってきて壁にぶつかるサリー。この反目してた二人が微妙な距離感でチームを組み・最終的に無敵のコンビになるまでの過程を楽しめたしね。
とにかく努力とか夢を持ち続けることの大事さとか、色々と説教臭くなりそうなことを、癖なく気にならない感じで見せてくれるんで、僕自身も抵抗はなかったし、出来れば上手いこと伝わってくれたらそれはそれで嬉しいんですが・・・それは欲張り過ぎかな?そんなポイントなくても、娘も楽しんでくれたしそれだけでお腹いっぱいです。
※でも多分、僕のほうが楽しんでたんだろうなぁ。とか思いますけどね。
あえて難点を言えば、前作の最後のあのドアのシーンの疾走感や盛り上がりと比べると緊張感こそあれちょっと落ちるかなー。というオチの盛り上がり。それでもあちらが100点満点だとしたら95点付けれるくらいなんで、難癖と言ったらそれまでで、やっぱりサイコーに楽しかったです。はい。
あのスポコンなチームワークな雰囲気とか、大学の盛り上がり。子供の頃に影響を与える大スターの言動などなど、好きな要素がいっぱい詰まった楽しい2時間でした。いやー、もっかい見たいなぁ。
前作「モンスターズ・インク」を見てない人でも十分によい作品ではあるんですが、これは出来れば復習したうえで見た方が楽しさ倍増なので、是非どうぞ。
さて、「モンスターズ・インク」はどこにしまってあったかな?
ピクサーのアニメーションは、演出の力をびんびん感じる。とくに出だしにぐいっと引き込む仕掛けを自然に組み込んでくれるので、気持ちよく身を任せられる感じ。
ちっちゃなマイクが初めて見る絶叫フロアの光景は、マイク自身の感動と、見ているこちらの感動が混ざり合って気持ちが沸き上つ。ここに帰ってきた、というわくわく感。「モンスターズ・インク」にどきどきしたあのころの子供たちが、いまはきっと自分の子供と「モンスターズ・ユニバーシティ」を見て、少し涙目になりながら「ただいま」ってこころの中でつぶやくんだろう。そしてこの映画を自分の子供が楽しんでくれることを願うんだろう。って勝手にそんな想像でわたしも涙目。取り立てて感動的に見せてるわけではないのに不思議。
その後の展開も、一作目のキャラクタを上手く逆手にとって楽しませてくれる。そこは見た人はみんな、うんうんとうなづいてくれるはずなので置いておいて。
ずいぶん楽しめたし、柴田さんの言う通り「カーズ2」を見てがっかりしたような残念感はないのだけど、ツメの甘さがもったいなくて、やや消化不良、もごもごと言いたいことがたくさんあって、その後2日ほどかけてじょうじとたくさんしゃべることになりました。我が家のレパートリーに学園青春コメディが多いせいで変に目が肥えているのかもしれないけど…。
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和解があいまいなのです。
いけすかない、ええとこのぼんぼんサリーがマイクと手を組んだ瞬間にすっと身を潜めてしまって「こんな落ちぶれ組と一緒にされてたまるか!おれはサリバンだぞ!」とか言い出すはずが、あるべき憤りがあんまりない。エリート組の学生クラブに返り咲くぞ!というつもりは最初からなさそう。資質はあるけど努力はしない彼がマイクと一緒になることで、だんだん変わっていく姿をもっとちゃんと見たかったかなあ。
マイクの「怖くなさ」があいまいなのです。
「あなたは怖くない」と怖がらせ学部を追い出されたところまでは良いものの、その後チームを組む面々が、それこそ怖くなさすぎて、マイクが「飛び抜けて」怖がら屋としての資質がないことがはっきりわからないのです。学長がサリーに「あなたのチームには全く怖くない者がいる」と伝えたときも、それがマイクを指していることが、なんだか納得できない。もちろん物語上はマイクは最後まで怖くなりきれなくていいんだけどさ。
落ちぶれ組の成長があいまいなのです。
きっとマイクには「怖がらせる」能力はなくても、他のモンスターの資質を見出す能力や、怖がらせるアイデアを生む能力があるんだと、なんとなーく物語の流れから、感じ取れるような取れないような。マイクがチームを組むメンバーはこれまで誰からも評価を受けることのなかった害のないお人好したち。普段空回りばっかりのマイクが加わることで、彼らの「怖がらせ屋」の素養が引き出されて…という展開のはず。おじさんのタコ足やふたつ頭のダンスやらをうまく使って、ただ大声で脅かすだけじゃない、マイクらしいアイデア勝負の怖がらせ方がもっともっと考えられたんじゃないかなあ。彼らが怖くならないと、マイクの能力が引き立たないし、「怖くない」という致命的な特徴も引き立たない。
ひと競技につき1人ずつ、特殊能力を活かした競技が設定されて、みんなが徐々に自信をつけていく、という展開が定番のような気がするんだけど、うーん。彼らはこれから怖がらせ学部で上手くやっていけるんだろうか…。
学長の存在があいまいなのです。
だってイーゴにしか見えないし!
「レミーのおいしいレストラン」のイーゴは彼なりの正義を貫いて、リングイニに立ちはだかるからこそ、最後にレミーとリングイニを認める勇気に身の毛がよだつわけだけれども。今回の学長先生は、存在感ばかり圧倒的で、いまいち彼女の正義がなんなのかうまく伝わらない。ちょくちょく顔を出してもマイクとサリーに嫌味を言いに来てるみたい。「良き怖がらせ屋を育てること」「大学の秩序を守ること」が使命ならば、なぜふたりが怖がらせ学部を追い出されたのか彼らの身に沁みる言葉を発して欲しかった。大学を去るマイクとサリーに贈る言葉も良いようで、イーゴの評論のように心に刺さらないのがもったいないなあ。
モンスターである必要があいまいなのです。
「カーズ2」で痛々しかったのは、あれを車でやる必要が感じられなかったこと。「カーズ2」ほどではないけど、定番の学園物語を大真面目になぞりすぎて、ほんのちょっぴりだけど「モンスターじゃなくてもいいんじゃない?」と心をかすめてしまった。
隠しテキストはここまでです。
ああ、神さま、お許しください。
悪口を書く方が筆が進むのです。
本当は、わたしたちはとても楽しんだのです。
「シュガー・ラッシュ」くらいには楽しんだのです。
クライマックスの怖がらせも見事でした。
どうか「ファインディング・ニモ2」が良い映画でありますように。
ピクサーが今後続編を作らない方針を出したことに心から感謝します。
さて、懺悔も終わったので「モンスターズ・インク」でも見ましょうか。