感染列島

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監督:瀬々敬久
出演:妻夫木聡、檀れい、国仲涼子、田中裕二、池脇千鶴
時間:138分
公開:2008年
キャッチコピー:
神に裁かれるのは、人間か?ウィルスか?
ジャンル:
サスペンスパニック

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2013年02月28日 | 見た回数: 1回

まず、キャッチコピーについて。

神に裁かれるのはこの映画を作った人だけにしてください。僕らを巻き込まないで・・・。

子役の子がかわいいこと以外でほめられるとこが思いつかないのだ。困ったもんですが、まぁ、これなら思いっきり「残念」コースを突っ走れるってなもんですかね。

あ、先に言っときますが、自信を持って残念を付けられるご都合主義的な映画なので(作った人たちごめんなさい)、インフルエンザが流行ってる。とか、「アウトブレイク」の次を悩んでいる。とかそんなノリで見ると痛い目を見ます。ご注意を。

物語は破綻。ただただ台詞を読んでる子役の子(冒頭:おそらく3歳くらい)以外、まともに見れたもんじゃない。恥ずかしいったらありゃしない連続。んー。お見事。この出来に応えるべく気合入れてコメントも書かなければね。

先に評価をば。はい。まごうことなき「残念」なんですってばさ。

ただ、見方によっては涙したり、感動巨編になったのかもしれません。僕の場合は結構冒頭でスイッチがこちらに切り替わっちゃったので、あとは別の楽しみ方を追求することに精を出してたんですが、冷静に見たら、そこまで言わんでも・・・。意外と普通の作品じゃないか。と思う方も多いかも知れません。
まぁ、良ければ映画も見てみてはいかがですか?責任は取りませんがね。

じゃ、おまけのネタバレ。スタートです。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

冒頭、なんか「L change the WorLd」のような所でウイルス被害が発生。アジアじゃないとダメなのかな?一人の日本人っぽい女性がスタッフに混じっていて、「ドントウォーリー」。そして、さらに説得。「ドントウォーリー」。と、熱にうなされる子どもを追う母親を説得。まるで誘拐のように連れてさってしまう。その子の今後は描かれていない。

売られた??

ん?いや、WHOとかそのへんの人らしいんですが、その割に日本人の英語力がひどくないか?もうちょっと流暢な英語あたりで説得にあたってみてはどうだろうか?英語が通じないから、わかり易い言葉だけで勝負した??

ちなみに、この場面と本編で語られるウィルスにはなんの関連もないのである。いきなりのトラップ。鳥インフルを印象づけとく必要があったからね。あの少年、どこに行っちゃったのかなぁ。

実験体?

次の場面。お、妻夫木くん登場。さらには御大、佐藤浩市がいるじゃないか。かっちょいいな。妻夫木くん、風邪ですね。安静にしてください。と近所のお医者さんのように対応。これがあとを引くこと120分。何度も何度も、あん時ちゃんと見てれば・・・を繰り返すわけです。

でも、ちゃんと見てもわかんねーんじゃね?未知のウイルスやし、病状は風邪やし。あと、後半にならないとわからないんですが、ウイルスの元凶を突き止めるのもかなりの労力がいるようですんでね。一回の医者には厳しかろう。気にすんな。

さっき見た患者、病状悪化。佐藤浩市が見てあげる。が、血を吹いて死亡。エボラウィルス?妻夫木くんも凹む。あん時ちゃんと見てれば・・・。どんまい。一応、付き添いの女の子も見るが、反省はさておき結構テキトーに見てる気がする。原因わからんから、見るだけにしかならんよねぇ。

さらにさっき死亡した患者後を浴びた佐藤浩市にまで・・・。なんてこったい。じわじわと弱っていき、ちょうど家族が訪れたあたりで大ピンチ。一瞬復活するも眼や鼻・口・耳などから大量出血で死亡。家族の前である。カワイソーに。こりゃたいへん。

ウイルス拡大!

似た症状の患者が押し寄せる。結構医者も無防備で対応。インフルエンザ流行でももうちょっと慎重に・・・。

WHOからスペシャルチーム到着。さっきのドントウォーリーな女性(檀れい)が現れる。妻夫木くんと何やら知り合いみたいですな。

さすがはスペシャルチーム。一般の先生の意見など聞かず、独断で事を進める宣言。まぁ、よくありますね。上層部と現場の対立です。ただし、妻夫木くんをチームに入れるという心遣い。ほれ、権力ありますんでね。

ちなみに、檀れいさん。ヒロインの特権というやつでしょうか。他の先生達とは一線を画す完全防備で患者に当たる。他の医者のことはどうでもいいのか?妻夫木くんも完全防備したほうが・・・。

感染拡大。

原因追求のため、鶏がいっぱい死んだ養鶏所を訪問。が、ウィルス見つからず。が、基本ここが原因だろうと無実の罪をなすりつけられ研究が進む。イヤイヤ、そこに原因がないのになんでだ?

さらには恐るべきマスコミの力。原因はそこにあるという報道の結果、そこに住む女の子は学校でいじめられ、父親は〇〇・・・。

でも、女の子の彼氏が守ってくれてキュンとするのである。
嘘である。ごめん。書いてみたかった。

政府動く。外出禁止、他県への移動禁止。だそうです。が、突破する人々。どこに逃げるんだろう?飛行機は飛んでないだろうし・・・。いちおう東京から離れて田舎に行けばなんとかなる発想かな?

相変わらず原因不明。感染者、死亡者絶賛拡大中。病院内もウイルスの温床だと思うんですが、マスクとメガネだけで対応する医師たち。かわいそう。

檀れいさんのみは完全防護で安全そうですが・・・とおもいきや、庭に出てのどかに電話かけてみたりする。危ないのでは??

妻夫木くん、その場に居合わせ、「お母さんの言うことを・・・」という言葉をチラッと聞く。大好きだったのにー。子どもがーいた~なんて♪。と、勘違いするも、クロアチアで助けた子どもやねん。

とのこと。あわせてその辺の命の切り分けしてんのよ、と涙ながらにアピールするダンさん。呆然とする妻夫木くん。いや、そこ突っ込まれても俺困るし。といったおももち。

雨が降る。演出である。濡れてる妻夫木くんをしかるダンさん。健康管理がなってないんだそうな。その前にあんたはマスクとんなよ。

どんどん感染者続出。命の値段というかその辺の非常なところをダンさんがやってくれます。「あちらは長く行きられないから、もう維持装置は外してこちらに使って・・・」みたいなね。そしてザクザクと外していきます。非情でカッチョよろしいシーン。

その後へこむダンさん。だってホントは繊細な女の子。妻夫木くん登場。おそらくいつもの無菌室ベランダ?屋上かな?
もちろん綺麗なお顔は隠せないので、マスク無しです。そして・・・雨が振ります。雨の中抱きあう二人。雨は降るんです。

養鶏所再び。あれ?原因はそこちゃうんでしょ。そこでとある研究者(フリーかどっかの准教授的な人)と出会ってウイルスの種を裏で手渡す。それもイカンってば。

で、彼が原因を見つけるんですが、発表は大学教授とか偉い人・・・この描写もイランきがする。ちなみに、それだけで以降別段話に絡まないときたもんだ。

徐々にではあるものの原因に近づく中、感染は拡大しまくり、東京は死の町に。何故か火の手が上がって、何故か鉄塔は倒れ、何故か黄砂のように砂っぽい。廃墟東京。恐るべしウィルスの力。

きっと空中に漂っているウィルスが金属を腐食させ、発火の原因にもなり、ホコリを産み、砂に付着する。困ったウィルスである。人間に感染しなくても結構危険ではないか。

次のシーン。妻夫木くん。最初の患者さんの彼女を突き止めて原因が彼女の父親では・・・ということを聞く。で、元凶は東南アジアの・・・出発。

出発?

すなすな。あなた医者でしょ。現場ほっぽって専門外が言っても役立たないってば。いいのか?現場。担当してた患者ほったらかし??いいの?いいの?

現地じゃ銃をぶっ放されたり、色々する。が、その前に。妻夫木くんも研究者も、WHOの人も認識緩すぎ。ほとんどマスク付けないしメガネも掛けない。ダンさんを見習いなさい。

建物内に入るときだけ申し訳程度につけたりはするんですけどね。ともあれ、発症原因は自然破壊と日本の企業による環境汚染。だそうな。エビがやばいらしいっす。

おっと、ついに環境問題に触れて無理な開発とかそ~いうのを叩くのか?みたいなことを考えていたんですが、そのへんはほれ、スポンサーとかいろいろありますしね。一切触れずに終了。

ところで、鳥インフルエンザ疑ってた教授たちって一体何を探ってたんでしょ?そ~いうのってやっぱりわからないものなんでしょうか?僕みたいな知識のない人間には鳥とエビなんて月とスッポンなんですが・・・。

教授を残し(自分の意志。末期がんらしい)妻夫木くん帰国。結局なんのために行ったんだ?

何事も無く現場復帰。

唯一許せるちっちゃい子と母親の話。看護婦の母親に魔法のお手紙(メール)を送ったり、フェンス越しにあったりする微笑ましいシーン。

が、非情な作者(監督?)はその仲も引き裂くのであった!お母さん感染。で、倒れる。ちょうどメール送ったあとで返事がないのを心配する娘と父親。会いに行くもNo。ひどい。会わせてあげて。

母親死亡。お、なんか妙に綺麗な顔でなくなっておられる。佐藤浩市とか男性陣は結構北斗神拳食らったかのよう日を全身から流して死んでいったのに、性別の差?

死後、未送信だった彼女から娘への返事を送る妻夫木くん。娘さん喜ぶ。ちょっと悲しいな。

その後研究を兼ねてダンさんが長野県かな?何やら空気の綺麗な場所に行くらしいです。昔浅からぬ関係にあった二人ですが、これが終わったらまた会おう。という死亡フラグを立てた上で見送る妻夫木くん。

が、一転、悲しい悲劇が。予想通り、感染。あんなに気を使ってたダンさんが何故か感染。さっきの空約2時間くらいしかたってないという急展開ぶり。まぁ、時間の問題もありますしね。しょーがない。二次感染を防ぐべく、彼女も病人リストですな。・・・「危ない患者を中心に観ます。」と、男らし・・いえ、気丈に言い放つ。さすが・・・なのかな?

というかね、そんな状態の彼女がスタッフとして紛れたら、他のスタッフにまで感染する可能性高くなりませんか?

そろそろラストスパート。

どんどん死んでく中、養鶏所の娘さんも感染。白目向いて倒れる。前述のキュンとする彼氏が病院に連れてきて、そばまで来る。

ん?まちな。

なんであの女の子入れずに一般の男の子は入れるんだ?しかも結構中の方まで。方針が変わった?そんなにタイムラグないはずだぞ。

一時平静を取り戻したのでお庭に出て男の子と話す。当然ふたりともマスクなどしない。助けるよ。と安請け合いする妻夫木くん。

彼女急変。それと同時にダンさんも最後の時を。ビデオチャットで妻夫木くんにラスト・メッセージ。

感染者で生き残った人の血清を使うわ♫。だそうな。結構長い間調べてるんですが、その発想はなかったのか?それと同時に養鶏所の娘さんもピンチ。血清だ!と妻夫木くん。いいの?

奇跡的にと言ってはなんですが養鶏所の娘さんは助かる。そこからなんと他の患者を掘っておいてダンさんに会いに行く。「いま会いにゆきます」なのです。途中でガソリンが空になるので、車を乗り捨てて走る走る。爆風スランプなのです。

で、部屋に行くと、さすが女性の力。キレイなお顔でダウン寸前。が、いとしの妻夫木くんの声で一瞬復活!いいこと言って(僕の心にゃ響かんかったが)妻夫木くんを泣かせたあと、急変。この急変パターン。佐藤浩市の時と一緒なのである。違うのは顔の綺麗さ。血を一滴も流さず・・・血清の力・・・じゃないよね。

最後は立ち止まると「たとえ明日、地球が滅びようとも君は今日、りんごの木を植える」という唐突な名台詞とともに林檎の木が現れる。唐突に成長する。で、フラッシュバックでダンさんとの思い出なんかを振り返っちゃったりする。ここもちょっと恥ずかしくて僕には上手く書けない。

end・・・

いやね、前半のまだ未知のウイルスがよーわからんとドタバタしてるあたりは悪くはなかっただけに、もっとウィルスと真っ向向きあえばこんな結果にゃならんかったと思うんですがねぇ。

メインの恋愛ネタ(妻夫木くんとダンさん)がハーベストのように作品を薄く仕上げ、さらにはそこまで恋愛話に飢えとるか?というほど下手に恋愛ネタやら家族ネタをバンバン重ねた結果、見事にうす~い作品が出来上がったと言っても過言じゃない。まるで茶さじ一杯でインスタントコーヒーを作ったかのうような作品だったなぁ。

多分、恋愛ネタを持ってきた上でそれに不幸(ウィルスね)が二人を別つと涙が流れる法則を狙ったんじゃないかと、ティア・マイスターを目指す僕なんかは邪推するんです。その法則、失敗ですってば。

隠しテキストはここまでです。

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