リアル・スティール Real Steel
画像表示切り替え監督: | ショーン・レヴィ |
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出演: | ヒュー・ジャックマン、ダコタ・ゴヨ、エヴァンジェリン・リリー、アンソニー・マッキー、ケヴィン・デュランド |
時間: | 127分 |
公開: | 2011年 |
キャッチコピー: 「リアル・スティール」──。 それは、親子の絆が生み出す、“本当の強さ”。 | |
ジャンル: アクション、ファミリー、ドラマ、格闘技 |
コメント一覧
でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年05月27日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2012年06月21日 | 見た回数: 1回
主人公の少年がけっこうしたたかなのが好感が持てるのだけど、それ以外は比較的しょっちゅう見るたぐいのストーリー。死なない「チャンプ」ですよね? だから筋立てには何の不満もありません。
ただ、筋立て上しょうがないのだけど、敵側をそんなに悪者に描かなくてもいいんじゃないだろうか。白木葉子(『あしたのジョー』)みたいな女性が、ほんとうに初期の白木葉子みたいでおもしろかったけど。
でもね、いくら役者*1がよくたって、そもそもロボット同士が戦うというところで、乗り切れない……を通り越して失笑しちゃうんですよ。だって「ボディだ! アッパーだ!」って、ナニソレっていうかんじじゃないですか? それロボットですよ? ボディを殴るとどうなるのん? なんか他にロボット同士らしい戦いの工夫ってもんはないの?
人間たちは操作してるだけで、当人が戦ってる訳じゃないから、見てる側もちっともハラハラしない。だって、対戦型格闘ゲームでしかないんだもの。スト2のリュウ(むかしのロボット)で、MARVEL SUPER HEROESのマグニートー(あたらしいロボット)とたたかう……みたいなもんでしょ?(あれ、すでにそういうゲームがあったような気が?)
いやね、たとえば「世界最速のインディアン」だって、マシンが重要な要素の戦いですがね、でも、見てるそばから冷めていくようなことは全然ない。「ロボコン」も、たぶんある種のロボット同士の戦いだけど、こんなにつまんなくないんじゃないかなあ(まだ見てないのだけど)。
じっさいのボクシングの試合って、動きが速すぎて追うのが大変なんだけど、本作では動きがデフォルメされている分わかりやすかったのはよかったかな?
映画でもなんでも、楽しめた人の勝ちなので、その点でいえば僕は敗者だけど、こんなにお話に工夫*2のないお話だと、残念ながらつまんないとしかいえないですね。原作の小説は面白いのかなあ。
- *1 「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」の校長先生が出てた!
- *2 かろうじて工夫か? といえば作中で言われるところの「シャドウ」機能くらいだけど、言及した瞬間からどのような伏線なのかが丸わかりでこれもイマイチ
※先に断っておくと、たぶんかなり柴田さんを意識しないように意識してしまったかなと。
いやさ、私だって陳腐だとは思いましたよ。ロボットでボクシングですよ? おハイソな金持ちの道楽なら分かるけど闇試合って。メンテ大変だし壊れたら終わりだし金かかるっつーの。場外にぶっ倒れたら人死ぬよ!事故も起ってるだろうし危ないっつーの。機械なんだから一番お金かけられる奴が一番強いに決まってるでしょー。とかね。
でもまあ、正直に言っちゃえば、下らないと思って見始めて、だいたいのオチだってすっかり分かっちゃってるのに、それでも最後は、会場にいる観客たちと同様、アトムを応援する気持ちになっちゃったのです。素直にそんな気持ちになれたのも、気持ちが良かったのです。人生ナナメ目線なので、普段はわりと鼻で笑っちゃうタイプなのに。
柴田さんとしゃべってて整理がついたのは、父親役がヒュー・ジャックマンである必要はないけど、個人的に彼の新しい顔を見られて、作品の評価に一役買ったのは確かだということ。「ニューヨークの恋人」の品の良い貴族から入って、ウルヴァリンだと知って驚いて、ふたつが対局にあるまま、どんな人か定まり切らずにいたのです。今回の自堕落な父親でようやく現世に生きる普通のひとを演じているところを見られてすこし腑に落ちたような気がします。
ひとつだけ、ひとつだけ引っかかっているのは、モ ーテルの前で音楽をかけながらマックスとアトムがダンスをするシーン。向かい合って動くとアトムは鏡の容量で左右逆に人の動きをトレースする。でもマックスが振り返り、うしろのパソコンをいじり始めるとアトムの動きは反転せずにマックスの動きと全く同じになっちゃうのだ。…う、説明するの難しかった!でもそこであれ?ってなったので書いておきたくて。