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ジョー・ブラックをよろしく Meet Joe Black
画像表示切り替え監督: | マーティン・ブレスト |
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出演: | アンソニー・ホプキンス、ブラッド・ピット、ジェイク・ウェバー、ジェフリー・タンバー、クレア・フォラーニ、マルシア・ゲイ・ハーデン |
時間: | 180分 |
公開: | 1998年 |
キャッチコピー: たとえどんなに遠い世界の人でも- きっといつか… | |
ジャンル: 恋愛、ファンタジー、リメイク |
コメント一覧
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年03月18日 | 見た回数: 1回
<非人間の存在が人間の振りをする話>というものがいくつかあります。SFの侵略者ものなんかでも多いのだけど、侵略というような剣呑なことを言わない分野でもいくつかある。
映画だと「スターマン/愛・宇宙はるかに」や「K-PAX」とか(二つともSF寄りだけど)。
で、そういう映画で<この世界のことをよく知らない人間>を演じる役者は、けっこうたいへんでしょう。ただ、上述の映画の、ジェフ・ブリッジズとケビン・スペイシーは十分それができちゃう。
本作では、なんとブラッド・ピット。バナナを食べるケビン・スペイシーには及ばないけど、ピーナッツ・バターをそのまま食べちゃう。
「セブン」でなさけないブラッド・ピットをみたのと、アンソニー・ホプキンスが出てるにも関わらず見たことがなかったので、借りてきたのですが、いや長かった。じつに三時間近い映画でした。作りは丁寧なので見てられるんですがね(全般にいかにも「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」の監督だなーという感じです。WASP大好きなのかな?)。
さて<非人間>を物語に存在させることの意味は何でしょうか? それはその非人間の存在によって、ありふれた日常の振る舞いや価値観が相対化されるからですよね。だから「K-PAX」では(それだけじゃないけど)<家族>という概念を、「スターマン」や本作では<愛>という概念を見つめ直します。
「スターマン」におけるカレン・アレンによる愛の概念についての説明は、「誰かを自分より大切だと思うこと」と非常にシンプルです。本作だと、アンソニー・ホプキンスによる説明は読み返さないと意味が分からないほどがちゃがちゃした言葉だったのですが、おおむね同様の内容。説明に関しては(だれも比べろなんていってないけど)シンプルな美しさで「スターマン」に軍配があがるかな。
もう一つの見所は、アンソニー・ホプキンスの役が大会社の社長なんですね。映画冒頭は「世界最速のインディアン」と同じく目覚めるアンソニー・ホプキンスなのだけど、目覚める家がひと味違います。豪邸で、アンソニー・ホプキンスの誕生日には大統領も出席しちゃうほど。庶民としては、なんとなくそういうハイソサエティな世界を見られると、めずらしいものをみたなあという気分になります。
そうそう、ブラッド・ピットの車のはねられ方が映画に似つかわしくないほど豪快で、おもわず夫婦で見直しちゃいました。
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おっとリメイク作品でしたか(Wikipedia「ジョー・ブラックをよろしく」)。しかもラズベリー賞ノミネート。たぶん旧作のファンがいるのでしょうね。僕はそれなりに楽しかったけど。