アレクサンドリア Ágora

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監督:アレハンドロ・アメナーバル
出演:レイチェル・ワイズ、マックス・ミンゲラ、オスカー・アイザック、マイケル・ロンズデール、ルパート・エヴァンス
時間:127分
公開:2009年
キャッチコピー:
そこは、真実が滅び去った場所。
ジャンル:
歴史ものドラマ実話

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2015年11月12日 | 見た回数: 1回

ローマといえば「グラディエーター」。そして、「テルマエ・ロマエ」。(ん?「ベン・ハー」も舞台はそうだっけ??)。見てないだけかもしれませんがハズレが意外と少ない印象ですな。今作はでっかい図書館があったという、アレクサンドリアのヒュパティアな話です。

最近だと柴田さんに借りっぱなし(スイマセン)の「ビッグバン宇宙論」にも出てきた気がしますよね。とにかく科学にナンチャラカンチャラを捧げた女性が主人公。楽しそうじゃないですか。宇宙についてのなんじゃもんじゃもいっぱい出てくるのかな。とか思って見てたんですが科学よりで宇宙についてのなんじゃもんじゃよりも、そんな科学者である彼女が宗教戦争に巻き込まれ・・・というかんじでした。
サイモン・シンの本みたいな科学的なもんを想像するとちょっとあれかな?

焚書されるところでは心を痛めたし、一般的な市民が地球は平で宇宙の中心。という思いに反論できない科学者たちをみて、うーむ。あの時代に説得力ある説明はむずいなぁ。とか思ったり、宇宙について悩む主人公たちに「あー、こーやねん」と言いたくなったり。
と、映画自体は悪くはない。

一方で、後半になるにつれ、宗教色が濃くなっていく。この映画ってキリスト教徒的にはどう見えるんだろう。とか思っちゃうくらい、ちょっと悲しくてしんどいなぁ。宗教紛争という歴史の事実を見せられて、うへ~となったりもするんですわ。
ラストの彼女の行く末もまぁ、歴史者だけにわかりきって入るものの、やっぱり心が痛む訳で、宇宙の神秘に一歩近づけたという救いはあるっちゃーあるんですが、ちょっとしょんぼりさせられる一本でした。

歴史映画としては全然悪くないんですよ。悪くないんですってば。

柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年12月09日 | 見た回数: 1回

アレクサンドリア図書館のことはいろんな本で読んではいたのですが、最近、カール・セーガンの『コスモス』を読んだところ、アレクサンドリア図書館とヒュパティア(ヒパチア)について言及があったので、なんとなく視聴。

カール・セーガンの『コスモス』でも、ヒュパチアが美しかったこと、生涯独身であったこと、そしてなによりも聡明であったことを書いています。この映画でもそのように描かれるのですが、最初のあたりは、周囲に男子がうろちょろするのですね。なんだか、そのまま「ヒュパチアの知られざる恋」みたいな話になったらとても嫌だなあ、と心配しながらみていたのですが、そんな心配も杞憂に終わり、けっこうテンポよく話は進みます。

史実通りキリスト教司祭、キュリロスから魔女と断罪され、残酷に殺されるのですが、おもしろい試みとして、彼女がケプラーの法則(第1法則)を発見していた、という挿話があります。いかに帰納法的であっても、実験と、なによりも真理がそれを求めるのであれば、いかに当然に思われる事実であってもそれを相対化する──つまり反証可能性を受け入れる──というのは、科学者の基本的な態度です。彼女にこの要素を付加することで、彼女が真摯に、真理と向き合おうとしたことがあらわされていて、なかなかいいなあとおもいました。

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