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CASSHERN
画像表示切り替え監督: | 紀里谷和明 |
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出演: | 伊勢谷友介、麻生久美子、寺尾聡、樋口可南子、小日向文世 |
時間: | 141分 |
公開: | 2004年 |
キャッチコピー: キャシャーンがやらねば誰がやる。 この地に生まれた、愛する人々に捧ぐ。 | |
ジャンル: マンガ・アニメの実写化 |
コメント一覧
でべ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2010年11月08日 | 見た回数: 2回
石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年04月23日 | 見た回数: 3回
「GOEMON」見て、そういやキャシャーン見たいぞ、と、引っ張りだしてきました。あれ?こんなに長い話だったっけ?あと、世間の評価ほど悪くない、普通の作品だったと思ったんですが、今回見てみたところ、あれ、面白いやんか。
まぁ、確かに物語としてはわかりにくい。普通のありがちな話だと思うんですが、映像とストーリー展開で混乱させ、ストーリーないミュージックビデオやん。という認識でとらえられてしまっている作品。
まぁ、そんな世間の意見もわからんではないけど、今回は前段階の準備もあってあの映像に惑わされる事なく以前よりも話を追っかける事が出来たと思います(前見た時はよくわかってなかった)。
あと、とぎれとぎれ見てたのも好印象につながったのかもしれません。2時間半近くある作品なのに、緩急があんまりないので一気に見ると疲れちゃうというのもわかるしね。
という事で評価は割りと高めですが、やっぱり他の人に勧めるようなタイプの作品ではないなぁ。僕が面白いと感じた部分もかなり個人的なんでなんか伝わらん気が満載だし。何となくもったいない感満載です。ちゅうことで映画部評価としては、「GOEMON」より上だけど「まあまあ」かな。
それにしても、唐沢さんら新造人間ってつくづくレプリカント(「ブレード・ランナー」)とキャラがかぶるねんなー。僕だけかね?
最初の観賞からかなり好きな映画。でも再度見るには必要なエネルギー量が大きすぎて、長らく「好きだった」余韻だけを楽むに留まっていた。好きだけど頻繁に見たくない種類の映画。
さて見直して前回よりもさらに評価が上った、と思う。見る段取りと心構えができていた分、より素直に受け入れられたかと。
とにかく監督の思いが張り裂けんばかりで、それが鉄也をはじめ登場人物の葛藤と重なって、切なくてやる瀬なくて身につまされる。
あら探しならいくらでも出来る。悪く言うほうが簡単なくらい。でもこの叫び出しそうな重圧、悲壮感、鬱屈した力強さを映画にパッキングできる人はそういない。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の丞二のコメントを思い出した。
充分な環境があったとは思わないけど庵野さんと同様、紀里谷さんもピュアな気持ちでこの作品に取り組んだに違いない。それほど監督の「キャシャーン」への愛が端々までみっちり溢れていて、それもまた胸が締めつけられる。
エンディングの宇多田ヒカルも気持ちいい。プレミアイベントに手をつないで登場した二人をテレビで見たのを覚えている。今は離婚してしまったが、制作当時は二人のピースがカチッと噛み合っていたのが伺える。
重箱の隅をつついてこの映画をつまらないものにしないでほしい。作りたいものがある人ってのはどんなに稚拙でも凄いから。
さて、ここまでが「褒め」のパートです。
実は後半、一部寝ました。一緒に見ていた丞二も後半に入ったのを悟ると「じゃあここまでだね」と言って仕事に行っちゃいました。
前半のスピード展開、非常に格好良い音と絵づくりには圧倒されて「凄いものを見た!」と興奮するものの、後半(キャシャーンになった鉄也とルナが抱き合って語り合うあたりから後ろのこと)は喋ってばかりで、眠く、説教臭さが目立ち、アクションシーンも「さっき見た」構図ばかりで新鮮味に欠けてしまう。実際にちょっとうとうとして起きてもまだ同じシーンの続きだったりして。
ただ、最後の盛り上がりから収束に向かう筋では息を吹き返して前半に抱いた切ない気持ちをきちんと受け止めて増幅してくれるので、もったいない。
長い映画だし、間の1時間くらいごそっと省略して90分に再編集してくれたらもっと頻繁に見るのになあ。ダメだろうなあ、そんなこと言っちゃあ。