ティンカー・ベル Tinker Bell

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監督:ブラッドリー・レイモンド
出演:メイ・ホイットマン、ルーシー・リュー
時間:78分
公開:2008年
キャッチコピー:
それは、世界で一番有名な妖精の、誰も知らない秘密の物語…
ジャンル:
ファミリーファンタジーアニメ(海外)

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2009年10月18日 | 見た回数: 1回

先に見たのぐちは、「ティンカー・ベルが、わがままでムカつく」といっていたのですが、まあ、それを聞いていた分、こころの準備ができていたのと、そもそもティンカー・ベルはわがままなのは知っていることなので、それはさておきなのですが……、あ、さておきじゃないんだ。

ちょっと一度考えてみてほしいんですけどね、

・生まれ持った卓抜した才能がある
・その才能以外のことをしたいと努力する
・いろいろと試行錯誤する
・試行錯誤の結果、取り返しのつかない失敗をして
・生まれ持った才能でそれをリカバーする
・生まれ持った才能が一番だ、と自覚する

っていう話、なんだかイマイチ子さんじゃないですか?

構造は異なりますが、似た特徴を持つものとして「ハリー・ポッター」にも同じことを感じたのですが、こういう話が違和感なく、人々に受け入れられるってのは、何故でしょうね、僕が、ひとりひねくれてるからでしょうか。

ティンカー・ベルはたしかにわがままなんですが、その「生まれ持った才能」以外の存在可能性を模索するその姿は、僕にとっては非常に好感の持てるものでした。でも、最後に、「あ、やっぱり自分はほかのことやろうとしない方がいいのね」というところに落ち着くって、うーん、子供向けの作品がそんなことでいいのかなあとおじさんは思うのです。

で、イマイチ要素はまだあります。この作品ピクサーのジョン・ラセターを製作総指揮にしているんですね。ジョン・ラセターは「バグズ・ライフ」の監督でもあります。じゃあ、後発の作品は、ちょっと期待もするじゃないですか。でも、ちっともバグズ・ライフを超えるところがないんです。

映画を見ていると、スタッフロールの後、強制的にティンカー・ベルのメイキングがはじまったのですが、こんなにつまらないメイキングはないくらいつまらないんですよ。「ソレ、むかし、ピクサーのドキュメンタリーでみたヨ」くらいのことしかいわないのです。

ジュラシック・パーク」のメイキングなんて、集音機器を持った男のシルエットが、スピルバーグの注文にあった音を求めて、一人で夕暮れの丘の上をうろつくシーンがあり、メイキングで感動するっていうのも、逆にどうかというところですが、でも、それにしてもちっとも面白くない。そりゃティンカー・ベルのお話を書くのだったら原典に当たるでしょう。そんなのあったりまえだのクラッカーですぜ。

ほとんど残念クラスのコメントなんですが、でも、ティンカー・ベルに免じて、一段階アップで。彼女と一緒にいる時間は、疲労で倒れている間でも、ちょっと楽しかったです。あとは「迷い子たち」に対する「迷いもの」っていう概念もわるくなかったかな?

しかし、ティンカー・ベルの登場に伴ってピクシーホロウにおこった産業革命の後、いったいネバーランドはどうなるのでしょうか?

産業が発達することで、労働が一極化し、職にあぶれるものが現れて、貧富の差が拡大する。貧困層はスラムを形成して、社会の治安が乱れる。……で、フック船長のようなヴィランが生まれる……だったら、びっくり。

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