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柴田宣史 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2009年02月14日 | 見た回数: 1回
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』の映画化。近年も中田秀夫監督で撮られているそうだが、これは古い方(すみません、中田秀夫さんの「怪談」は別の原作でした)。
4つのお話が入っており、どのお話も芸術性という点ではきわめて高いものがあると思われ、かつ所々かなり面白い表現もあるのだが、いかんせん眠たい。すこしづつの化粧の変化で恐怖を表現する「黒髪」。照明の工夫だけで現世と幽界を切り替える「雪女」。耳無芳一の話などはいちばん金もかかっていそうで、壮大な絵を見せてくれるのだが、非常に々々々眠い(しかしここでも、ギランという音とともに耳無芳一の姿が平家の武士に見つかるシーンなどは格好が良い)。だから作品の芸術性に重きを置かない柴田としては、ちょっと点が辛くなりますが、総合点が辛いからおすすめでないというわけでもなく、いずれの話も一見の価値があると思います。映画というものはベンヤミンがいうようなアウラのない複製芸術かもしれませんが、しかしこれだけの仕事を一般大衆がみられるというのは、やっぱりエラいことですよ。とくに僕たちの世代(団塊ジュニア)は、映画(とくに SF)が「まるで本物みたい!」というのをありがたがった時代から、本物のようであることは当たり前のものして、「映像体験」ということを重視するような時代に移っていったとおもいますが、その映像体験というものを、ちょっと踏み込んで考えてみると、見る努力、読み取る努力の減少傾向を感じずにはいられません。
作品を支える技術としては劣っていても、映画を見るものと撮るものが、一緒になってはじめて映画を完成させるのが、上映の場であり、閲覧側の読み取りの力によって作品が完成すると考えれば、映像体験世代の映画体験は、じつは昔の映画に対しても減じてしまったのかもとかなんとか。なるべく、ただ芸術性をありがたがったり、古いものをほめたりしたいというだけの文章は書きたくないのだが、ちと難しいですね。
さておき、DVD ですが、僕はレンタルで借りましたが、特典が結構楽しいです。テキストデータを読まないといけないのですが、撮影裏話だけでなく、ラフカディオ・ハーンについての簡単な紹介ドキュメンタリなんかもはいっていておすすめです。
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小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』の映画化。
近年も中田秀夫監督で撮られているそうだが、これは古い方(すみません、中田秀夫さんの「怪談」は別の原作でした)。4つのお話が入っており、どのお話も芸術性という点ではきわめて高いものがあると思われ、かつ所々かなり面白い表現もあるのだが、いかんせん眠たい。すこしづつの化粧の変化で恐怖を表現する「黒髪」。照明の工夫だけで現世と幽界を切り替える「雪女」。耳無芳一の話などはいちばん金もかかっていそうで、壮大な絵を見せてくれるのだが、非常に々々々眠い(しかしここでも、ギランという音とともに耳無芳一の姿が平家の武士に見つかるシーンなどは格好が良い)。だから作品の芸術性に重きを置かない柴田としては、ちょっと点が辛くなりますが、総合点が辛いからおすすめでないというわけでもなく、いずれの話も一見の価値があると思います。映画というものはベンヤミンがいうようなアウラのない複製芸術かもしれませんが、しかしこれだけの仕事を一般大衆がみられるというのは、やっぱりエラいことですよ。とくに僕たちの世代(団塊ジュニア)は、映画(とくに SF)が「まるで本物みたい!」というのをありがたがった時代から、本物のようであることは当たり前のものして、「映像体験」ということを重視するような時代に移っていったとおもいますが、その映像体験というものを、ちょっと踏み込んで考えてみると、見る努力、読み取る努力の減少傾向を感じずにはいられません。
作品を支える技術としては劣っていても、映画を見るものと撮るものが、一緒になってはじめて映画を完成させるのが、上映の場であり、閲覧側の読み取りの力によって作品が完成すると考えれば、映像体験世代の映画体験は、じつは昔の映画に対しても減じてしまったのかもとかなんとか。なるべく、ただ芸術性をありがたがったり、古いものをほめたりしたいというだけの文章は書きたくないのだが、ちと難しいですね。
さておき、DVD ですが、僕はレンタルで借りましたが、特典が結構楽しいです。テキストデータを読まないといけないのですが、撮影裏話だけでなく、ラフカディオ・ハーンについての簡単な紹介ドキュメンタリなんかもはいっていておすすめです。