思ったより楽しかったかな？

豊川悦司さんは、なんというかそんなにカオが良いわけでもなく、かっこいいわけでもなく、うまいかというとそうでもないような気がするんですが、画面に出てくると、なんだか安心しますね。こういうのをスター性っていうんでしょうか。北島マヤにあって、姫川亜弓にないもの（そうでもないか）。

お話はなにか難癖つけようと思うものではないんですが、あれですね。みんな悪者っぽすぎて、警察なのかヤクザなのかよくわかりませんね。まあ、警察の本質をうまく表現しているのかもしれませんが、おたがい足を引っ張り過ぎ。

観終わった直後の感想は「面白い2時間ドラマ」。
でもその後しばらく尾を引いて、思い返しては楽しんでいたので、良い映画だったのかなと。噛んで味の出るするめ映画。
原作がよくできた話だったんだろうというのは見て取れるけど、映画単体で観てもぐぐっと良い緊張感のある1時間半（ちょうど良い！）。豊川悦司さんも渋い役どころだけど、脇役陣がまた渋くて重い役者ぞろいでキャラクタもぼんやりしたところがなく、それなりにみんな腹黒くて、やっぱりいい人の笹野高史も、一人使えない池内万作さんも、きちんと役どころをこなしていて満足。

いや、いっちょかみで見てて、なんだか面白そうだと思い、録画してたものを見ましたが、久々に邦画でシリアスなあたりものにぶつかったなぁ。とおもいました。
なんといっても豊川悦司がかっちょよろしい。TVCMとかでちょっとコメディタッチもできるようになって僕の中での評価が上がった彼ですが、ちょっと暗い寡黙な男のイメージが強くて、それがなかなかに今作品。よく合ってたように思います。全国放送で犯人に向けて「今夜は震えて眠れ」と言い切る当がなんともニクイ。
犯罪ものとしては、ある程度想像がつく（というか、よくあるパターン）んですが、さくさくと話が進んでいくため引き込まれていきました。こういうのは元がいいんだ。と原作本読んでる人にとっちゃ物足りないですが、2時間以内によくまとまっていて、充分に楽しめた一本でした。