アラビアのロレンス Lawrence of Arabia
画像表示切り替え監督: | デヴィッド・リーン |
---|---|
出演: | ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アレック・ギネス、アンソニー・クイン、ホセ・ファーラー |
時間: | 227分 |
公開: | 1963年 |
キャッチコピー: 灼けつく大砂漠を越えて今ロレンスが進撃する! | |
ジャンル: 歴史もの、ドラマ |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2016年04月25日 | 見た回数: たくさん
でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年04月01日 | 見た回数: 1回
思ったほど「眠くてつまらん映画」ではなかった。
伊丹十三のエッセイに登場するピーター・オトゥール像が好印象だったから、いつか見ようかしらと消極的に構えていたら、とある週末のとある早起きした朝に完全版を放送していて、心構えがないのでちょっと悩んだけど今しかないと思って見た。
朝早かったので「寝てしまっても仕方ない」と自分に言い聞かせていたわりに、そんなに頑張る必要もなかった。さすが、スピルバーグも愛する名作。
憂い顔、苦悩、浮世離れした風体、といえば聞こえは良いけど、気分屋ではっきりせず自分中心で芝居がかっているロレンスは、純文学のようなものに登場する、とある典型的な青年像を思い出させて、映画なのに小説を読んでいるような気分になるのでした。
冒頭の葬儀のシーンで語られる人々のざんばらなロレンス像が、まったく彼の人生そのものだったんだと後から思わせられるあたりも。
たーだーしー。まだこれを「名作」だと評価するにはでべは修行がたりないのでしょう。2時間に納まるし、2時間に納めたらもっと楽しめるのに。
アカバ攻略のために「神がつくった最悪の土地」を超えたところで、ラクダから落ちた仲間を無謀にも捜しにいくロレンス。空気が歪むほど灼熱の砂漠でひとり、待ち続ける召使いのダウド少年。地平線の彼方に一心に注がれる目線、ふっと顔をゆるめてゆっくりラクダを進める。はるか遠くの黒い点に向かって徐々にラクダを早めていく少年の安堵感と歓喜、音楽の盛り上がりに対する絵の静かさが息が詰まるほどに美しくて、わーとなりました。
長いからと言ってつまらないというわけじゃない。なんだったら数年〜10数年に一度、「なんかアレもっかい見たくなったぞ。長いけど」とか「そろそろあれ久々にいっとくか。長いけど」と思うくらいのどっちかといえば好きな映画であったりするんですけどね、やっぱ長いのは長いのだ。
リメイクされるとは思えないけど、もしされたら間違いなく2部作になるんじゃないかな。
ということでその長い、途中インターミッションが入っちゃうくらいの今作。「トロイ」にピーター・オトゥールが出てて、うーん。こんなにおじいちゃんになったのか。と思ったもんですが、その彼の若いころの作品ですね。長いけど。
忘れてることも多々ありました。前に見たのは映画部が始まる前なので10年近く間が開いてるんですよね。ロレンスってあんなに「地獄の黙示録」的に神に近づいてたっけ?とか、馬にも乗ってたような・・・とか、さらには終わりはこんなだっけ?とか、新鮮なこと新鮮なこと。長いけど。
昔見たのがちょっとまだ子供だった(今もだ)のか、今回はより、彼と彼を取り巻く環境とのギャップも感じられたし、もうちょっと大局的な欧米都の関わりなんかも感じられたんでより楽しめた気がします。長いけど。
ということで、とっても満足です。
きっとまた数年後、いや十数年後見たくなって「長いけど」と言いながら見て、やっぱり「長いけど」って言っちゃうんでしょうねー。