あらしのよるに

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監督:杉井ギサブロー
出演:中村獅童、成宮寛貴、竹内力、山寺宏一、林家正蔵(九代目)
時間:107分
公開:2005年
キャッチコピー:
それでも ずっと ずっと
いっしょでやんす。
ジャンル:
アニメ(日本)

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でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年04月09日 | 見た回数: 1回

ゲイ・カップルを応援する…はなし?

ストーリーはいたってシンプル。
下っ端オオカミと補食関係にあるヤギの友情ものがたり。あらしの夜に洞窟の暗闇でであった二人は相手が見えないままに意気投合。後日明るい場所でお互いを確認してからも「じゃあいただきます」とはならずに友情を育みます。もちろんそれぞれの群れの仲間からは猛烈な批判を受け、ジレンマに悩みますが結局群れから離れ、ふたりで旅に出ることになります。
「オオカミとヤギの友情」なんて補食関係にある動物の擬人化が「いかにも」で、多少ひっかかるような気もしますが、まあそこまで血の気の多いことは言いません。ようは味つけ次第、大筋はシンプルでわかりやすく。いいと思います。

ただ、予告を見たときからヘンな気持ちはしていたのだ。

 オオカミ:行けるとこまで行っちまおうか
 ヤギ:わたしはもう、とっくにその覚悟はできています

どうにもこのやりとりが男二人の美しい友情の絵に見えない。
うがった見方でなくて、素直に率直にこれは愛の逃避行か、と。
ロミオとジュリエットか、と。

オオカミが男、ヤギが女という性別分けでないのはいいとしよう。それこそまんまロミジュリだ。でも男二人だから余計に「なんだこれは」と。

出会った二人は敬語ではなし始めます。そこらの子供向け動物アニメとは違い、いきなり誰とでもタメ口をきいたりしません。相手への敬意と距離感を持って接するあたり、大人です。その大人さが妙な妄想をはたらかせるのでしょうか…?
ふたりでピクニック。おしりふりふり歩くヤギの後ろ姿を見て「おいしそう〜」舌なめずりするオオカミ…。いや、よくある展開なんです、よくある展開なんですが、なぜおしり…。もちろん直前でヤギが振り返ります。「どうしたの?」というそのおぼこさと、慌てふためいて取り繕うオオカミの姿もなんかちょっと恥ずかしい…ような。
そして話はすすみ、前述の「覚悟はできています」発言。お互いの群れから逃げおおせて落ち着いたとき、ヤギはうれしそうに言います。
「これからは、いつも一緒にいられますね。」
その姿を見て、木の上ではリスたちが二人を見てうわさ話をしています。
「あのふたり、これからどうするんだろうね?」「うまくいきっこないね」
うーん、まさしくゲイ・カップルに対するひややかな社会の反応。こんなに露骨でいいの?と思ってしまった。そういう裏の意味はないはずなんだけど。

そう思い始めると、声優陣もオオカミ=中村獅童、ヤギ=成宮寛貴と、どちらも種類は違いますが、艶っぽい男前…。こんなに声優の顔を思い浮かべながらアニメを見ることはないくらい二人の顔を思い浮かべながら見てしまった。

うーん、純真なこどもに戻りたい…。

<追記>
「あらしのよるに 同性愛」でググってみたところやっぱそう思う人は少なからずいるようでちょっと安心しました…。

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